小松菜の栄養価と健康効果のまとめ

小松菜は、日本の食卓で古くから親しまれてきた栄養豊富な緑黄色野菜です。今回はそんな小松菜の栄養や小松菜を食べるメリット、美味しい小松菜の選び方、そのほかオススメのレシピなどをご紹介します。

目次

1.小松菜の栄養

小松菜は栄養価が高い野菜で有名ですが、具体的にどんな栄養が含まれているか述べていきます。

1-1. カロリーは13kcal

小松菜は非常に低カロリーで、100gあたり13kcalしかありません。ダイエット中の方やカロリー制限をしている方に最適な食材です。また、低カロリーでありながら多くの栄養素を含んでいるため、栄養バランスを崩さずに食事のカロリーを抑えることができます。

1-2. 食物繊維総量は1.9g

小松菜には食物繊維が100gあたり1.9gの食物繊維が含まれています。食物繊維の目安として頻繁に目にするレタス(1.1g)と比べると、やや多いことがわかります。

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1-2-1. 水溶性食物繊維は0.4g

小松菜には100gあたり0.4gの水溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は腸内に生息するビフィズス菌などの善玉菌の栄養となり、腸内環境を整える働きがあります。0.4gは少なく感じますが、一般的な家庭で食べられる野菜の水溶性食物繊維量は0.1~0.9gであることから平均的な量と言えます。

1-2-2. 不溶性食物繊維は1.5g

不溶性食物繊維は、腸内の動きを促進し、便秘の予防に効果的です。小松菜には100gあたり1.5gの不溶性食物繊維が含まれており、腸内の老廃物を排出しやすくします。これにより、消化器官全体の健康をサポートします。

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1-3.β-カロテンは3100μg

小松菜には100gあたり3100μgのβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。小松菜は食卓でよく並ぶレタス(240μg)、ブロッコリー(830μg)や他の緑黄色野菜のチンゲン菜(2600μg)と比べても、小松菜は非常に多くのβ-カロテンを含んでいます。

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1-4. ビタミンCは39mg

小松菜には100gあたり39mgのビタミンCが含まれています。小松菜一束は200~300gであることとビタミンCの日本人の食事摂取基準が100mgであることから小松菜一束でビタミンCの目安量を満たすことができます。

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1-5. 鉄分は2.8mg

鉄分は、血液中のヘモグロビンの生成に必要なミネラルです。小松菜には100gあたり2.8mgの鉄分が含まれており、特に女性や貧血気味の方におすすめです。鉄分と言えばほうれん草が有名ですが、実はほうれん草は100gあたり2mgと小松菜よりも少ないんです。なので鉄分を摂ることを目的とした場合、小松菜の方が鉄分補給にはオススメです。

1-6. カルシウムは170mg

カルシウムは、骨や歯の健康を維持するために不可欠な栄養素です。小松菜には100gあたり170mgのカルシウムが含まれており、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。成長期の子供や高齢者にとって、重要なカルシウム源となります。

2.小松菜VSほうれん草VSチンゲン菜

同じような見た目をしている小松菜、チンゲン菜、ほうれん草の3つは、野菜を普段から買わない人にとっては見分けがつきにくいでしょう。これら3種類の特徴の違いを紹介します。

2-1.見た目は葉の形や茎の太さが違う

ほうれん草の葉は一般的に細長く、三角形または矢じり型をしています。また、濃い緑色で、葉の表面が少ししわがかっているものが多いです。一方で小松菜の葉は丸みを帯びており、幅が広くてなだらかな形をしています。葉の色はほうれん草に比べて鮮やかです。また、チンゲン菜は小松菜と同様に楕円形の葉をしていますが、茎が太く、色は小松菜よりもさらに明るいです。

2-2.栄養面は小松菜が優秀

小松菜とほうれん草とチンゲン菜の栄養面での特徴はカルシウム、鉄分、葉酸

2-2-1.カルシウムは小松菜が一番

小松菜には100gあたり170mgのカルシウムが含まれており、これはほうれん草の約3.5倍、チンゲン菜の約1.7倍に相当します。カルシウムは骨や歯の健康に欠かせないミネラルであり、成長期の子供や骨粗しょう症予防に役立ちます。

2-2-2.鉄分も小松菜が一番

小松菜には100gあたり2.8mgの鉄分が含まれています。これはほうれん草の約1.4倍、チンゲン菜の約2.5倍に相当します。鉄分は赤血球のもとになる栄養素です。赤血球が少ないと鉄欠乏性貧血に繋がります。鉄欠乏性貧血の予防のためにも鉄分を豊富に含む小松菜はオススメの野菜です。

2-2-3.ほうれん草は葉酸が多い

ほうれん草は100gあたり210μgの葉酸を含んでおり、小松菜の110μg、チンゲン菜の66μgを上回ります。葉酸は妊娠中の女性に特に重要で、胎児の発育に必要な栄養素です。葉酸の豊富な、ほうれん草は妊婦の栄養補給に適しています。

2-2-4.アクの原因のシュウ酸はチンゲン菜が一番少ない

アクの原因となるシュウ酸ですが、チンゲン菜が最も少なく、えぐみが少ないです。この3種類の葉物野菜で最も多くシュウ酸を含むのはほうれん草です。したがって、食べる前にアク抜きが必要です。小松菜はシュウ酸が含まれていますが、少なく、ほうれん草と比べるとアク抜きの手間がほとんどないため、調理が簡単です。

[ほうれん草と小松菜の見分け方]そのポイントと、栄養の違い|カゴメ株式会社 (kagome.co.jp)

2-3.価格面では小松菜が安い

過去数年の平均価格を比べると小松菜が約120円、ほうれん草が約183円、チンゲン菜が約135円でした。価格面から見ても小松菜は家庭に優しい野菜と言えます。

3.小松菜は栄養豊富で多くの機能がある

小松菜は栄養が豊富なため期待できる効果はたくさんあります。

3-1.ビタミン・ミネラルの補給

小松菜はビタミン類やミネラルを豊富に含んでいるため日常の栄養補給に最適です。

3-2.抗酸化作用がある

小松菜が豊富に含んでいるビタミンCとβ-カロテンは抗酸化作用のあり、細胞の老化を防ぐ効果があります。これらの栄養素が体内の活性酸素を中和するのに役立ちます。

3-3.鉄分の補給が出来る

小松菜は鉄分の供給源としても優れています。植物性の鉄分は吸収率が低いですが、小松菜が豊富に含んでいるビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が向上し、貧血予防に役立ちます。

3-4.消化器官の健康維持ができる

小松菜は食物繊維を多く含んでおり、腸内環境の改善に寄与します。食物繊維は腸の蠕動運動を促進し、便通を良くする効果があります。

3-5.免疫力の向上する働きがある

小松菜には免疫力を高める成分が多く含まれています。特にビタミンCとβ-カロテンは、白血球の機能を向上させ、感染症に対する抵抗力を高めます。

4.小松菜は女性や子ども、カルシウムを摂りたい人にオススメ

小松菜を積極的に食べるべき人の特徴について述べていきます。

4-1. 鉄分不足の人や女性、子どもにオススメ

鉄分が不足しがちな人にとって、小松菜は理想的な食材です。小松菜には100gあたり2.8mgの鉄分が含まれています。鉄分は赤血球のもととなるほか肌や髪にとって大切なコラーゲンの生成も担っているため、特に女性や成長期の子供におすすめです。

4-2. カルシウム不足な人は小松菜を食べるべき

小松菜はカルシウムを豊富に含んでおり、100gあたり170mgのカルシウムが含まれています。カルシウムは骨や歯の健康を保つ役割があるので、カルシウムが不足しがちな人に小松菜はオススメです。

4-3. 小松菜は血糖値対策に適している

小松菜は糖質が少なく、食物繊維が多いため血糖値の管理に役立ちます。また、食事のバランスを整えるために、日常的に食べましょう。

5.小松菜の選び方

良質な小松菜を選ぶためのポイントについて参考にしてください

5-1. 葉の色が濃いものを選ぶべし

良質な小松菜を選ぶ際には、葉の色が濃い緑色であることを確認してください。濃い緑色の葉は新鮮で栄養価が高い証拠です。鮮やかな色の葉を持つ小松菜はビタミンやミネラルが豊富です。

5-2. 茎が柔らかくなっているものは避けるべきです。

茎が柔らかくなっている小松菜は、鮮度が落ちている可能性が高いです。しっかりとした硬さのある茎を持つものを選びましょう。茎がしっかりしている小松菜は新鮮でシャキシャキとした食感を楽しめます。

6.小松菜を食べるときの注意点

栄養たっぷりな小松菜ですが食べるときには注意が必要な場合もあります。

6-1.腎臓病の方は食べすぎに注意

小松菜は100gあたり約450mgのカリウムが含まれています。腎臓病の患者は1日に2000~3000mgのカリウム摂取制限があるため、450mgという数字は考慮すべきです。小松菜だけで制限は超えませんが小松菜の食べすぎには注意しましょう。

6-2.しっかりアク抜きをする

小松菜はアクが少ないため、ほうれん草のような徹底したアク抜きは必要ありません。しかし、完全にアク抜きをしないわけではなく、軽く茹でる程度のアク抜きは行うべきです。茹でた後にすぐ冷水にさらすことで、栄養を逃がさず、より一層美味しく食べることができます。ただし、冷水にさらす時間も短くしましょう。ビタミンCやカリウムなどの水溶性成分が流出してしまいます。

7.調理による栄養の変化とオススメの調理法

7-1.油を使ってβ-カロテンの吸収率アップ

小松菜は油を用いて調理することで、β-カロテンの吸収率が高まります。β-カロテンは脂溶性のビタミンのため油に溶けます。β-カロテンが溶けた油を摂ることで効率よくβ-カロテンを摂ることができます。

7-2.ゆでるとビタミンCやカリウムが減少

小松菜はゆでることでビタミンCやカリウムが減少します。これはビタミンCやカリウムが水溶性の成分であるからです。ゆで汁にビタミンCやカリウムが溶けていくのでビタミンCやカリウムを摂りたいときはゆで汁も使ったスープやみそ汁を作るのが良いでしょう。どうしてもゆでたいときはゆで時間を減らすことで逃す栄養も減らせます。

8.小松菜の保存方法

小松菜を買いすぎてしまった場合や使わない分の保存方法をご紹介します。

8-1.生の状態では2~3日が目安

小松菜を買いすぎてしまったとき、冷蔵庫にまとめて生のまま入れて使う頃にはシナシナになっていることありませんか?小松菜は何もせずに冷蔵庫で保存すると2~3日ほどでしなびてしまいます。小松菜を冷蔵庫で保存するときは日にちに注意しましょう。

8-2.野菜室でたてて保存すると3~4日もつ

小松菜は野菜室で立てて保存しましょう。なるべく畑で育った本来の状態に近づけることで新鮮さを保つことができます。

【手順】

1.水で洗う

2.水気を切り、キッチンペーパーや新聞紙などの紙で拭く

3.ジップロックなどに入れて、冷蔵庫の野菜室に入れ、立てて保存する

8-3.買ってすぐに使わないなら冷凍保存がオススメ

買ってから2~3日使わない場合、冷凍がオススメです。冷凍することで栄養価を保ちながら、風味も損なわずに長持ちさせられます。

【手順】

  1. 使いやすい大きさに切る

2.水気を切り、キッチンペーパーや新聞紙などの紙で拭く

3.冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存する

9.おすすめレシピ

小松菜は栄養成分が豊富なため様々なレシピがあります。今回は鉄分を摂りたい方へのレシピと管理栄養士がオススメしているレシピを1つずつご紹介します。

9-1.鉄分を摂りたい方にオススメな「牛肉と小松菜の中華炒め」

牛肉には小松菜と同様に豊富な鉄分が含まれているため鉄分不足が気になる方にはオススメの食材です。

【材料】2人前

牛もも薄切り肉…140g

小松菜…140g

玉ねぎ…50g

ごま油…小さじ1

調味料A

酒小さじ2

醤油小さじ1

にんにくチューブ小さじ1

砂糖小さじ1

鶏がらスープの素小さじ1

【作り方】

1.小松菜を3cm幅、玉ねぎを1cm幅に切る

2.牛肉をお好みのサイズに切る。ジップロックなどの袋に切った牛肉と調味料Aを入れて揉みこみ、10分ほどおいて下味をつける

3.フライパンにごま油を入れ、中火で熱す。2で下味をつけた牛肉を入れ、色が変わるまで1分ほど炒める。

4.牛肉の色が変わり次第、玉ねぎを加え、しんなりとするまで2分ほど炒めて完成

牛肉と小松菜の中華炒め by おいしい健康 – 管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成:おいしい健康 (oishi-kenko.com)

9-2.管理栄養士オススメの「小松菜のかき玉みそ汁」

小松菜はアクが少なく、水溶性の栄養素が多いため、汁物がオススメです。そのため、同じく高栄養価の卵と組み合わせたかき玉汁がオススメです。

【材料】2人前

小松菜…60g

卵…50g

みそ…小さじ2

水…260ml

【作り方】

1.小松菜を3cmに切り、卵を溶きほぐす

2.小鍋に水を入れて中火にかけ、煮立ったら小松菜を加える。火が通ったら、弱火にしてみそを溶きいれる。

3.溶いた卵をゆっくりと回し入れ、弱火のまま蓋をして1分煮る。卵がふわっと浮いてきたら出来上がり。

小松菜のかき玉みそ汁 by おいしい健康 – 管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成:おいしい健康 – 糖尿病 (oishi-kenko.com)