夏バテ対策に! ゴーヤの栄養と健康効果を解説

苦みがあり大人向けの野菜ゴーヤですが、ゴーヤには健康に良い成分も含まれています。今回は、ゴーヤに含まれる栄養成分と健康効果について紹介します。ゴーヤの健康効果を知って、食事に取り入れてみましょう。

1. ゴーヤ100gあたりの栄養成分

ゴーヤ1本は約250gで、100gはゴーヤ2/5本程度になります。100gあたりの栄養成分は次のとおりです。

参照:「日本食品標準成分表」文部科学省

1-1. カロリーは17kcal

ゴーヤ100gあたりのエネルギーは17kcalです。これはリーフレタス(100gあたり16kcal)やセロリ(100gあたり15kcal)などに近く、低カロリーの野菜です。

1-2. 糖質は1.3g

ゴーヤ100gあたりの炭水化物が3.9g、食物繊維総量が2.6gのため糖質は1.3gです。

1-2-1. 糖質は1日70g~130gが目安

糖質制限中に1日に摂取する糖質の目安は70g~130gとされています。1食あたりにすると20g~40gです。ゴーヤは糖質が少なく、糖質制限中も安心して食べられる食材です。

引用:ロカボオフィシャルサイト

1-3. 脂質は0.1g

ゴーヤ100gあたりの脂質は0.1gです。

1-3-1. 脂質は1日40g~60gが目安

脂質は、食事から摂取する総エネルギーの20~25%が目安です。これは、成人男性では1日50~80g程度、成人女性では1日40~60g程度になります。ゴーヤは脂質が少なく、食事の脂質量にはあまり影響がありません。

1-4. タンパク質は1.0g

ゴーヤ100gあたりのタンパク質は1.0gです。

1-4-1. タンパク質は1日50g~65gが目安

タンパク質の1日の推奨量は、18~64歳の男性は一日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとなっています。ゴーヤはタンパク質が少なく、食事のタンパク質量にはあまり影響がありません。

1-5. ビタミンCは76mg

ゴーヤ100gあたりのビタミンCは76mgです。

1-5-1. ビタミンCは1日100mgが目安

ビタミンCの1日の推奨量は、成人では100mgとされています。ゴーヤにはビタミンCが多く含まれ、不足を補うのに役立ちます。

1-5-2. ビタミンCは野菜の中でピーマンと同じくらい多く含まれる

栄養価の高い野菜のピーマンにも、100gあたり76mgとゴーヤと同じ量のビタミンCが含まれています。ゴーヤは、ビタミンCが多めの野菜といえます。

1-6. カリウムは260mg

ゴーヤ100gあたりのカリウムは260mgです。

1-6-1. カリウムは1日2,000~2,500mgが目安

カリウムの1日の摂取目安量は、成人男性で2,500mg、成人女性で2,000mgです。ゴーヤにはカリウムが多く含まれ、不足を補うのに役立ちます。

1-7. 葉酸は72μg

ゴーヤ100gあたりの葉酸は72μgです。

1-7-1. 葉酸は1日240μgが目安

葉酸の1日の推奨量は、成人では240μgとされています。ゴーヤには葉酸が多く含まれ、不足を補うのに役立ちます。

1-8. 苦味成分はモモルデシン

ゴーヤの特徴的な苦味はモモルデシンという成分によるもので、一般的にはゴーヤ100gあたり約0.5〜1.0g含まれるといわれています。

2. ゴーヤの健康効果

ゴーヤは、ビタミンCやカルシウム、マグネシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素が含まれており、健康維持に役立ちます。ゴーヤの栄養成分には次のような健康効果があります。

2-1. ビタミンCは夏バテ予防・美肌に

ビタミンCは抗酸化作用によって美肌効果や、夏バテなどの風邪の予防にも役立ちます。

2-2. 食物繊維は便秘解消におすすめ

ゴーヤに含まれる食物繊維は、腸内環境を整え便秘解消にも効果的です。

2-3. 苦み成分モモルデシンは食欲増進と血糖値を下げる効果

苦味成分は消化器系を刺激し、胃液の分泌を促進するため消化不良の改善や食欲増進効果が期待できます。また、モモルデシンはインスリンの分泌を促進し血糖値の上昇を抑え、糖尿病予防効果があるとされています。

2-4. カリウムは血圧を下げる働きがある

カリウムはミネラルの一種で、体内の余分な塩分を排出します。カリウムの摂取は高血圧の方の血圧を下げる効果や脳卒中リスクの低下が報告されており、高血圧予防にも良いとされています。

2-5. 葉酸で貧血を予防する

葉酸は、血液の生産を助けるビタミンです。葉酸が不足すると、貧血や神経症状が現れやすくなります。

3. ゴーヤの保存方法

ワタと種から傷みやすいため、購入後はすぐに種とワタを取って、なるべく早めに食べるように心がけましょう。使いきれずに保存する時には、1.野菜室に入れる 2.冷凍する の2通り方法があります。

3-1. 野菜室に入れる

ゴーヤを冷蔵保存する際は、切り口が外気に触れないようにラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保管すると長持ちします。

3-2. 冷凍する

冷凍保存する際は、薄切りにして密閉容器に入れます。冷凍したゴーヤは解凍後に水分が多くなるため、火を通す調理法がおすすめです。

4. ゴーヤをお店で買う際の選び方

ゴーヤを選ぶ際には、見た目だけでなく手触りや匂いも大切です。以下のポイントを参考にして選ぶと良いでしょう。

4-1. 鮮やかな緑色

新鮮なゴーヤは鮮やかな緑色をしています。濃い緑色のものを選びましょう。黄色っぽいものは熟しすぎている可能性があります。

4-2. 表面にツヤとハリがある

表面がツルツルしており、適度に硬さがあるものを選びます。新鮮なものはゴーヤ特有の爽やかな香りがします。

4-3. ずっしりと重く中程度のサイズ

持ったときにずっしりと重みを感じるものを選びましょう。軽いものは中が空洞になっている場合があります。また大きすぎるものは、熟しすぎている可能性があります。

4-4. イボが立体的なもの

イボがしっかりと大きく、触って硬さを感じるものが良いです。イボが小さくて平らなものや柔らかすぎるものは、熟しすぎや鮮度が落ちていることがあります。

5. ゴーヤの苦味を抜く方法

「モモルデシン」の健康効果は薄まりますが、苦味が苦手な方や子供にも食べやすくするために、ゴーヤの苦味を抜く処理の仕方をご紹介します。

5-1. 薄く切って塩と砂糖をまぶす

ゴーヤを2ミリ程度の薄切りにしてから塩と砂糖を振りかけ、しばらく置くと苦味成分が外に出て苦みが薄くなります。

5-2. 湯通しする

熱湯にさっと通すと苦味が抑えられる効果もあります。ただし、あまり長く茹ですぎると栄養素が流れ出してしまうので、注意が必要です。

6. ゴーヤのおすすめレシピ

夏にはいただき物などでゴーヤが余ることも多いと思いますが、ゴーヤとさまざまな食材を組み合わせることで、おいしく栄養を摂ることができます。ゴーヤを取り入れてバランスの良い食事にするためのレシピをご紹介します。

6-1. 油を使った調理法

ゴーヤには脂質がほとんど含まれず、油と組み合わせることでバランス良く脂質を摂取することができます。また油を加える料理にすると、ゴーヤの苦味をやわらげることができます。脂質を含む食材の中でもアボカドやナッツ類は、健康に良い脂質を含み、食感が楽しめておすすめです。

【材料】

ゴー 1/2本
アボカド 1/2個
ツナ缶 1/2~1缶分
マヨネーズ 大さじ1
ポン酢 小さじ1
塩 小さじ1/2
かつお節 適量

1. ゴーヤは洗って縦半分に切り、中のワタと種を取り除きます。3ミリ幅くらいの薄切りにし、軽く塩もみして5~10分おきます。

2. ゴーヤから出た水分を絞り、熱湯で1分ほどさっと茹でます。冷水にあげて ゴーヤを冷まし、水気を切ります。

3. アボカドは皮をむいて種を取り、一口サイズに切ります。

4. ボウルにゴーヤ、 アボカド、汁気を切った ツナを入れ、マヨネーズ、ポン酢で和えます。

5. 器に盛り付け、仕上げにお好みでかつお節を振りかければ完成!

参照:「ゴーヤとアボカドのツナマヨサラダ」レシピ!クリーミーでほろ苦うまい♪ かつお節でうまみアップ

6-2. たんぱく質との組み合わせ

ゴーヤにはたんぱく質がほとんど含まれず、肉類や卵などと組み合わせることでバランス良くたんぱく質を摂取することができます。鶏肉や豚肉は、ゴーヤの苦みと肉の旨みが合わさった美味しい料理になります。

【材料】

鶏もも肉 1/2枚(120g)
ゴーヤ 1/2個
木綿豆腐 150g
卵 1個
ごま油 大さじ1
塩、こしょう 少々
ガーリックパウダー 小さじ1/4
A. 鶏がらスープの素 小さじ1
A. しょうゆ 小さじ1
白いりごま 少々

下準備 木綿豆腐は、キッチンペーパーに包み、水気をきり、食べやすい大きさにちぎっておく。

1. 鶏もも肉は、皮を取り、縦半分に切り、1cm幅に切り、塩、こしょう、ガーリックパウダーをふる。 ゴーヤは、縦半分に切り、ワタを取り、5mm幅に切る。

2. フライパンに、ごま油を敷き、鶏もも肉を炒め、肉に火が通ったら、ゴーヤ、木綿豆腐、A. 鶏がらスープの素小さじ1、しょうゆ小さじ1を加え炒める。

3. 卵を割りほぐし、塩、こしょうを加え、②に加え炒め、皿に盛り、白いりごまを飾る。

参照:鶏肉でゴーヤチャンプル風 | レシピサイトNadia

6-3. 野菜との組み合わせ

ゴーヤには食物繊維が含まれますが、ほうれん草やキャベツなどの野菜と組み合わせることで、食物繊維の摂取量をさらに増やすことができます。また、甘みを持つトマトやパプリカなどの野菜と組み合わせることで、ゴーヤの苦みを和らげることができます。さらに、それぞれの野菜に含まれるビタミン類が、バランス良く摂れるようになります。

【材料】

ゴーヤ 1/2本
赤パプリカ 1/2個
黄パプリカ 1/2個
鶏むね肉 100g
片栗粉 小さじ2
A. みそ 大さじ1
A. 砂糖 小さじ1
A. 酒 小さじ2
A. 水 小さじ2
A. 顆粒和風だし 小さじ1
サラダ油 大さじ1

1. ゴーヤーを半分に縦切り、スプーンで種とわたを取り除いて、薄切りにします。

2. 赤パプリカと黄パプリカのヘタと種を取り、薄切りにします。

3. 鶏むね肉を1cm幅のそぎ切りにし、片栗粉を全体にまぶします。

4. ボウルに(A)を入れて混ぜます。

5. フライパンにサラダ油をひき、3を中火で表面が白っぽくなったら、1と2を入れ炒め、しんなりとしてきたら4を加え弱火にしてよく絡めて火を止めます。

6. 器に盛り付けて出来上がりです。

参照:彩り夏野菜 ゴーヤと鶏のみそ炒め 作り方・レシピ

7. まとめ

ゴーヤの栄養と健康効果についてお伝えしました。ゴーヤの栄養成分には、夏バテ予防・美肌や便秘解消に、食欲増進と血糖値を下げる効果、血圧を下げる、貧血を予防する働きがあります。ゴーヤは苦みが特徴的な野菜ですが、その苦み成分に健康効果があり、他にも大切な栄養素を含んでいます。選び方や保存方法、苦味の抜き方を工夫すれば、美味しく楽しむことができます。ぜひ、ゴーヤを日常の食事に取り入れて健康的な生活を送りましょう!