健康と美容に一石二鳥!高カカオチョコレートの効果

タイトルとチョコレートの画像

近年、健康や美容に良いと注目されている高カカオチョコレート。一度は食べたことのある方が多いのではないでしょうか。ミルクチョコレートを食べ慣れている方は、高カカオチョコレートを食べると苦くて驚かれるかと思います。苦みのある高カカオチョコレートですが、注目されているとおり、健康や美容の面でさまざまな効果が期待できるのです。今回はそんな高カカオチョコレートの効果を詳しくご紹介します。

1. 高カカオチョコレートとは

まず高カカオチョコレートの効果を説明する前に、ご存知の方も多いかとは思いますが、そもそも高カカオチョコレートとは何なのかをお伝えしますね。

1-1. カカオを70%以上含んでいるものが高カカオチョコレートと呼ばれている

高カカオチョコレートに明確な定義はありませんが、チョコレートの原料であるカカオを70%以上含んでいるものが高カカオチョコレートと呼ばれています。マイボイスコム株式会社が行った『チョコレート』に関するインターネット調査では、チョコレートを食べる人のうち、1年間に機能性のチョコレートを食べた人は5割強、乳酸菌やGABAなどの良く知られている健康効果のあるチョコレートの中で、高カカオのチョコレートを食べた人が一番多いことが分かりました。たくさんの人が健康効果を期待して高カカオチョコレートを食べているということですね。

1-2. カカオマスはカカオ100

カカオの実からカカオマスができるまでの図

チョコレートの原材料を見るとカカオ豆ではなく、カカオマスと書いてありますよね。カカオマスとはいったい何なのか、結論から言うとカカオ100%のチョコレートということです。カカオ豆からカカオマスができるまでの工程は、カカオ豆をローストして細かく砕いて、皮を取り除いたものが「カカオニブ」です。このローストがチョコレートの味わいを決定づける大切な工程なのだそうですよ。次に、カカオニブをすり混ぜることで、油分が溶け出て液状になります。これを「カカオリカー」と呼びます。そして、このカカオリカーを固めて個体にしたものが「カカオマス」なのです。

ちなみに、「ココアバター」もよく聞くかと思いますが、カカオニブから脂肪分だけを抽出したものです。こちらがホワイトチョコレートの原材料になります!そして、「ココアパウダー」はカカオニブからココアバターを抽出した後に残る固形物をパウダー状にしたものです。

2. 高カカオチョコレートの健康効果

たくさんの人がその健康効果を期待して高カカオチョコレートを食べていることが分かりましたね。ここからは実際にどのような健康効果があるのか具体的に紹介していきます!

2-1. 血圧を下げる

まず、高カカオチョコレートには血圧を下げる効果があります。愛知県蒲郡市と愛知学院大学が行った研究で、347名の方に高カカオチョコレート125gを4週間食べてもらい、食べる前と後でさまざまな評価を行ったところ、最高血圧、最低血圧ともに有意に低下することが明らかとなりました。オムロンにて行ったインターネット調査では3074歳の男女1万人のうち、約3人に1人の人が健康診断で「血圧が高め」と指摘された経験があると答えました。血圧が高めの方もそうでない方も、血圧の対策・予防に高カカオチョコレートを食べてみてはいかがでしょうか。

参考:夏目みどり.(2019).チョコレートの歴史・食文化と機能性.化学と教育.67巻4号.184-185

2-2. 食後血糖値の上昇を抑制する

さらに高カカオチョコレートには、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があることも明らかになっています。

大人のダイエット研究所が行った研究では、男女18名にカップラーメンを食べた15分後に高カカオチョコレート3個摂取するグループ、カップラーメンのみ食べるグループに分かれ食後の血糖値を測定したところ、高カカオチョコレートを食べたグループの方が食後血糖値上昇が抑えられていることが分かりました。

これまでの研究から、高カカオチョコレートには食物繊維が含まれているため、食前に高カカオチョコレートを食べることで食物繊維が糖の吸収を穏やかにし、食後血糖値の上昇が抑えられることは、想定されていましたが、「食後」に高カカオチョコレートを食べることで今回の結果に繋がったのは驚きの発見ですよね。

参考:一般社団法人 大人のダイエット研究所 プレスリリース資料

2-3. コレステロール値を改善する

悪玉コレステロールが血管にたまって酸化されることが動脈硬化の原因の一つになっています。動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの重大な病気を引き起こします。そんな中、カカオポリフェノールには悪玉コレステロールの酸化を防ぐことが明らかにされました。また、血流の流れを良くする効果も期待できます。

参考:明治 みんなの健康チョコライフ

2-4. 便秘に効果がある

6割の日本人が感じている便秘にも効果があることが分かっています。この記事を読んでいる人の中にも便秘で悩まれている方がいるのではないでしょうか。実は、カカオには食物繊維の一つであるリグニンが含まれています。食物繊維というと、便秘に効果的なイメージがありますよね。実際に、2060歳の便秘気味な男女22人を対象に、リグニンを含むココアと含まないココアを2週間摂取する研究を行ったところ、排便回数や排便量が増加傾向にあることが分かりました。

参考:杉山和久. (2017). カカオ由来リグニンによる便通および便臭改善の検証試験―無作為化二重盲検クロスオーバー試験―. 薬理と治療, 45(4), 653-662.

2-5. ダイエットに繋がる

高カカオチョコレートはダイエットにも効果があります。お菓子でダイエット?と思われるかもしれませんが、カカオが食欲を抑えてくれるのです。その仕組みは幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」にあると言われています。このセロトニンには、過度な食欲を抑えてくれるなどダイエット中の方に嬉しいはたらきがあります。食べすぎて痩せられない原因が、セロトニン不足と言われることもあるようです。

ではなぜ高カカオチョコレートと関係しているのかというと、カカオの苦み成分である、テオブロミンが脳内物質のセロトニンに働きかけることが分かっているのです。ついつい食べすぎてしまうという方は、高カカオチョコレートを活用してみましょう。

参考:日経メディカル【注目の素材】カカオの苦み成分「テオブロミン」にダイエット効果 メイプロが原料供給を開始

2-6. ストレスを緩和してくれる

マイボイスコム株式会社が9,936名に行ったストレスに関するインターネット調査によると、ストレスを感じている人は6割強で女性が多いこと、さらにストレスを感じている状況は、仕事内容・労働環境が一番多いことが分かりました。そんな多くの社会人が抱えているストレスですが、スイスで行われた研究で、高カカオチョコレートでストレスを緩和できることが報告されました。研究内容は、被験者65人に「高カカオチョコレート、または高カカオチョコレートに偽装したホワイトチョコレート50gを食べてもらい、2時間後に大きなストレスをかける」というものです。その結果、高カカオチョコレートを食べたグループは、偽装したチョコレートを食べたグループよりもストレス反応が弱くなったことが分かったのです。

参考:品川メンタルクリニック 医療と心の話

Petra H. Wirtz PhD.2014.Journal of the American College of Cardiology.63(21).2297-2299

2-7. 高カカオチョコレートと美容・肌の健康

肌の乾燥や、シワ、たるみ、シミなど美容に気を使われている方は多いのではないでしょうか。ご存知かとは思いますが、乾燥や紫外線を浴びることは、肌への悪影響を引き起こす大きな要因となります。高カカオチョコレートは、肌の水分量の低下を抑えてくれる上に、紫外線により皮膚が赤くなるのを抑えてくれることが分かりました。実際に研究で、カカオポリフェノールを多く含むココアパウダーを12週間摂取すると、皮膚の角層水分量の低下を防ぎ、紫外線を照射した24時間後に紅斑形成(皮膚が赤くなること)が抑えられることが報告されています。

寺尾純二.2013.カカオポリフェノールは紫外線障害から皮膚を保護する.チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム.第18回

4. 高カカオチョコレートの摂取量と注意点

ここまでの内容から、高カカオチョコレートには、健康や美容に対するさまざまな効果があることが分かりましたね。では、それらの効果を得るためには、高カカオチョコレートをどのように食べたら良いのかご紹介します。

4-1. 1日の摂取量目安は1525g こまめに食べましょう

高カカオチョコレートの摂取量として、公式なガイドラインはありませんが、一般的な栄養の摂取目安を考慮すると、1日に15g25g程度を目安とするのが良いでしょう。1525gと言われてもイメージがわきにくいかと思いますので、コンビニやスーパーなどでよく見かける明治さんの「明治(meiji)チョコレート効果カカオ72%」で考えた場合、35枚(15g25g)となります。

また、カカオポリフェノールは水溶性の成分のため、数時間しか体内にとどめておくことができず、尿と一緒に排出されてしまいます。そのため、長い時間体内にとどめるために、毎日少しずつこまめに食べるようにしましょう。

4-2. なるべくカカオ配合率が高いものを選ぶ

最近はいろいろな高カカオチョコレートが販売されていますよね。高カカオチョコレートの効果をしっかりと得たいという方は、やはり、カカオの配合率が高いものを選ぶのがおすすめです。しかし、普通のチョコレートしか食べたことが無い方は、いきなり配合率が高いものを食べるとその苦さにびっくりしてしまうかもしれません。まずはカカオ7080%くらいのものから始めてみるのもいいかもしれませんね。

また、商品としておすすめなのが高カカオチョコレートで一番有名な、meijiさんのチョコレート効果のカカオ95%です。こちらはカカオの配合率が高い上に、1枚ずつ個包装になっているので、1日の摂取量を管理しやすいのもポイントです!ぜひ試してみてください。

4-3. 高カカオチョコレートを食べる上での注意点

高カカオチョコレートを食べる上で、注意点もあります。効果的に高カカオチョコレートを摂るために、確認しておいてください。

4-3-1.ニッケルアレルギーの反応が出る可能性がある

ニッケルアレルギーというと、金属アレルギーとして、皮膚などに触れて発症するイメージがあるかと思いますが、実は口から摂取する場合も発症する可能性が報告されています。そんなニッケルが、高カカオチョコレートには普通のものよりも、最大約4倍近くのニッケルが含まれていることが分かりました。そのため、ニッケルアレルギーがある人は、注意するようにしましょう。

独立行政法人 国民生活センター 高カカオをうたったチョコレート

4-3-2. 通常のチョコレートよりも脂質やカロリーが高い

ダイエットに向いている高カカオチョコレートですが、普通のチョコレートと比べると1.21.5倍脂質が多いことが分かりました。脂質はカロリーも高いので、必然的にカロリーも普通のチョコレートより上回ることになります。このように高カカオチョコレートを食べすぎてしまうと、太りやすくなってしまったり、健康にも良くない影響を及ぼしたりする可能性があるので、1日の摂取量を守るようにしましょう。

独立行政法人 国民生活センター 高カカオをうたったチョコレート

4-3-3. 利尿薬・気管支拡張薬を服用している方は注意

高カカオチョコレートの原料であるカカオには、気管支拡張、利尿、興奮などの作用のある「カフェイン」と「テオブロミン」が含まれています。さらに、高カカオチョコレートには普通のチョコレートと比べて、約24倍のカフェインやテオブロミンが含まれています。健康な方が、高カカオチョコレートを1日の摂取量をきちんと守って食べるのは問題ないですが、利尿薬、気管支拡張薬を服用している方は、食べすぎないように注意が必要です。不安な場合はお医者様に相談するようにしましょう。

独立行政法人 国民生活センター 高カカオをうたったチョコレート

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。高カカオチョコレートには、皆さんが思われていた以上にさまざまな健康・美容効果があったのではないでしょうか。それらの効果を効率的に得るために、カカオの配合率が高めの高カカオチョコレートを1日の摂取量を守って食べてください。また、ニッケルアレルギーがある方、利尿薬、気管支拡張薬を服用している方は注意が必要です。高カカオチョコレートはたくさんカカオが含まれているため、普通のチョコレートよりもカカオ本来の風味が楽しめるのも良いですよね。ぜひいろいろな高カカオチョコレートを試してみてください。