近年の健康意識の高まりから、様々なダイエット方法が話題となっていますね。コンビニやスーパーでも糖質オフ商品が販売されており、“ロカボ”という言葉を目にする機会が増えました。そんなロカボ商品の中でも有名なのが、ナッツ類です。ダイエット中の間食として、取り入れている方が多くいらっしゃると思いますが、ナッツがどのようにして私たちの体に嬉しい効果を見せているのか。今回は、ナッツ類で最も脂質の含有量が少なく、ナッツ好きから人気な「カシューナッツ」に着目していきます。コレステロールや高めの血糖値に悩む方には必見です!!!
目次
1. カシューナッツについて
香ばしい風味と、カリッと歯応えのある食感が魅力のカシューナッツ。皆さんはカシューナッツに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。健康的なお菓子というイメージがある一方で、糖質やカロリーが高く太りやすいのでは?と思う方もいるかもしれません。1章では、カシューナッツの栄養について詳しくお話ししていきます。
1ー1.カシューナッツとは
カシューナッツは、ウルシ科の常緑高木であるカシューにできる種子です。くるんと曲がったユニークな形が可愛く特徴的で、その形から和名では「勾玉(まがたま)の木」と呼ばれています。私たちが普段口にしているカシューナッツは、果実であるカシューアップルにぶら下がった種子の中にある「仁」という部分です。高温で加熱することで毒ブツを除去し、食べられるようになります。
1ー2.豊富な栄養素
カシューナッツには豊富な栄養素が含まれており、私たちの身体をサポートしてくれる大切な成分がギュッと詰まっています。
1ー2ー1.オレイン酸
カシューナッツには、一価不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。特にオリーブオイルにも含まれるオレイン酸は、カシューナッツの脂質の約60%を占めています。脂質は肥満の元凶と見られがちですが、三大栄養素の一つとして、脂溶性ビタミンの吸収を助けるなど重要な役割を担っています。
1ー2ー2.たんぱく質
たんぱく質は筋肉や皮膚、髪の毛など体をつくる上で重要な栄養素です。また、体を機能的に働かせるためのホルモンや酵素、体を守るために働く免疫体をつくる材料となっています。たんぱく質が不足すると、筋力が衰え、基礎代謝が落ちることで太りやすく痩せにくい体になります。たんぱく質と聞くと、肉や魚を想像しますが、ナッツにも豊富に含まれています。
1ー2ー3.ビタミンB群、ビタミンK
糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンB1と、丈夫な骨づくりを形成するために必要なビタミンKを豊富に含んでいます。更にビタミンKは、出血した時に血を固める重要な役割を担っています。また、赤血球の生産を助ける葉酸(ビタミンB群)も含まれています。
1ー2ー4.ミネラル(鉄、亜鉛)
カシューナッツには、鉄と亜鉛が多く含まれています。鉄は、赤血球のヘモグロビンに多く存在するミネラルで、よく食べられているナッツの中ではカシューナッツがトップの含有量を誇っています。女性は月経で鉄が失われやすいため、積極的に摂取したい栄養素ですね。また、亜鉛はさまざまな酵素の構成成分として重要なミネラルで、たんぱく質やDNAの合成、細胞の新陳代謝に関わります。亜鉛は体内に貯め込むことができず、不足しがちな栄養素で、意識して摂取しないと味覚障害や皮膚炎、脱毛などの症状が起こります。
1ー3.他のナッツ類との違い
同じナッツ類でも、含まれる栄養素の量によってそれぞれ役割が変わってきます。自身のお悩みに合わせて、カシューナッツだけでなく、他のナッツとの組み合わせることで様々な栄養素を取り入れることができます。
1−3−1.アーモンド
アーモンドは、”天然のサプリメント”とも言われており、「ビタミンE」が豊富で強い抗酸化力がアンチエイジングに効果的です。美肌になりたい人やドロドロな血液を改善したい方に向いています。
1−3−2.くるみ
くるみはオメガ3脂肪酸に分類される、「α-リノレン酸」が豊富です。α-リノレン酸はえごま油などに多く含まれており、高血圧の予防やアレルギー疾患を軽減する効果があります。最近では、脳の活性化や認知症予防、がん予防にも役立つ可能性があるともいわれています。高血圧の方、認知機能を維持したい方に向いています。
2. カシューナッツの魅力
1章では、カシューナッツに含まれる栄養素についてお話しいたしましたが、実際どのようにして私たちの体へ嬉しい変化をもたらすのか、その効果についてご紹介いたします。
2−1.効果・効能
カシューナッツを取り入れることで期待できる効果・効能を5つご紹介いたします。
2−1−1.悪玉コレステロールを下げる
カシューナッツに含まれている脂質の約60%を占めるオレイン酸には、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを下げる働きがあるとされています。悪玉コレステロールは油性なので、水分である血圧に直接溶けることはなく、リポタンパク質という粒子として血液中に溶けて全身を回ります。体の細胞や組織に吸収されますが、余分なものは血液中を循環したまま、やがて悪玉コレステロールが増加し酸化すると、血管の壁に層を作り、動脈硬化など生活習慣病を引き起こします。オレイン酸は、悪玉コレステロールによって血管内に置かれた過剰なコレステロールを回収する役割を持つ、善玉コレステロールを増加させ、結果として悪玉コレステロールを下げます。これにより、心臓の健康を促進し、動脈硬化をはじめとした糖尿病合併症予防にも繋がります。
2−1−2.血糖値の上昇を抑える
ナッツ類は低糖質で、血糖値が上昇しにいくい食品です。カシューナッツは他のナッツと比較すると、GI値が34とやや高めですが、一般的にGI値が55以下の食品は血糖値の上昇が穏やかで、脂肪がつきづらいといわれているため申し分ないでしょう。
2−1−3.貧血予防
ビタミンやミネラルを充分に摂取することで、女性に多い貧血を予防する効果があります。鉄が不足すると、赤血球の数が減少し、全身へ酸素が行き渡らなくなります。この酸欠状態を鉄欠乏性貧血といい、頭痛や疲労感、集中力の低下などの症状が起こります。鉄分を補うことで鉄欠乏を防ぎます。
2−1−4.腸内環境を整える
カシューナッツは水溶性食物繊維が含まれているため、腸内環境を整える効果があります。また、オレイン酸は、便の通りを良くし、体外へ排出する働きに優れています。腸内環境を整えることで便秘の解消にも繋がります。
2−1−5.疲労回復
ビタミンB1を摂ることで、疲れにくい体質になります。また、カシューナッツには銅も含まれているため、活性酸素を取り除き、疲労を軽減する効果があります。活性酸素が増えると、健康な細胞を傷つけてしまい、体がだるくなり不調を招く原因となります。
2−1−6.快眠効果
カシューナッツにはトリプトファンが豊富に含まれています。トリプトファンはアミノ酸の一種で、心の安定に繋がる脳内物質の「セロトニン」を作る役割があります。また、睡眠に必要なホルモンである「メラトニン」の原料として、体内で変換されます。メラトニンは、体内のリズムを整え自然な眠気を促す働きをするため、不眠を解消することができます。しかしながら、トリプトファン自体を体内で作り出すことは出来ないため、食事やサプリから積極的に摂取していきましょう。
2−1−7.ダイエットにおすすめ
糖質の代謝を促す働きのあるビタミンB1が、代謝を上げて、脂肪が燃焼しやすく痩せやすい体をつくってくれます。また、水溶性食物繊維を多く含んでいる特徴から、カシューナッツを食べることで腹持ちが良くなり、無駄な間食を減るため、結果として肥満予防につながりますね。
2−1−8.美容効果も期待できる
カシューナッツに豊富に含まれるオレイン酸は、抗酸化作用のある成分です。細胞の酸化を防ぐ働きによって、アンチエイジングに繋がり、美しい肌を保つ効果が期待できます。また、カリウムには余分な水分とナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、むくみの解消にも効果的です。
2−2.男性にも嬉しい効果あり
カシューナッツを取り入れたいのは、女性や妊婦の方だけではありません。1ー2ー4でご紹介した「亜鉛」は、男性の元気もサポートします。男性ホルモン(テストステロン)の分泌や合成、髪の毛の材料となるケラチン(たんぱく質)の生成に必要なミネラルです。また、アルコール脱水酵素の働きも活性化させてくれるので、お酒好きで二日酔いを起こしやすい方にもおすすめです。
3.カシューナッツの選び方
2章にてカシューナッツの魅力にトリコになっていただけたでしょうか。では、実際にどのようにして取り入れたら良いのか、おすすめのカシューナッツのご紹介も含めてお伝えいたします。
3−1.20~40代に聞いたおすすめのナッツ
20~40代の女性1048人のうち、「ミックスナッツ」を「食べる」人は74.7%と大多数を占める結果に。好きなナッツは「アーモンド」が83.2%と最も多く、「カシューナッツ」「くるみ」と続きました(引用:ウーマンリサーチ)。自宅は勿論、勤務中のおやつとしてオフィスに持ち込む方も多くいます。
ここでは、おすすめのカシューナッツのメーカーや商品名をご紹介いたします。
価格:540円(税込)
内容量:128g
価格: 1,058.40円(税込)
内容量:500g
価格:343.44円(税込)
内容量: 75g
素焼きカシューナッツはコンビニやスーパーなどで気軽に購入できるので、見かけた場合には手にとってみてくださいね♪
3−2.カシューナッツの食べ方
次に、食べ方です。以下を意識して、健康で美しい体を手に入れましょう!
3−2−1.素焼きタイプ
味が付いているカシューナッツは、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。塩分の摂りすぎは高血圧につながりやすいので、塩気があるタイプは避けて下さい。また、食品添加物を使用しているカシューナッツばかりを食べていると、身体が疲れやすくなることがあります。購入の際は、油や塩を使用せずローストした「素焼きタイプ」を選びましょう。
ただし、塩味があった方がナッツの甘味が引き立つので、どうしても塩味が欲しいという方は、塩味と素焼きを半々で混ぜるなど食べ方の工夫をされてみてはいかがでしょうか。
3−2−2.食前
食前30分~1時間前に食べることをおすすめします。食事の前に取り入れることで、カシューナッツに含まれる不飽和脂肪酸が糖質の吸収率を抑える働きをします。食前でなくても、食事の最初に食べるサラダに混ぜ合わることや、トッピングすることもおすすめです。サラダ自体にボリュームが出て満足感が増すので、食事の食べ過ぎを防ぐこともできます。
3−2−3.1日の摂取目安量は10粒程度
カシューナッツのカロリーは100g当たり576kcalと決して低くはないです。農林水産省が食育としておすすめしている間食でのカロリーは、1日200kcal以内とされています。カシューナッツ1粒当たり約7~9kcalなので、他にも間食をすることを考えると15g程度(おおよそ10粒)が良いでしょう。多くても最大20粒までに抑えて下さい。
3−3.食べすぎに注意
栄養豊富なカシューナッツは毎日摂取したいところですが、食べすぎは身体に良くないです。体重の増加や、腹痛・下痢、吐き気、肌荒れ、むくみなどの症状につながりやすくなってしまいます。3−1章でご紹介した食べ方を厳守し、食べすぎに注意しましょう。
4.間食としてだけでなく料理にも使える
普段はおやつとして、そのまま食べることが多いカシューナッツですが、実は料理に取り入れることで、ナッツのカリカリ感がアクセントとなり、いつもと違った美味しさを発揮します。
4−1.はちみつ漬けやスムージーにも◎
ナッツのはちみつ漬けはアンチエイジング効果や美肌効果、デトックス効果が期待できるスーパーフードです。そのまま食べても美味しいですが、ヨーグルトやトーストへのトッピングや、葉物と混ぜてお浸しにするなど、アレンジ次第で食べ方が無限に広がるので、美味しく飽きずにナッツを摂取することができます。作り方も簡単で、方法に気をつければ長期保存も可能です。
また、水に浸したカシューナッツをミキサーで攪拌することで、なめらかなミルクのようになります。ベリーやナッツなどお好みの具材と混ぜ合わせて、忙しい朝でも手軽にナッツの栄養を補給しましょう!
4−2.カシューナッツを使用したレシピ
カシューナッツは中華料理の定番として、鶏肉との相性が抜群です。もちろん和風や洋風アレンジにもおすすめですよ♪
4−2−1.鶏肉のカシューナッツ炒め
鶏肉にもたんぱく質が豊富に含まれているので、カシューナッツと合わせることで免疫力アップです。他にも「疲労回復」「ガンの予防」「貧血の予防」「目の健康維持」「便秘解消」「精神の安定」「老化防止」「美肌効果」などの健康効果が期待できます。
材料(2人前)
・鶏もも肉 250g
・A片栗粉 大さじ2
・A料理酒 大さじ1
・A塩 少々
・カシューナッツ 30g
・ピーマン 2個
・玉ねぎ 1/2個
・赤パプリカ 1/2個
・生姜 15g
・ニンニク 1片
・Bオイスターソース 大さじ2
・B砂糖 小さじ2
・B中華スープの素 小さじ1
・B水 50ml
・サラダ油 大さじ1
手順
準備:ピーマンと赤パプリカは種を取り除いておきます。生姜は皮を剝いておきます。
①玉ねぎ、ピーマン、赤パプリカは2cm角に切ります。
②生姜とニンニクはみじん切りにします。
③鶏もも肉は一口大に切り、ボウルに入れ、下味の材料(A)を加え、混ぜ合わせます。
④中火で熱したフライパンにサラダ油をひき、②を炒めます。香りが立ったら、③を加え、炒めます。鶏もも肉に焼き色がついたら、①を加え、さらに炒めます。
⑤野菜がしんなりしたら、カシューナッツと調味料(B)を加え、中火で炒め合わせます。全体に味が馴染み、鶏もも肉の中まで火が通ったら、火から下ろします。
⑥器に盛りつけて完成です。
参照:中華の定番 鶏肉のカシューナッツ炒め 作り方・レシピ | クラシル (kurashiru.com)
4−2−2.カシューナッツ入りガパオライス
ガパオライスに混ぜ入れることで、カシューナッツの風味と食感がアクセントとなり、より美味しさを際立ててくれます。食べ盛りなお子様にもおすすめですよ。
材料(2人前)
・鶏ひき肉 100g
・バジル 5枚
・カシューナッツ 30g
・ピーマン 1個
・赤パプリカ 1/2個
・玉ねぎ 1/4個
・すりおろしニンニク 小さじ1/2
・鷹の爪 少々
・サラダ油 大さじ2
・ナンプラー 大さじ1
・しょうゆ 大さじ2
・塩こしょう 少々
・卵 2個
・ごはん 300g
手順
① 玉ねぎ、ピーマン、赤パプリカ、バジル、カシューナッツはそれぞれ粗めのみじん切りにします。
② フライパンにサラダ油をひき、にんにくチューブと鷹の爪、玉ねぎを中火で炒めます。
③ 玉ねぎの色が変わったら、バジル以外のグザイを痛め、調味料を全て加えます。
④ 全体が炒まったら、バジルを加えて混ぜ合わせます。
⑤ ごほんと④を器に盛り、目玉焼きをトッピングしたら完成です。
☆ポイント☆
カシューナッツはしっかりと形が残った刻み方をすると、食感が良くオススメです。バジルは熱すると色が変わりやすいので、炒めずに最後にトッピングとして乗せると彩りが綺麗になります。
参照:カシューナッツ入り!ガパオライス 作り方・レシピ | クラシル (kurashiru.com)
~コラム~
皆さんはカシューナッツに毒性があることをご存知でしょうか。カシューナッツは2層の殻に覆われており、殻の間には強い毒性を持つ青酸配当体の液体が含まれています。この液体に直接肌が触れると、肌が荒れたり湿疹が出てしまいます。日本では殻付きカシューナッツの販売はしていないため、あまり知られていませんが、インドでは毒蛇に噛まれた際の薬として使用されたり、ナイジェリアでは肌トラブルの改善に使用されていたそうです。普段食べているカシューナッツからは想像できないですね。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。脂質が多く含まれており、カロリーが高そうなイメージのあるカシューナッツですが、その多くは「美肌を作る特効薬」とも呼ばれているオレイン酸です。食べ過ぎには注意し、美味しく楽しく美と健康を手に入れましょう!今お悩みの症状がある方も、予防しておきたい方も、本記事を読む前後でカシューナッツに対する印象が大きく変わっていれば嬉しいです。ご拝読ありがとうございました。