「BMIが標準だと太って見えるので、20ぐらいが痩せて見える美容体重だよ」そんな話を聞いたことはありませんか?確かにBMIが標準であっても痩せて見えるとは限りませんが、かと言ってそれを鵜呑みにして、BMI20を目標にしてはいけません。もともとBMIは健康を考えるうえで大切な指標。見た目を意識するあまり、体を壊してしまっては元も子もありませんから、本当に健康的な方法で体重管理をすることがとても大切です。今回はそんな健康的にスマートに見える体型を目指す方法について、解説します。
1.そもそもBMIって?
そもそもBMIどんなものなのでしょうか?まずはBMIの基本をおさらいしておきましょう。
1-1.BMIとは
BMIとは、ボディマスインデックスの略で、日本語では体格指数とも言われます。自分の身長と体重さえわかれば、簡単に計算ができる数値です。そしてこの数値が基準に近ければ近いほど健康的であると言われています。
1-1-1.基準となるBMIは22
BMIの基準値は22。この基準よりも高いと「肥満」の傾向が強まり、逆に基準よりも低いと「やせ」の傾向が強まります。
1-1-2.BMIが高すぎても低すぎても健康リスクが高まる
一般的な感覚からすると、BMIが高すぎる肥満は健康に悪そうですが、実は低すぎることも体に良くありません。何ごとも極端は良くありません。BMIもこのバランス感覚が大切なんですね。
1-2.BMIはどうやって計算する?
BMIの計算に必要なものは、自分の体重と身長のみ。そして小学校3年生のときに習う「割り算」さえ知っていれば誰でも計算できます。
1-2-1.BMIは体重÷身長÷身長で計算できる
BMIは体重÷身長÷身長で計算できます。ものによっては、体重÷(身長×身長)とかかれていたり、体重÷(身長)²とかかれていることもありますが、ようするに体重を身長で2回割ればいいのです。
1-2-2.身長はcmではなくmで計算する
注意点として、身長は必ずcmではなく、mで計算してください。例えば身長が160cmの人は、1.6m。身長が145cmの人は、1.45mで計算します。
例)体重56kg、身長160cmの人の場合
体重57kg ÷ 身長1.6m ÷ 身長1.6m = BMI 22.26
2.BMI20が美容体重と言われているけど本当?
ここまででBMIの基本はお分かりいただけたかと思いますが、ではなぜBMI20が痩せて見える美容体重と言われているのでしょうか?
2-1.美容体重に根拠はない
まず一般的にいわれている美容体重ですが、これには特に根拠がありません。国や医療機関、学会などがさだめているような公式の基準ではなく、あくまでも一般的に世間でいわれている通説といったところです。安易に標準のBMIよりも低い数値を目指してしまうと、体には良くありませんから注意が必要です。
2-2.どうしてBMIが標準なのに太って見えるの?
これには数字のトリックがあります。まず知っておくべきことは、脂肪よりも筋肉の方が重たいということです。つまりBMIが同じ22であっても、筋肉が少ない人は太って見えてしまうのです。
2-3.本当に適正な体格なのかはBMIだけでは分からない
BMIは体重と身長のみで、簡単に計算できますが、脂肪と筋肉のどちらが多いのかまではわからないという弱点があります。この弱点を理解したうえで、次の2つの方法を試してみ下さい。
2-3-1.腹囲も測ろう
特に気になるお腹周り。内臓脂肪が増えてくると、この腹囲が広がってきます。特に腹囲が身長の半分を超えている人は、肥満の疑いがかなり強いため注意してください。
2-3-2.体脂肪率も測ろう
腹囲だけでなく、体脂肪率も測っちゃいましょう。男性は10~19.9%、女性は20~29.9%が適正とされています。体重などと一緒に体脂肪率も測れる体組成計は、ジムなどにも置いてありますし、家電量販店やインターネットでも安価で手に入ります。BMIや筋肉量もあわせて出してくれるものもありますので、この機会にぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
3.健康的にスマートな体型を目指すにはどうしたらいい?
では、実際に健康的なBMI22で、やせ見えを目指すにはどうしたらいいのでしょうか?そのための方法をご紹介します。
3-1.食事を変える
カラダの基本は食事です。何も食べるなというわけではありません。毎日食べているものを見直し、量をコントロールしたり、何を食べるかを選択することで、理想の体型を目指すことができます。
3-1-1.必要なカロリーを超えないようにする
平たく言うと、食べたもののカロリーから、消費したカロリーを引いた残りが脂肪になります。運動量などによっても変わってきますが、1日の必要なおおよそのカロリーは、体重(kg)×30を目安にすることができます。たとえば、体重57kgの人であれば、1710kclです。食べるもののカロリーが、この消費カロリーを超えない様に量をコントロールしましょう。
3-1-2.栄養バランスを考えて食べる
現代は特に、糖質と脂質が多くなりがちな食生活となっています。この2つは身体のエネルギーになってくれますが、とりすぎると脂肪へ変わり、太って見える体型になってしまいます。筋肉のもととなるたんぱく質、エネルギーの代謝をささえるビタミンやミネラル、これらをバランスよくとることで、痩せやすい体を手に入れることが出来ます。そのためには、主食やおかずだけでなく、野菜やキノコ、海藻などの副菜を多くとるようにしましょう。また汁物を取り入れることで栄養を余すことなく摂取し、また体があったまることで代謝もよくなります。
3-2.部分痩せで、キレイな体型づくり
とはいえ、手っ取り早くスマートに見せたい。そんな方のための部分やせの方法をご紹介します。
3-2-1.顔の部分やせ
顔痩せに効くのは、マッサージ。顔はむくみやすいこともあるため、特に太って見えやすい箇所でもあります。マッサージをすることで、リンパを刺激し、循環をよくすることでむくみにくい顔を作ることができます。
①あごを両手の親指でおさえ、指の腹でフェイスラインにそって耳まで滑らせます。
②口角から耳下、小鼻から耳下、眼の下からこめかみへと、人差し指と中指を使って、リンパを流すイメージでマッサージします。
③同じように、眉頭の下からこめかみまで軽くすべらせます。
④こめかみから耳下、首筋を経由して鎖骨までリンパを流します。
お風呂上りに化粧水をたっぷりつけてマッサージするのがおススメです。ぜひお試しください。
3-2-2.お腹の部分やせ
お腹周りには体幹トレーニングが効果的ですが、その中でもドローインという方法はご存じでしょうか?やり方は簡単で、息を吐きながらお腹をひっこめるという運動です。
①仰向けで寝転がる
②膝を45度程度に曲げる
③ゆっくりと息を吐きながら、4秒ぐらいでお腹をしっかりとへこませます。
お腹の上にクッションなど置いて行うと、さらにお腹へ意識が向くので、ぜひ取り入れてみてください。
3-2-3.足の部分やせ
足やせにはウォーキングがおススメです。ウォーキングは日常生活のなかで実践しやすく、また全身を使う有酸素運動なのです。普段の通勤や、買い物のときなど徒歩に切り替えるだけでも良いですが、さらに実践してほしいのが早歩き。普通に歩く時の2倍ぐらいのスピードを意識することで、ウォーキングの効果を高めることができます。
4.まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。何も考えずに痩せるのではなく、しっかりと健康を維持しながら、正しい方法でスマートな体型を目指すことです。BMIは分かりやすい指標のひとつですが、その弱点もしっかりと知っておくことが大切です。腹囲、体脂肪率など補助となる数値もしっかりと確認して、あなたの理想体重を目指してください。