目次
1.糖質制限を成功させるコツは主食の摂り方にあり
糖質を多く含む食品を控えて、血糖値と体重をコントロールする食事術、それが糖質制限です。糖質は体のエネルギー源となる一方、摂りすぎると血糖値が基準値を超えて上がってしまいます。さらに、エネルギーとして使われずに余ったブドウ糖は、脂肪として蓄えられて肥満を招くことになるのです。そこで、糖質の摂取量を抑えるために、一番に考えたいポイントが主食の摂り方です。米、パン、麺類のかわりに、低糖質の食品を主食に置き換えれば、糖質制限のうれしい味方になってくれます。
1-1.主食となる食品には糖質量が多い
糖質制限を行う場合、1日の糖質の摂取量を70~130gに整えることが目安といわれています。朝・昼・晩の食事で20~40gずつ、間食で10gの糖質を摂るようにすればこの目標はクリアできます。ただし、私たちがふだん主食としているご飯、パン、麺など穀類の食品は、一様に糖質の含有量が多い傾向があります。主食の代わりになる食品として、すぐに思い浮かぶイモやトウモロコシにもやはり糖質が多く含まれています。つまり、これら主食となる食品でお腹いっぱいになっていると、糖質制限を成功させることが難しくなってしまうのです。
一般的に主食とされやすい食品の糖質含有量
≪穀類≫
・白米のご飯(茶碗1杯150g) 糖質量55.2g
・玄米ご飯(茶碗1杯150g) 糖質量51.3g
・ラーメン(生麺1玉120g) 糖質量64.3g
・スパゲッティ(乾麺1食80g) 糖質量57.0g
・うどん(ゆで麺1玉250g) 糖質量52.0g
・そば(ゆで麺1玉200g) 糖質量48.0g
・食パン(6枚切り1枚60g) 糖質量26.6g
≪イモ類≫
・サツマイモ(中1/2本100g) 糖質量30.3g
・ジャガイモ(小1個100g) 糖質量16.3g
・サトイモ(中2個100g) 10.8g
≪野菜類≫
・トウモロコシ(1本150g) 糖質量20.7g
・カボチャ(1/8個120g) 糖質量20.5g
1-2.低糖質食品を主食の代用にしよう
主食を食べる量を減らせば、当然ながら糖質の摂取量も減ります。1回の食事で食べる白米のご飯を1膳から半膳にすれば、糖質の摂取量は約55gから約27gに抑えられるわけです。とはいえ、単純に主食を食べる量をカットするだけだと、食事の満足感が得にくくなり、長く続けるうちにストレスがたまってくるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、糖質の含有量が少ない食品を主食の代わりとして活用すること。主食と完全に置き換えるか、主食を減らした分、代用食品をプラスしてボリュームを補うといいのです。毎食でなくとも、1日1食だけ主食をカットすれば、糖質カットにてきめんに役立つでしょう。主食と形状や食感が似ていて、なおかつ食べごたえのある食品を選ぶことがコツといえます。
・主食の代用となる食品選びのポイント
ポイント1:糖質の含有量が少ない低糖質食品である
ポイント2:米、パン、麺などと見た目の形や食感が似ている
ポイント3:腹持ちがよく、腸の活動も促す食物繊維を多く含んでいる
ポイント4:糖質の代わりにエネルギー源となるタンパク質を多く含んでいる
2.こんな食品が主食の代用としておすすめ
主食の代用にぴったりの食品は、探してみると身近に多くあるもの。以下の食品リストを参考に、ストレスなしの糖質制限を目指しましょう。
2-1.ご飯の代用になる食品と簡単レシピ
粒状でほどよい甘みのある白米のご飯の代用として、まずぴったりなのが大豆製品。手軽に細かくできて、歯ごたえがある野菜も適しています。
①豆腐(100g中の糖質量1.2g)
フォークなどでざっくりとつぶすか、フライパンなどで炒ってそぼろ状にして食べます。チャーハンなどに混ぜてかさ増しにも用いることができます。
②おから(100g中の糖質量2.3g)
豆腐を作る過程で、煮てつぶした大豆から豆乳を絞り取った後に残るのがおからです。生のままか、軽く炒めてから茶碗に盛ってご飯の代わりにします。
③納豆(100g中の糖質量5.4g)
噛む回数が自然と増えることで、満腹感が得られやすいのが納豆のメリット。同じく低糖質食品のマグロ、イカ、卵などを混ぜるとボリュームが増します。
④カリフラワー(100g中の糖質量2.3g)
葉や茎を取り除いて、ゆでて柔らかくしてから粒状にほぐして食べます。そのまま口にするよりはカレーソースをかけたり、フライパンで炒めてチャーハンやチキンライス風にするなど、味つけをやや濃いめにした方がよいでしょう。
2-2.パンの代用になる食品と簡単レシピ
パンの代用には、焼いたときの香ばしさが楽しめる食品がおすすめ。ここでも頼もしいのが大豆製品です。
⑤油揚げ(100g中の糖質量0g)
フライパンかトースターで軽く焼き目がつく程度に香ばしく焼きます。ハムやチーズを乗せて焼けば、低糖質のままで植物性・動物性タンパク質がまとめて補給できます。
⑥高野豆腐(100g中の糖質量1.7g)
水で戻してから水気を切って、好みの熱さに切り、フライパンかトースターで焼きます。マーガリンを塗ってトースト風にするか、卵、ハム、ツナなど低糖質の食品をはさんでサンドイッチにするのもおすすめです。
⑦がんもどき(100g中の糖質量0.2g)
半分の熱さに切ってから、フライパンかトースターで焼き目がつくまで焼きます。ハンバーガーのバンズ代わりとして、ベーコン、レタス、トマトなどをはさむとおいしくいただけます。
2-3.麺の代用になる食品と簡単レシピ
ラーメン、うどん、そば、そうめんの代用には、低糖質で細長く、ツルツルと食べられる食品が向いています。
⑧しらたき(100g中の糖質量0.1g)
こんにゃく芋から作られるしらたきは、太さ・長さともに麺の代用に適しています。胃腸内で水分を吸って膨張する食物繊維が豊富なので、満腹感が得られやすいのもうれしい点。ラーメンや和風のつゆに合うほか、フライパンで炒めてケチャップで味つけし、ナポリタン風にしてもおいしくいただけます。
⑨ところてん(100g中糖質量0g)
甘草という海藻の煮汁が原料のところてんは、スイーツにも用いられますが、本来含まれている糖質はゼロです。加熱しすぎると溶ける性質があるため、麺つゆと合わせてざるそばのように食べるか、冷やし中華や冷製パスタの麺がわりに使うといいでしょう。
⑩エノキタケ(100g中の糖質量3.7g)
細く割いて、しんなりする程度に加熱してから食べます。鍋物の具に多めに入れてシメの麺がわりにしたり、ニンニクとともにオリーブオイルで炒めてパスタ感覚で食べることもできます。
2-4.ピザ生地の代用になる食品と簡単レシピ
小麦粉から作られるピザ生地は、100g中の糖質量が48.8gと高めなのが心配。代わりに以下の食品を生地に使って、熱々の低糖質ピザをいただきましょう。チーズ、ハム、ウインナーなどピザでよく使われる具材は、どれも低糖質なので安心です。
⑪ナス(100g中の糖質量2.9g)
幅広で味にクセのないナスは、ピザ生地に使うのにぴったり。ヘタを取って縦半分に切り、外側の部分も薄く平らに切って、座りをよくすれば準備OKです。チーズ、ミニトマト、ピーマンなどを乗せてトースターで焼きます。
⑫エリンギ(100g中の糖質量2.6g)
キノコ類の中でも食物繊維が豊富なエリンギは、しっかりと噛み応えもあり、食事の満足感が得られます。縦に薄切りにして、ピザソースやマヨネーズを塗り、チーズやハムなど好みの具材を小さく切って乗せましょう。
⑬厚揚げ(100g中の糖質量0.2g)
ピザトーストの感覚で食べられるのが、大豆製品の厚揚げです。好みの熱さに切った後、ピザソース、ウインナー、玉ネギの薄切りなどを乗せてトースターで焼きましょう。
3.まとめ
糖質制限では主食を完全にカットする必要はありませんが、食べる量を控えれば、糖質の摂取量をぐんと減らすことができます。今回ご紹介した主食の代用となる食品をご参考に、糖質制限を上手に続けながら血糖値と体重をコントロールしましょう。 なお、最近では健康志向の高まりを背景に、糖質の含有量を大幅にカットしたり、ゼロになるように加工したパンや麺も数々市販されています。糖質制限のサポート役として、こうした食品を手軽に活用することもすすめられるでしょう。