改訂日:2022年8月2日
糖質制限中でも食パンを食べたい!でもパンは炭水化物だから糖質が高そう・・。そんな方でも正しい糖質量を知れば、制限の程度に応じて食パンを取り入れることができるかもしれません。まず大事なことは『知る』ということ。
今回は食パンにスポットを当て、正確な糖質量と制限中の食べたい場合に必ず取り入れたいコツをお伝えしていきます。ぜひ上手に付き合ってストレスの少ない食生活を実践していきましょう!
1.食パンの糖質量
まず知りたいのは正確な糖質量。食パンと言えば1斤のパンを作り、上記の画像のようにスライスした形が一般的ですね。実は法律で『パンの1斤は340g以上』とルールが決まっているため、市販で見かける食パンの量は360~370g程度とほぼ同じです。あとはどれくらいに切り分けるかで糖質量が決まるわけなんですね。
1-1.食パン1枚の糖質量は、19.98~39.96g
切り分け方に応じた食パン1枚の糖質量は次の通りです。
- 8枚切り(1枚当たり):糖質19.98g
- 6枚切り(1枚当たり):糖質26.64g
- 5枚切り(1枚当たり):糖質31.96g
- 4枚切り(1枚当たり):糖質39.96g
当然ですが、同じ1枚でも4枚切りと8枚切りでは糖質量が倍違います。同じく毎日パンを1枚食べるという方でも、糖質の摂取量に大きく違いがでるので、何枚切りかは必ずチェックしたいポイントです。ちなみに1斤(約360g)の糖質量はおおよそ160gとなります。
また、ご飯などの他の主食の糖質量と比較した場合
食品 |
100gあたり |
1食あたり |
白米 |
38.1g |
57.15g |
うどん |
21.6g |
43.2g |
中華麺 |
27.7g |
38.88g |
パスタ |
31.3g |
31.3g |
食パン |
48.2g |
|
100gあたりでみると食パンが一番糖質が高い主食になります、ただこれは100g当たりに限った話です。6枚切りを1枚だけに済ませることで、どの主食よりも糖質の摂取量が低くなりますので、食パンは糖質の摂取量をコントロールしやすい食材です。
1-2.種類毎の糖質量の違いは少ない
食パンと一口にいっても各メーカーから様々な種類が販売されていますので、その糖質量の違いも気になるところ。先に言えば、商品毎の糖質量を調べてみたところ、種類が違ってもそれほど大きな糖質量の違いはない、という印象でした。
食パンの糖質量(6枚切り)
食パン/山崎パン
食パンメーカーの大手である山崎パンが販売している、食パン6種類について調べてみました。炭水化物は糖質+食物繊維でできていますが、食パンでは炭水化物の約9割が糖質になります。ですので、おおよその目安としてg数(炭水化物)×0.9をパンの糖質量と考えてください。個人的には『ふわふわした印象から、ロイヤルブレッド、ダブルソフト、あたりは糖質が高そう』と思っていましたが、実際の違いはほぼありませんでした。
また、十二穀ブレッドは低糖質な印象でしたが、やはり違いはないようです。種類は違っても、食パンの糖質はほぼ同一で高め・・という結果になりました。ちなみにカロリーにも違いはなく、どれも1枚当たり160kcal~180kcal程になっています。
ちなみに最近流行りの高級食パン。公式での情報ではないもののこちらのブログにて、乃が美(のがみ)や嵜本 (さきもと)といった有名高級食パンの糖質が計算されていました。総じて6枚切り、1枚あたり約24‐30 g。スーパーなどで売られている食パンと糖質はほとんど変わらないかむしろやや少ない傾向にありました。値段が高ければ糖質も高いということはないようです。
このほかにもコンビニオリジナルブランドの食パンもあるので、わかる範囲で紹介します。
- 7プレミアム セブンブレッド 6枚入り 糖質 28.9g
- 7プレミアム ふんわり食パン 6枚入り 糖質 29.6g
- 7PG 国産小麦の金の食パン 糖質 49.2g
1-3.低糖質パンは大豆粉やふすま粉を使っているので低糖質
食パンの糖質をご紹介しましたが、最近では低糖質パンというものは見たことはないでしょうか。それらは先にご紹介したパンの糖質よりも低い、1枚5-10g程の糖質のパンが多く見られます。低い理由は通常使われる小麦粉を変えて、大豆粉やふすま粉を使って糖質を下げているからです。一般的なそれぞれの粉の糖質量を見てみると非常に少ないことが分かります。
粉の種類 | 糖質量(100g当たり) |
大豆粉 | 約20g |
ふすま粉 | 約10g |
全粒粉 | 約68g |
小麦粉 | 約73g |
大豆粉で約1/4、ふすま粉では約1/7も少ない糖質量でパンを作ることができます。この比較から意外と全粒粉の小麦では糖質は抑えられません。一方、味の面ではやはり通常のパンとは異なります。この味や食感の違いが、好みが分かれるところでもあります。ちなみにふすま粉を使用したパンはブランパン、ふすまパンなどと呼ばれています。
また、最近では低糖質ブームの存在で手軽に買えるコンビニやスーパーで低糖質の食パンを扱うようになりましたのでいくつか紹介します。
1-3-1.「糖質ひかえめブレッド(6枚)」山崎製パン/糖質6g 67kcal(1枚あたり)
最初に紹介するのは山崎製パンの糖質控えめブレッドです。価格は6枚入りで140円 と低糖質を売りにしている商品としてはかなりお安く手が出しやすい商品となっています。
1-3-2.「PASCO低糖質ブラン食パン(3枚)」敷島製パン/糖質7.8g 84kcal(1枚あたり)
次に紹介するのはPASCOの低糖質ブラン食パンです。こちらはスーパー等に売っているのですが。流通の関係で九州では残念ながら扱っていない製品です。
1-3-3.「ブラン入り食パン」ナチュラルローソン/糖質14.3g 153kcal(1枚あたり)
最後に紹介するおはローソンが販売しているブラン入り食パンです。コンビニで扱っていることもあり手に入りやすい商品でもあります。
2.糖質制限中でも食パンを上手に食べる4つのコツ
種類が変わっても糖質が高めな食パン。たとえ糖質制限中でもやっぱり『パンが食べたい。』と思いますよね。であれば、食べるためにできることは全部やって食べちゃいましょう!5つのコツをお伝えしますので、実践して上手な食パンライフを堪能しましょう。
2-1.その1「切り分け枚数の多いものを選ぶ」
食パンはなるべく切り分け枚数の多いものを選びましょう。1/2枚など調整できればベストですが、普通は毎朝1枚など枚数単位で食べるからです。同じ1枚でも糖質量は大きく変わります。1章でも書きましたが、1斤の大きさは決まっているので、あとは割り算の話。食べるとしても、なるべく8枚以上のものを毎日1枚まで、としていきましょう。ただし、地域によっては切り分け枚数が多いものがない場合があります。その場合は1/2枚などで調整が必要です。
少ない切り分け枚数が好まれる地域は要注意
上記はパンに関するアンケートの一部を抜粋したものです。調査によると、地域によって食パンの切り分け枚数に明確な違いがあることが示されています。特に関東・甲信越、東北以外の地域は4-5枚の割合が多くなっています。それに応じて店頭で見かける割り合いも増えるため、スーパーなどで選ぶ際は注意してみるようにしましょう。
2-2.その2「パンに塗るのであればジャムやクリームは避ける」
パンだけで食べるのも良いですが、一緒に合わせるとよりおいしくなりますよね!ですが、ジャムやクリームなどは糖質が高いので、なるべく避けるようにします。そこで、代わりとなる3つのおすすめの「パンのおとも」をご紹介します。
マーガリン+食パン
マーガリン100g中に含まれる糖質量は0〜1gと非常に低糖質。マーガリンをつけてそのまま食べるのも、焼いて食べるのもおいしいですね!
卵+食パン
卵も100g中の糖質が0.3gと非常に優秀なダイエット食品。パンだけではとれないタンパク質も卵には多く含まれています。こしょうをちょっとかけるのもスパイスがきいて絶品です。
チーズ+食パン
チーズも100g中の糖質が1gと低糖質な食品の代表格です。パンの上にチーズをのせて焼く食べ方は、チーズ好きにはたまりませんね!
ハム野菜サンド
糖質0gのハムとトマトやレタスを合わせれば、おいしいだけではなく、たんぱく質、食物繊維、ビタミン類など栄養面からもオススメです。
2-3.その3「パンを食べるのは1日1回までにして、夜は食べない」
パンを食べるなら1日に1度、ただし、夜は避けて食べるようにしましょう。パンはそもそも糖質の高い食べ物。糖質はエネルギーに変わりやすいものですが、一般的に夜は行動量が小さいため、消費されず脂肪として蓄積されてしまいます。エネルギーが消費されやすい朝もしくは昼に食べるようにしましょう。
2-4.その4「ホームベーカリーで作る」
毎日の生活にパンは必需品!という方にはホームベーカリーを使い、自分で作ってしまうのもおすすめ。作り方次第で、低糖質でおいしいパンが安く食べられるようになります。その際2つのポイントを押さえておきましょう。
①小麦粉の代わりに大豆粉かふすま粉を使用する
糖質を抑えたパンを作りたいなら、大豆粉かふすま粉を使用しましょう。1章でもお伝えしましたが、大豆粉は約20g、ふすま粉は約10gの糖質。量だけを見れば、ふすま粉を使用した方が良く見えますが、ふすま粉は焼き上げが難しい、味が好まれにくいなどのデメリットがあります。
対して、大豆粉パンは見た目も味もパンに近いものを作りやすくなっています。好みや制限の度合いにもよりますが、個人的にはどうせパンを食べるなら大豆粉で作る方がおすすめです。
②「早焼き」機能があるホームベーカリーを選ぶ
大豆粉やふすま粉を使った糖質制限用のパン作りでよくある事例が、「レシピどおりに作ったのに、パンがふくらまなかった」というもの。これは小麦粉に比べ、大豆粉やふすま粉が「空気を保持する力」が弱いため、しぼんでしまうためです。
そこで、しぼむ前に焼き上げることができる「早焼き」の機能があるホームベーカリーを選びましょう。おすすめは『ツインバード ホームベーカリー PY-E635W』(http://www.twinbird.jp/products/pye635.html)です。「早焼き」機能はもちろん、通販サイトでの評価も非常に高く、値段は7500円程と手ごろです。
2-5.食物繊維を一緒にとる
食物繊維を摂ることで糖質の吸収を抑えることができます。これは食物繊維が糖質を体内に吸収される前に吸着するのですが。食物繊維は人間の体では吸収することができず、そのまま排出されます。そのため、吸着した糖質も一緒に排出してしまうので、食物繊維を糖質と一緒にとることで糖質を抑えることができます。
このような効果が期待できるので、食物繊維を一緒にとることがオススメです。食物繊維が多く含まれているものは葉物等の野菜に含まれているので、サラダやパンにはさんで一緒に食べるとよいでしょう。
2-6.糖質オフのジャムを使う
パンにはジャムを塗って食べるという人も少なくないでしょう。しかし、ジャムは果物を大量の砂糖で煮込んだもののため糖質がかなり高い食べ物です。ジャムを塗って食べるのが好きなのに我慢しないといけないのですが、そのような人のために糖質オフのジャムが販売されていますので紹介します。
〇ラカント 低糖質ジャム ストロベリー 200g
15gあたり糖質3.5g
なぜこのように低糖質なジャムになっているのかというと、この商品は羅漢果という果物から摂れる甘味料のラカントを使用して作られたジャムです。ラカントは砂糖と同程度の甘さになっているのですが、人体には吸収されないため甘いけれど糖質が抑えられているジャムができるのです。砂糖の部分を甘味料に置き換えるだけで糖質を抑えたジャムが自分でも作れます、ジャムは果物を煮詰めて砂糖を入れるだけで簡単にできるので興味がある方は作ってみてはいかがでしょうか。
3.まとめ
パンはご飯と同じように炭水化物ですので、もちろん糖質が高い食べ物のひとつです。ですが、食べ方や工夫を知れば糖質制限中でも食べながら結果を出すことができます。ぜひ、5つのコツを実践してみてくださいね