おつまみの定番の枝豆。枝豆は畑の肉と呼ばれる大豆をまだ青く若い時期に収穫したものです。
枝豆にはだだちゃ豆や茶豆など、いろいろな種類があり、その数は約400種類以上とも言われています。
そんな枝豆には、私たちの健康に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
具体的にどのような栄養素が含まれているのか、その効果も合わせてご紹介します。
目次
1. 枝豆の栄養成分表示(生・ゆで・冷凍)
さっそく枝豆にどんな栄養素がどれくらい含まれているのかご紹介します。
1-1. カロリー
枝豆の可食部100gあたりのエネルギーは生の状態で125kcal、茹でた状態で118kcal、冷凍で143kcalです。
食品成分データベースに掲載している野菜類(326種類※日本食品標準成分表2010)の中で、
枝豆のカロリーは冷凍枝豆が19位、生の枝豆が26位、茹で枝豆が29位とどれも上位にランクインしています。
参考:食品成分データベース
1-2. タンパク質
枝豆の可食部100gあたりのエネルギーは生の状態で11.7g、茹でた状態で11.5g、冷凍で13gです。
枝豆が分類される野菜類の中では、タンパク質の含有量1位が干しわらびの20gで冷凍枝豆が6位に入っています。
続いて生の枝豆が9位、茹で枝豆が11位と上位にランクインしています。そのため野菜類の中ではタンパク質が豊富に含まれていることが分かります。
参考:食品成分データベース
1-3. その他の栄養一覧
可食部100gあたり
その他にも枝豆にはたくさんの種類の栄養素が含まれています。
参考:食品成分データベース
2. 枝豆の健康効果
次に枝豆にはどのような健康効果があるのかご紹介します。
2-1. 食後血糖値の上昇を抑え、糖の代謝を促す
枝豆に豊富に含まれる食物繊維が、小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。
また、他にもビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンなどのビタミンB群が糖質をエネルギーに変えるサポートをします。
2-2. 筋トレの効果アップ
枝豆に含まれるタンパク質には筋肉を生成する働きがあります。そのため、十分なタンパク質を摂ることで、筋トレの効果アップが期待できます。
筋トレの直後は、筋肉の形成も盛んになるため、このタイミングでタンパク質を摂取すれば筋肉量がアップしやすくなります。
反対に筋トレをしてもタンパク質が不足していると、筋肉が分解されて、筋肉量が減ってしまい、筋トレの効果は現れにくくなります。
2-3.おやつの代わりにすることでダイエットに
一般的なおやつのカロリーと比較すると、枝豆のカロリーは低いので、
おやつの代わりに枝豆を食べることで、ダイエット効果が期待できます。
さらに、食物繊維が含まれていることにより腹持ちも良いので、おやつの食べすぎを防いでくれます。
2-4. 飲みすぎや二日酔いを防止
枝豆に含まれるメチオニンは、肝臓でアルコールを分解するときに必要なアミノ酸です。
そのため飲み過ぎたときや、二日酔いに期待できます。実際に二日酔いの薬にも配合されている成分です。
2-5. 便秘予防
食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、枝豆には不溶性食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維には、大腸の水分を吸収して便を増やすはたらきがあるので、便秘の予防、解消に期待できます。
2-6. 疲労回復
ビタミンB群を補給することでエネルギー代謝を高め、疲労感の軽減が期待できます。
先ほどもご紹介した通り、枝豆にはビタミンB群が含まれているため、疲労回復の効果もあります。
私たちの体のエネルギー生産が十分に行われなくなると、エネルギー代謝が低下してしまい、疲労を感じてしまいます。
疲労を感じにくくするためには、エネルギー代謝を落とさないことがポイントなのです。
2-7. 貧血予防
枝豆には鉄が含まれているので、貧血の予防も期待できます。
貧血とは、血液中に含まれるヘモグロビンの量が少ない状態のことです。そして貧血の90%は鉄分が不足することで起きると言われています。
そのため、鉄は貧血予防には欠かせない重要な栄養素です。
2-8. 美肌・美容
最初にご紹介した通り、枝豆は、大豆がまだ青く若いときに収穫したものです。そのため大豆に豊富に含まれるイソフラボンが枝豆にも含まれています。
イソフラボンを摂取することで「美肌ホルモン」であるエストロゲンの働きを補うことができます。
コラーゲンを増やして、肌のハリを保つ働きや、細胞の新陳代謝を高めて肌の生まれ変わりを促進するので保湿力もアップします。
2-9. むくみ解消
枝豆に含まれているカリウムには、余分なナトリウムを尿として排出させるはたらきがあるため、むくみ予防に効果的です。
体内のナトリウムが過剰になると余分な水分をため込み、むくみが生じてしまうため、余分なナトリウムを排出するカリウムを摂ることでむくみの予防になるのです。
3. 枝豆を上手に摂取する方法
実際に枝豆を食べる際の、1日の摂取目安量と、おすすめの調理方法をご紹介します。
3-1. 枝豆の1日の摂取量は140g
枝豆の1日の摂取量は特に定められていませんが、農林水産省がすすめている「食事バランスガイド」によると、
1日の副菜の主材料の量は70gとされています。
そのため、バランスの良い食事をとるために、さや付きの枝豆で140gを目安に食べるようにしましょう。
3-2. 栄養を逃さないためには「蒸し焼き」「焼き」「レンチン」
枝豆に火を通すときの調理方法は、茹でるのが一般的かと思います。
確かに茹でると塩味がしっかりついて美味しいのですが、茹でているときに枝豆のビタミンやミネラルが水に溶け出てしまいます。
そのため、枝豆の栄養を無駄なく摂取するためには「蒸し焼き」「焼き」「レンチン」追加がおすすめです。
4. 枝豆のおすすめレシピ
枝豆の栄養を逃さないためのレシピ、子供が喜ぶレシピ、離乳食の時期別のレシピをご紹介します。
4-1. 枝豆の栄養を逃さない!焼き枝豆
【材料】
枝豆 100g
塩 小さじ1
ごま油 大さじ1弱
ラー油 お好み
【作り方】
①枝豆に塩をまぶす
枝豆が枝付きの場合は、ハサミや包丁で枝からさやを切り離し、ざっと水で洗って水気を拭き取る。
分量の塩をふり、手で優しくもむように全体に塩をまわしたら5~10分おく。こうすることで皮の汚れやアク、えぐみを取る。
②両面に焼き目がつくまで焼く
フライパンにごま油をひき、枝豆を重ならないように並べ火にかける。
両面に焼き目が付き、さやが少し開いて豆が見えている状態になったら完成。
お好みで仕上げにラー油(分量外)を全体にかける。
参考:試す価値ありの焼き枝豆レシピ。うまみが凝縮&甘みがアップ!
4-2. 子供向け枝豆レシピ
子供が喜ぶ枝豆を使ったレシピをご紹介します。
4-2-1. 枝豆ととうもろこしのかき揚げ
【材料 (2人分)】
とうもろこし 1本
枝豆 50g(50粒程度)
A小麦粉 大さじ2
A片栗粉 大さじ2
A水 大さじ2
揚げ油 大さじ6
【作り方】
①とうもろこしの身を削ぎ落とす。枝豆は粒状にしておく。
②ボウルに1とAをざっくり混ぜる。
③フライパンに揚げ油を熱し、スプーンで2をすくってゆっくりと油の中に入れる。
中火で4分なるべく触らずに揚げ焼きにする。
④裏返して4分カリッとするまで揚げ焼きにする
4-3. 離乳食としての取り入れ方
今までご紹介した通り、枝豆は栄養が豊富に含まれている食材なので、ぜひお子様にも食べさせたい食材ですよね。
離乳食の時期別に、おすすめのレシピをご紹介します。
4-3-1. 離乳食初期:枝豆ペースト
【材料(1食分)】
枝豆20g
湯適量
【作り方】
①枝豆をやわらかくゆで、さやから出し、薄皮を取り除く。
②1をすりつぶす。
③2に湯を加え、ペースト状にのばす。
4-3-2. 離乳食中期:枝豆ポタージュ
【材料(1食分)】
ほうれん草5g
枝豆ペースト(上部レシピ参照)15g
★粉ミルク(調乳済のもの)20ml(豆乳でも代用できます)
【作り方】
①ほうれん草はやわらかくゆで、みじん切りにする。
②小鍋に、枝豆ペースト、粉ミルクを入れ、ひと煮立ちさせる。
③2に1のほうれん草を加え、さらにひと煮立ちさせる。
4-3-3. 離乳食後期:枝豆のしらすあえ
【材料(1食分)】
枝豆20g
しらす干し10g
かつおけずり節少々
【作り方】
①枝豆はやわらかくゆで、さやから取り出し、薄皮を取り除いて粗くみじん切りにする。
②しらすは湯通しして塩気を抜き、粗くみじん切りにする。
③1、2、かつお節を混ぜ合わせる。
4-3-4. 離乳食完了期:枝豆と豆腐の味噌あえ
【材料(1食分)】
枝豆20g
豆腐(絹ごし)30g
味噌少々
【作り方】
①枝豆はゆでて薄皮を取り除き、みじん切りにする。
②豆腐は1cm角に切る。
③1、2に味噌を加え、混ぜ合わせる。
参考:【枝豆の離乳食】初期・中期・後期・完了期のレシピ12選!
5. 長持ちする保存方法のコツ
枝豆は収穫したてが一番おいしく、時間が経つと甘みや風味が失われてしまいます。
そのため、新鮮なうちにゆでるか、冷凍保存するのがおすすめです。
茹でて栄養が漏れ出てしまうのが気になる方は、茹でる代わりに「蒸し」か「レンジ」で調理してから保存するようにしましょう。
5-1. 茹でて冷蔵保存する場合
まず茹でてから冷蔵保存する場合の方法をご紹介します。冷蔵庫に入れたら、早めに食べきるようにしましょう。
5-1-1. 枝豆は枝から外し、よく洗う
5-1-2. さやの両端を切り落とし、塩を振りかけて揉み込む
5-1-3. 沸騰したお湯に、塩と枝豆を入れて3~5分ゆでる
5-1-4. ザルに上げて水気を切り、冷ます
5-1-5. 保存容器に入れて冷蔵庫で保存する
5-2. 茹でて冷凍保存する場合
次に茹でてから冷凍保存する場合の方法をご紹介します。
5-2-1. 枝豆は枝から外し、よく洗う
5-2-2. 塩を振りかけて揉み込む
5-2-3. 沸騰したお湯に、塩と枝豆を入れて少し固めに茹でる
5-2-4. ザルに上げて水気を切り、しっかりと水気をふき取る
5-2-5. 冷めたら、冷凍用保存袋に入れて冷凍室で保存する
冷凍庫に入れる前にさやから豆を出しておくと、色々な料理に活用しやすくなります
食べるときは、凍ったまま沸騰したお湯に入れ、さっと茹でてから塩を振るようにしましょう。
5-3. 生のまま冷凍保存する場合
生のまま冷凍保存する方法もあります。
5-3-1. 枝豆は枝から外し、よく洗って水気を切る
5-3-2. 冷凍保存用袋に入れて、冷凍室で保存する
食べる時は、凍ったまま沸騰したお湯に入れ、少し長めに茹でて、塩を振るようにしましょう。
5. 枝豆を食べるときの注意点
最後に枝豆を食べる時に注意していただきたい、食べすぎた時のリスクや大豆アレルギーについてご紹介します。
5-1. 食べすぎのリスク
3章でもご紹介した通り、枝豆の1日の摂取量はさや付きで140gです。
しかし、枝豆は美味しいのはもちろん、一つ一つの粒が小さいので、ついついパクパク食べてしまいますよね。
何でも食べすぎは良くないですが、特に枝豆を食べすぎた場合はどうなるのか、そのリスクについてご紹介します。
5-1-1. 消化不良による胃痛や吐き気
食物繊維の摂りすぎにより、消化不良を起こし、胃痛や吐き気などを引き起こす可能性があります。
5-1-2. カロリーオーバーにより太る可能性がある
枝豆はカロリーが低いわけではないので、食べすぎるとカロリーオーバーになりかねません。
余分に摂取したカロリーは最終的に脂肪として体内に蓄えられます。そのため太ってしまう可能性があるのです。
5-1-3. 塩分を摂りすぎてしまう
枝豆を調理するときには、塩をかけて食べることが多いので、枝豆を食べすぎることで、塩分を摂りすぎてしまう恐れがあります。
5-2. 大豆アレルギー
枝豆は「大豆」が成熟する前のもので、アレルギー症状を引き起こしやすい「特定原材料等28品目」のひとつとされています。
そのため大豆アレルギーを持っている方であれば、大豆だけでなく、枝豆も食べないように気を付けましょう。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。枝豆には豊富に栄養が含まれていることが分かりました。
また、それぞれの栄養素が私たちの健康をサポートする働きをしてくれることもご紹介しました。
一粒一粒が小さくついついたくさん食べすぎてしまいがちですが、
食べすぎると健康に良くない影響を与えてしまう可能性がありますので、1日に食べる量はさや付きで140gまでにしましょう。
また、枝豆は茹でて調理される方が多いかと思いますが、栄養を逃さないためにも焼き枝豆がおすすめですので、ぜひお試しください!