植物由来の抗酸化力を持つポリフェノールが体に良いと注目されており、健康のことを考えて高カカオチョコレートやココアを普段の食事に取り入れている人も多いのではないでしょうか。カカオポリフェノールの1日あたりの適切な摂取量や、おすすめの食べ方についてご紹介します。
目次
1. カカオポリフェノールとは
カカオポリフェノールは、チョコレート・ココアの原料であるカカオ豆に豊富に含まれるポリフェノールです。カカオ豆には20種類以上のポリフェノールが含まれており、それらを総称して「カカオポリフェノール」と呼んでいます。ここでは、カカオポリフェノールの摂取量・効果について説明します。
1-1. カカオポリフェノールの摂取量目安
ポリフェノールを何mg摂取すれば体に良いのかは正確には判明しておらず、ポリフェノールの種類によっても変わるとされているため一概には言えません。ただし、日本人の高カカオチョコレート摂取についての研究から、カカオポリフェノールの1日の摂取量の目安は200~600mgといわれています。高カカオチョコレートと分類されるカカオ70%チョコレートでは、1日に15~25g程度になります。
1-1-1. カカオポリフェノールは体に良い?
近年カカオポリフェノールの健康効果が注目されており、チョコレートと健康に関する研究が行われています。
・血圧を下げる
カカオポリフェノールの中にエピカテキンという成分があり、抗酸化作用や血管拡張作用があることが知られています。エピカテキンには血圧に良い影響があると報告されていて、血圧の低下につながるといわれています。
・血糖値を下げる
カカオポリフェノールの中にフラバノールという成分があり、インスリン感受性向上の効果をもたらすという研究が行われています。高カカオチョコレートを食べることによって、血糖値の改善効果があると考えられています。
・認知機能に効果あり
カカオフラバノールが含まれる飲料を用いた研究では、カカオフラバノールの摂取によって、高齢者の認知機能が改善したと報告されています。
1-2. 高カカオチョコレートの食べすぎは?
健康に良いカカオポリフェノールを多く含む高カカオチョコレートですが、たくさん食べてしまうと良くないこともあります。高カカオチョコレートの食べすぎで注意が必要なのは、以下の2点です。
・肥満に注意
カカオポリフェノールを摂取するためには、チョコレートやココアから摂る必要があるため、市販のチョコレートなどを食べることになると思います。高カカオチョコレートは糖質が控えめのものが多いですが、食べすぎるとカロリーや脂質が過剰になるため、肥満につながる可能性があります。
・カフェイン
チョコレートには、カカオポリフェノールの他にカフェインも入っています。高カカオチョコレートの場合、100gあたり約80mgのカフェインが含まれています。これはコーヒー1杯分のカフェインに相当するため、妊娠中などカフェインを控える必要がある人は注意が必要です。
2. 1日あたりの適量を商品ごとに紹介
カカオの含有率が70%以上のチョコレートが、高カカオチョコレートとして分類されることが多く、一般的なチョコレートのカカオ含有率は30~50%程度です。また、ホワイトチョコレートなどカカオを含む量が少ないチョコレートには、カカオポリフェノールはほとんど含まれていません。ここでは高カカオチョコレート・身近な市販のチョコレート製品の適量を、枚数や重量で紹介します。
2-1. 明治(meiji)チョコレート効果カカオ72% 3~5枚
カカオポリフェノールのチョコレートとして、テレビCMでもおなじみの商品です。チョコレート効果のカカオ72%は、1枚127mgのカカオポリフェノールが含まれており、1日に3~5枚が目安です。1枚あたり5.0gで28kcal、5枚食べると140kcal、カカオポリフェノールは635mgになります。
2-2. 森永製菓 カレ・ド・ショコラ カカオ88 2~4枚
高カカオチョコレートの中でもカカオ88%とカカオの割合が高めの、甘さ控えめの商品です。1枚150mgのカカオポリフェノールが含まれており、1日に2~4枚が目安です。1枚あたり4.8gで28kcal、4枚食べると112kcal、カカオポリフェノールは600mgになります。
2-3. 明治 ミルクチョコレート 40g
添加物が使われていないなどの基準を満たした「ピュアチョコレート」の商品です。カカオ35~40%、1枚50gで238kcal、カカオポリフェノールは343mg含まれています。間食にすると全て食べ切ってしまうのはカロリーオーバーのため、1日に5列中4列目までがおすすめです。4列食べると40gで190kcal、カカオポリフェノールは274mgです。
2-4. 森永 純ココア 1~2杯(牛乳の場合)
ココアパウダー100%の純ココアは、1杯あたり5gで18kcalカカオポリフェノールは180mg含まれています。甘味料などの添加物が入っておらず、牛乳に溶かしたり砂糖を入れたりして、飲みやすくする方が多いのではないでしょうか。牛乳は120ml当たり76kcalで、間食として飲むのは1~2杯がおすすめです。牛乳120mlにココアを5g溶かして2杯飲むと188kcal、カカオポリフェノールは360mgになります。
3. カカオポリフェノールのおすすめの摂り方
カカオポリフェノールの効果をより実感するための、高カカオチョコレートの食べ方をご紹介します。
3-1. 毎日食べる
ポリフェノールは体内にとどまるものではなく、また即効性のある成分でもないため、毎日続けて食べることが効果的とされています。
3-2. 数回に分けて食べる
ポリフェノールの体内活動時間は2~6時間と言われているため、より効果を実感するには1日の中で数回に分けて食べることがおすすめです。
3-3. お茶・ワインと一緒に食べる
チョコレートとワイン、お茶を摂取することで、摂取しなかったときよりも認知機能の研究においてよい結果が出ることが報告されています。また、ワインやお茶の種類によって、組み合わせるとおいしく食べられるものもあるので、自分好みの食べ合わせを探してみるのも良いかもしれません。
4. まとめ
カカオポリフェノールの1日の摂取量目安は「200~600mg」といわれています。カカオポリフェノールの抗酸化力はからだに良い効果があるとされ、近年研究が行われています。ただし、カカオポリフェノールを含むチョコレートやココアには、脂質やカフェインも含まれているため、食べすぎには注意が必要でした。ポリフェノールは体内にとどまることができないため、毎日習慣的に食べるのがおすすめです。高カカオチョコレートを適量食べて、健康を目指しましょう。