にんにくがたっぷり入った餃子やにんにくがしっかりきいた唐揚げ等おいしいですよね。でもにんにくの臭いなんかを気にしてほとんど食べないと言っている人も少なくないのではないでしょうか。じつはそれとてももったいないかもしれません。にんにくを食べるとスタミナがつくなどのイメージがありますが、にんにくはそれ以外にも健康に良い成分が含まれています。今回はにんにくの栄養と健康効果についてご紹介していきます。
1. にんにくの栄養成分と健康効果
にんにくといえば何となく健康に良いのではという考えの人も多いと思います。事実にんにくは健康に良い成分が含まれています。まずはにんにくの栄養とその健康効果について紹介していきます。
1-1. にんにくの栄養成分の概要
まずはにんにく100g中に含まれている、栄養成分とその含有量について紹介していきます。
エネルギー |
129kcal |
たんぱく質 |
6.4g |
脂質 |
0.9g |
食物繊維 |
6.2g |
炭水化物 |
27.5g |
ナトリウム |
8mg |
カリウム |
510mg |
カルシウム |
14mg |
マグネシウム |
24mg |
リン |
160mg |
鉄 |
0.8mg |
亜鉛 |
0.8mg |
銅 |
0.16mg |
マンガン |
0.28mg |
ビタミンA |
2μg |
ビタミンE |
0.5mg |
ビタミンB1 |
0.19mg |
ビタミンB2 |
0.07mg |
ナイアシン |
0.7mg |
ビタミンB6 |
1.53mg |
葉酸 |
93μg |
アリシン |
230mg |
カロテン |
2μg |
にんにく100gあたりにこれだけの栄養素が含まれています。また、にんにく特有の香りの元となっているアリシンは、玉ねぎや長ネギなどのネギ類にも含まれていますがにんにくと比較すると微々たるものとなっています。
1-2. にんにくの健康効果
にんにくは様々な栄養素がありますが、にんにくで特に健康効果が期待できるものが臭いの元となっているアリシンです。このアリシンの健康効果を紹介していきます。
1-2-1. 免疫力低下の防止
にんにくに含まれるアリシンは、免疫細胞の活性化や抗酸化作用を持っており、活性酸素から細胞が傷つけられるのを守る抗酸化作用は、免疫力の低下を防いでくれます。
活性酸素によって細胞が傷つけられると、免疫力が低下し病気を引き起こしやすくなるのでそれを防いでくれる働きをしてくれます。
1-2-2. 心血管疾患予防への効果
アリシンには新陳代謝を高めて血流を良くする働きがあるといわれています。また、アリシンには血液をドロドロにする成分である悪玉コレステロールを減らして、血液をサラサラにして血栓を予防する働きがあるとされています。血流を良くして、血液をサラサラにする働きがあるため血管関係の疾患に対する予防に効果が期待できます。また、血流を良くしてくれる働きがあるため、冷え性の改善にも効果が期待できます。
1-2-3. 抗酸化作用の効果
アリシンには先ほど説明した抗酸化作用を持っています。酸化は金属がさびることをイメージしますが、実は体も同様に酸化するのです。体の酸化は活性酸素によって引き起こされ、これが細胞を傷つけ老化やシワやシミ、生活習慣病などを引き起こすのですが、抗酸化作用は酸化の原因である活性酸素から体を守ってくれる働きがあります。
1-2-4. 疲労回復やスタミナアップの効果
アリシンは体のエネルギーとなる糖の代謝を促進させるビタミンB1と結びつき、体を動かすためのエネルギーを維持する働きがあるといわれています。ビタミンB1はエネルギー生産に関わる栄養素なのですが、吸収できない分は体外に排出されるため不足してしまいがちになるのですが、アリシンがビタミンB1の吸収をサポートしてくれる働きがあるため、エネルギー生産を維持でき、疲労回復やスタミナアップに効果が期待できます。
通常ビタミンB1は、腸から1日5~10mgしか吸収されず、3時間程度で尿中へ排泄されます。ところが体内でアリシンと結合すると、ビタミンB1の効力は変化せずに長時間血液中に残存するため、ビタミンB1の吸収率が高まるという研究発表があります。
2. にんにくの摂取方法と効果的な食べ方
先ほど紹介したように、にんにくの健康効果は様々なものがあります。そのためその健康効果を余すことなく摂るにはその効果的な食べ方について理解する必要があるのでそちらを説明していきます。
2-1. 生のにんにくと加熱による栄養の変化
にんにくの成分であるアリシンですが、加熱するとアリシンは消滅してしまいます、代わりに「アホエン」という成分に変化します。このアホエンはアリシンと同様の健康効果を持っており、アリシンと違って無臭の成分となっています。
ただしアホエンも加熱しすぎると消滅してしまうので注意が必要となってきます。
2-2. にんにくの効果を最大限引き出す食べ方
にんにくの健康成分のアリシンですが、そのままの状態のにんにくではほとんどない状態です。もともとにんにくはアリインという成分が含まれているのですが、にんにくを細かく切ったり、すりおろしたりすることで細胞が壊れることでアリインからアリシンに成分が変わります。
そのため、にんにくの効果を最大限に得ようとした場合、そのままのにんにくを食べてもその健康効果を得ることができません。すりおろして薬味にしたり、刻んで料理に混ぜることで摂取することが理想です。
また、先ほど述べたようにアホエンでもアリシンと同様な効果を得ることができます。アリシンをアホエンにするには60~80度で加熱する必要があります。また、アホエンは油に溶けやすいという特徴があるので、きざんだり、すりおろしたにんにくを低温の油でじっくりと加熱してガーリックオイルをとして様々な料理に使うことで余すことなく摂取することができます。
なお、にんにくに含まれる栄養で、油でいためることで変動するものがいくつかあります。そちらもKAGOMEのサイトが特集していたので紹介します。
2-3. にんにくを使った料理や調理法のアイデア
ガーリックオイルを生かして簡単で美味しいペペロンチーノがオススメです。
<材料>(1人分)
- スパゲッティ…80g ※1.6mm程度のものがオススメ
- にんにく…大1片(10g)
- 鷹の爪…1本
- イタリアンパセリ(1~2枝)…2g
- 塩…13g ※水の量に対して1.3%の量(=水1ℓに対して13gの割合)
- 水…1ℓ
- 粗びき黒こしょう…少々
- オリーブオイル…15ml
- 仕上げ用オリーブオイル…5ml
<作り方>
- にんにくを芯を取り除き、半分に切って1mmの厚さに切る
- 熱していないフライパンにオリーブオイル、1.のにんにく、鷹の爪を入れる
- フライパンを手前に傾けてにんにくと鷹の爪がオイルに浸るようにして弱火にかける
- 弱火で5分ほどローストし、にんにくがきつね色になったら火を止める。
- にんにくと鷹の爪を取り出し、ペーパータオルの上に広げる(オイルは捨てない)
- お湯を沸かして、分量の塩を入れ、パスタを投入、茹で時間は既定の1分半短くする
- パスタをゆでている間に、5.に粗く刻んだイタリアンパセリを加えて弱火で温める
- パセリからシュワシュワと泡が出てきたら火を止め、仕上げ用のオリーブオイルを混ぜる
- ゆであがったパスタを投入して、パスタのゆで汁をおたまの半分加える
- 中火にして温めながらソースを絡める、この時フライパンをゆすりながらパスタを混ぜる
- さらに、おたま半分のゆで汁を投入して、同様にパスタを混ぜて完成
3. にんにくサプリメントとチューブ入りにんにく
生のにんにくを刻んだり、すりおろすのが面倒くさいと考えている人に助かるのがチューブ入りのにんにくです。また、にんにくの有効性は知っているけれど臭いを気にしている人の助けになるのがサプリメントになります。
3-1. にんにくサプリメントの種類と摂取のメリット・注意点
にんにくのサプリメントのメリットはいかの様なものがあります。
- にんにくの成分を手軽に摂取できる
- にんにくの臭いを気にせずに成分を摂取できる。
にんにくは特に臭いが強烈なため、臭いを気にせずに摂取することができるのが最大のメリットです。
理由は後述しますがにんにくを摂り過ぎるとあまり体に良くないこともあり、サプリメントで手軽に摂ることで定期的ににんにくの健康効果を得られることができます。
・健康家族:伝統にんにく卵黄
※一番有名、オリジナルにんにく使用(自社管理)
・DHC:ニンニク+卵黄
※安い、手軽に始められる
3-2. チューブ入りにんにくの利点と使い方のポイント
チューブ入りのにんにくの最大のメリットは手軽さです。生のにんにくの場合は皮をむいて刻んだり、すりおろす必要がありますがその必要がないため手軽に使えるところがメリットになります。
ただし、チューブの場合は生にんにくと比べて同量を食べたとしても添加物がいくつも入って、かさましもされているため同様の健康効果は得られません。
チューブを使う場合は健康効果を得るためとは考えず、その手軽さを生かして料理のアクセントとしての味付けや薬味として使うことがよいでしょう。
3-3. サプリメントとチューブにんにくの選び方
3-3-1. チューブ入りにんにくの選び方
チューブ入りの場合はその用途や好みによって選ぶことが一番です。チューブ入りにはすりおろしタイプとみじん切りタイプがありますので用途によって選びましょう。また、チューブ入りの場合添加物が入ってきます、添加物として入っているものは「でんぷん・安定剤・香辛料・酸味料・ソルビトール」が主になります。でんぷんはかさましに、ソルビトールは甘味料として味を調えるために入っています、安定剤は粘り気です。ものによっては香料などを入れずに添加物が少なめのものもあります、また使用しているにんにくにもこだわっている商品もありますので好みで選ぶとよいでしょう。
3-3-2. サプリメントの選び方
サプリメントにはにんにくの成分だけでなく「にんにく卵黄」や「黒酢にんにく」に代表される通り、にんにく単体だけではなく、何か他の栄養成分とにんにくを掛け合わせたサプリが主流です。どんな有用成分がプラスされているのかもチェックして、どのような効能があれば良いのかを考えながら選ぶとよいでしょう。
いくつかにんにくの成分が入ったサプリメントを紹介します。
〇スーパービール酵母Z 亜鉛&マカ&黒ニンニク
出典:amazon
商品の説明
ビールを作り出すのに欠かせないビール酵母。このビール酵母は、ビール1リットルあたり、たった1gしか得ることが出来ません。しかしその中には、麦芽の栄養素がたっぷりと吸収されており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、食物繊維、核酸など現代人には欠かせない各種の成分がギュッとつまっています。
本品には、さらに元気をバックアップするビタミンB群を大幅に強化。また、積極的に摂りたい栄養素・亜鉛も配合した、ビール会社ならではのサプリメントです。
原材料・成分
栄養成分表(15粒あたり):エネルギー 10.4kcal/たんぱく質 1.64g/脂質 0.12g/糖質 0.15g/食物繊維 1.10g/ナトリウム 9mg/亜鉛 7mg/銅 0.6mg/ビタミンB1 5.5mg/ビタミンB2 6.0mg/ビタミンB6 1.6mg/ビタミンB12 2.4μg/ナイアシン 0.94mg/パントテン酸 0.10mg/ビオチン 3.1μg/葉酸 40.0μg/ビタミンC 20mg/鉄 0.2mg/カルシウム 110mg/マグネシウム 11.7mg/マンガン 0.01-0.05mg/リン 100mg/カリウム 56.4mg/クロム 9.0μg/セレン 11.0μg/イノシトール 11.0mg/コリン 7.0mg
〇黄金のニンニクすっぽん黒酢
出典:amazon
商品の説明
青森県産のにんにくを使用して、発酵にんにくへ加工して使用。その他にも鹿児島県産の黒酢、大分県産のすっぽん、広島県産の牡蠣、島根県産のしじみ等素材にこだわった製品です。
原材料・成分
亜麻仁油、オリーブ油、コラーゲンペプチド、黒酢もろみ末、胡麻若葉末、亜鉛含有酵母、 黒ニンニク末、卵黄油、しじみエキス末、牡蠣エキス末、スッポン末、 梅エキス末、黒酢粉末 / ゼラチン、グリセリン、ミツロウ、グリセリン脂肪 酸エステル、カラメル色素、ビタミン B1、植物レシチン(大豆由来)
〇キューピーコーワゴールドA
出典:amazon
商品説明
昔からテレビのCMでも流れている商品です。サプリメントではなく指定医薬部外品になりますが。現代型の疲れに効果のある成分を配合した滋養強壮剤でサプリメントと同様に日常的に服用できます。
・7種のビタミンや、オキソアミヂン末(ニンニク抽出成分)、塩酸アルギニンなど現代型の疲れに効果のある成分を配合した、キューピーコーワゴールドシリーズの基本となる商品です。
原材料・成分
塩酸アルギニン 、ガンマ-オリザノール 、オキソアミヂン末 、硝酸チアミン(V.B1)、リボフラビン(V.B2) 、塩酸ピリドキシン(V.B6) 、コハク酸トコフェロールカルシウム(V.E)、ビタミンA油(V.A) 、L-アスコルビン酸ナトリウム(V.C)、ニコチン酸アミド、無水カフェイン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、ステアリン酸Mg、ケイ酸Ca、硬化油、タルク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、炭酸Ca、アラビアゴム、ゼラチン、白糖、酸化チタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、リン酸水素Na、カルナウバロウ、黄色5号
〇にんにくしじみ
出典:amazon
商品説明
「にんにく卵黄」が日々の元気をしっかりサポート。にんにくに含まれるにおい成分「アリシン」と卵黄に含まれる「ビタミンB1」は、一緒に摂ることで相性が良いと言われています。しじみの健康成分「オルニチン」を、2球で、しじみ約500個分相当(※1)(植物由来)補えます。オルニチンは健康に肝心なアミノ酸の一種で、魚介類、特にしじみに多く含まれる成分です。
東北産のにんにくと卵黄、島根県宍道湖(しんじこ)産のしじみ、瀬戸内海産の牡蠣。 毎日、安心して飲み続けられる品質を求めて、国内産の素材にこだわりました。トリプルパワーで毎日の元気をサポートします。
原材料・成分
オルニチン(国内製造)、食用こめ油、にんにく卵黄粉末(にんにく、有精卵黄〈卵を含む〉)、サフラワー油、オリーブ油、しじみエキス粉末、牡蠣エキス粉末/ゼラチン、グリセリン、乳化剤 [栄養成分表示] 2球1.22gあたり(被包材込み) ※この表示値は目安です。エネルギー:7.1kcal、たんぱく質:0.6g、脂質:0.5g、炭水化物:0.1g、食塩相当量:0.002g/オルニチン:190mg
4. にんにくに関する一般的な疑問と注意点
4-1. にんにくを食べてはいけない人はいない
にんにくは食べてはいけない人はアレルギー症状がある人のみで、それ以外なら食べても問題ありません。
4-2. 個人の体質やアレルギーへの注意
食物アレルギーの症状は、多くがじんましんやかゆみなどの皮膚症状ですが、腹痛や下痢といった消化器症状、咳や息苦しさ、くしゃみなどの呼吸器症状などを引き起こすこともあります。
気をつけたいのは、これらの症状が複数出るアナフィラキシーという重い症状です。最悪の場合命を落とす危険性があるので、食物アレルギーがある人は決して食べないようにしましょう。
アレルギーがあるかどうかの検査は医療機関にかかる必要があります。検査は内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、アレルギー科等がありますので気になる方は医療機関で相談してみましょう。
4-3. にんにくの食べ過ぎによる作用
にんにくには副作用はありませんが、食べすぎることは厳禁です。にんにくの食べ過ぎにより、腹痛や下痢、吐き気、嘔吐、胸焼けなどの消化器症状を起こすことがあります。
これには、にんにくの臭い成分である「アリシン」が関係しています。アリシンには強い殺菌作用があり、これにより胃の粘膜を傷つけたり腸内細菌を殺してしまったりするため、腹痛や下痢などの症状を起こすことがあるのです。
アリシンは生の状態の方が作用が強いため、とくに生にんにくの食べ過ぎは要注意です。加熱して食べるようにするか、アリシンは水に流れ出やすいため、にんにくを切ったあとに水にさらすなどの方法がありますが、にんにくの健康効果はアリシンに詰まっているので加熱するのがベストです。
5. まとめ
にんにくは様々な栄養成分が含まれておりますが、その中でもアリシンという成分がにんにくの健康成分として優れた成分となっています。このアリシンを摂取するためにはすりおろしたり、細かく刻むなどして細胞を壊すとアリシンを摂取しやすくなっています。また、アリシンは油に溶けやすいのでガーリックオイルを利用した料理を行うことで余すことなく摂取することができます。にんにくの成分はサプリメントやチューブ入りでも効果があるので、手軽に摂取することも可能なので試してみてはいかがでしょうか。