手軽で栄養価の高いバナナは、安いうえに美味しいという点でも魅力的ですよね。ひと昔前には朝バナナダイエットが大流行し、試した経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんなバナナですが、一方では、朝に食べない方が良いと耳にすることがありますよね。
答えはノーです。しかし、気をつけなければいけない注意点がいくつかあります。本記事では、朝にバナナは食べない方が良い?のか徹底解説していきます。
1.ずばり、朝にバナナを食べた方が良い!
そうなんです、朝にバナナを食べることは身体にとって良い変化をもたらします。本章では朝バナナのメリットを詳しくご紹介いたしますので、お読みいただき、バナナへの正しい知識を深めていただければうれしく思います。
1-1.朝バナナを推奨する理由
本記事で朝バナナを食べた方が良いという回答をしているのには、もちろん理由があります。普段は何気なく食べているバナナがどのような性質を持っているのか、皆様も気になりますよね。
1-1-1.バナナの栄養素
バナナには、炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、葉酸、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれています。主な栄養素をご紹介いたします。
・ビタミン、葉酸
ビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、ビタミンB6、葉酸を含みます。
たんぱく質、糖質、脂質の代謝を助けたり、皮膚や髪、爪などの健康をサポートする働きがあります。
・ミネラル(マグネシウム)
骨や歯の元となり、形成を助けます。
また不整脈を防いだり、神経の興奮をしずめ、体温や血圧を調整します。
・食物繊維
腸の水分や内容物を吸着して排出し、便秘解消につながります。
また、血糖値の急上昇を抑え、コレステロールの吸収を抑えます。
・カリウム
体内のナトリウム(塩分)を排泄し、塩分の摂り過ぎを調節する上で重要です。
高血圧やむくみの解消、運動中に筋肉がけいれんするのを防ぐ働きがあります。
・糖質
バナナにはブドウ糖、果糖、ショ糖など、さまざまな種類の糖質が含まれています。
食物繊維との相乗効果で腹持ちが良くなり、血圧の急上昇を防ぐ働きがあります。
脳のエネルギー源として集中力アップの助けにも役立ちます。
・アミノ酸
他のフルーツにはほとんど含まれていない、バナナ特有の栄養素です。
神経を落ち着かせたり、睡眠を促す働きがあります。
このように沢山の栄養素が含まれており、2005年から2019年まで15年連続でよく食べる果物1位(※総務省家計調査より)になっているバナナ。老若男女から人気の秘密は、この豊富な栄養素と言えますね。
1-1-2.昼や夜ではダメなのか
結論としては、バナナは朝、昼、夜どの時間帯に食べても、それぞれ良い効果をもたらします。では、なぜ朝バナナを推奨しているのか?
―私たちの脳は“ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。朝起きたときに頭が「ボーッ」としてしまうのは、寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなってしまうためです。朝食を食べないと、午前中、からだは動いても頭はボンヤリ、ということになりがちです。脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食でしっかり補給し、脳とからだをしっかり目覚めさせましょう。-
参照:農林水産省 子どもの食育
朝食を摂ることは、記憶力や集中力を高める効果があります。日中の活動低下を防ぎ、自律神経を整えるという面でもプラスに働きます。さらに、最近の研究では「朝食を抜くと昼食後の血糖上昇を招く」こともわかってきました。高血糖は肥満や糖尿病などの生活習慣病を招く危険があります。
以上のことから、本記事では朝にバナナを食べることを推奨します。
1-2.朝バナナによるうれしいメリット
上記では、バナナの持つ栄養素についてお話しいたしました。ここでは、私たちにとってどのようなうれしい変化が見られるのかをご紹介いたします。
1-2-1.手軽に食べられる
忙しい朝にでも、皮を剥くだけですぐに食べることができます。切ったり焼いたりと調理が不要なのは嬉しいですよね。自宅で食べる時間がない時には、バックに入れて持ち歩けば、いつでもどこでも食べることができます。
1-2-2.カリウムが多く含まれるため浮腫みが取れる
上記1-1-1.にてカリウムの効能をご紹介させていただきました。カリウムは水分代謝を高める働きがあるため、体内に余分な水分が溜まって起こるむくみを防ぐために役立ちます。
1-2-3.血糖値の上昇を穏やかにする
バナナにふくまれる食物繊維は、糖質と一緒に摂ることで、糖質の消化吸収スピードが緩やかになる効果があります。その結果、血糖値の急激な上昇を抑えられ、血管へのダメージも軽減できるとされています。
1-2-4.お腹の調子を整え、便秘の改善に効果的
朝食を抜くと便秘になりやすいといわれています。朝食には自律神経のスイッチを活動モードに切り替える役割があり、食べ物が胃に入ることで腸のぜん動運動が活発になり排便を促します。
2.朝バナナの注意点
1章では、朝にバナナを食べることへのメリットをご紹介いたしました。しかしながら、世間で噂されているように、朝にバナナを食べない方が良いという意見も、一理あります。バナナを食べる上では、いくつか注意しなければいけないポイントがありますので、そちらをご紹介していきます。
2-1.バナナのみを摂取し続けると栄養が偏る
バナナは栄養豊富な果物ですが、同じ果物一品のみを食事の代わりに食べ続けるとなると、やはり栄養が偏りやすくなります。味に飽きてしまうこともあるでしょう。栄養の偏りや、味の飽きを防止するには、他の食品と組み合わせることや、調理の工夫で栄養バランスを補ったり味に変化をつけたりすることが大切です。4章では、アレンジレシピをご紹介しているので、是非ご参考にされてみてください。
2-2.身体が冷える
バナナは体を冷やしやすい食材と考えられています。果物には体を「温める果物」と「冷やす果物」があるとされ、南国産の果物の多くは「冷やす果物」にあたります。バナナの摂りすぎで体が冷えてしまうと、冷えが悪化する可能性が考えられるので、冷え性の方は気をつけましょう。冷えは体内の巡りを滞らせ、痩せにくい体質につながる原因の一つ。バナナを食べるときは食べ過ぎに注意し、さらに体を冷やさないよう工夫して食べると良いでしょう。
2-3.腎臓の機能が低下している方は適量を心がけてください
バナナには豊富なカリウムが含まれます。適度なカリウム摂取は美容や健康に効果的ですが、摂り過ぎはNG。しかしカリウムは、塩分を過剰に摂取しやすい現代の食生活において、高血圧の予防に大切な栄養素です。バナナ以外の果物にもカリウムは含まれるので、バナナに限らず他の果物も適切な摂取量で上手に食生活に取り入れていきましょう。
3.朝バナナの最適な食べ方とポイント
ここまで、朝バナナのメリットとデメリットをご紹介いたしましたが、実際にどのように食べるのが正解なのか、分からない方も多いと思います。正しい食事方法で、豊富なバナナの栄養素をしっかりと身体に取り込みましょう!
3-1. 生のバナナを1~2本、常温の水と共に摂る
バナナは1本当たり80~90kcalです。野菜ジュースなどは余分な糖質や塩分が含まれている可能性がありますので、必ず常温の水でお召し上がりください。2章の2-2でご紹介したように、バナナは体を冷やしやすい食材と考えられています。冷たい水と共に摂ることで内臓が冷え、血行・血流が悪くなるとバナナの豊富な栄養が体内に行き渡りにくくなります。朝から内臓を冷やしてしまうと1日中身体が温まらないので注意してください。冷えはダイエットの天敵です!
3-2.朝バナナダイエットを成功させるポイント
本記事をお読みいただいている方の中には、ダイエット中の朝食として朝バナナを考えている、もしくは実践している方もいらっしゃると思います。朝にバナナを食べるだけで痩せる、というのは少し誤りがあります。最適な食べ方の他に、朝バナナを食べた後の1日の過ごし方にも着目していきましょう。
3-2-1.昼食は普段通り、夕食は18時頃~遅くても20時頃までに
朝食はバナナ1本のみですので、昼・夕食はバランスの良い食事を心がけてください。特に、ミネラル、食物繊維、酵素が豊富なお米の割合を多くするとgood!また、よく噛むことで満腹中枢が刺激されますし、消化器官が活発になることで自立神経を整えてくれるので、食事中に意識されてみてください。
3-2-2.早く寝る
遅くても日付が変わるまでに寝る習慣を作ることが理想です。前述で夕食は18時頃に摂ることをおすすめしているのは、遅い時間帯に食事をすると胃腸が消化活動中のまま睡眠に入ることになり、快眠できません。空腹状態で胃腸を休息させることが質の良い睡眠へのカギとなります。十分な睡眠で毎日の疲れを取ることが、痩せ体質へ導きます。
4.バナナに一工夫で、美味しくかつ健康的に
1~3章で、朝にバナナを食べることは身体に良いことだという認識は持っていただけたかと思います。しかしながら、毎日朝食にバナナだけを食べ続けることは次第に変化が欲しくなりますよね。そこで、美味しくかつ健康的に召し上がっていただけるアレンジレシピやバナナ以外にもおすすめの果物をご紹介いたします。
4-1.スムージーや丸ごと焼きバナナもおすすめ
毎朝同じ食事には飽きた、、制限のある食事でも楽しみたい!という方へ、おすすめのアレンジレシピをご紹介いたします。
4-1-1.「バナナジュース」カロリー:約170kcal
【材料(1杯分)】
冷凍バナナ 70g
生バナナ 30g
牛乳 130ml
【作り方】
①シュガースポット(黒い点々)が出たバナナの皮を剥いて2cm〜3cm幅にスライスし、冷凍する
②生バナナは一口大に切り、冷凍バナナと牛乳を合わせてミキサーかブレンダーの容器に入れ、攪拌する
☆ポイント☆
→冷凍バナナと生のバナナの黄金比率7:3。シュガースポットが出るまで完熟させたバナナの糖度は22度〜24度ととても高く、砂糖や蜂蜜なしでも充分に甘いです。それを冷凍することで、氷を使用せずとも濃厚でクリーミーな仕上がりに。生のバナナを加えるのは、フレッシュなバナナの風味を楽しむためだそうです。
参照:https://www.olive-hitomawashi.com/column/2018/09/post-1487.html
4-1-2.「バナナスムージー 黒ごま&きなこ入り」カロリー:約260kcal
【材料(1杯分)】
生バナナ 100g(1本)
豆乳 120ml
きなこ 大さじ1
黒すりごま 大さじ1
(仕上げ用)きなこ、黒すりごま 適量
【作り方】
①皮をむいた生バナナを手でちぎり、保存袋(ジッパー付き)に入れて口を閉める。
②①のバナナを手でつぶし、ペースト状にしたら冷凍庫で凍らせる。
③②に豆乳、きなこ、黒すりごまを入れ、シェイクするように袋を揉みながらよく混ぜる。
④すべての材料がよく馴染んだら、保存袋の角をハサミで小さく切り、グラスに注ぎ入れる。
⑤仕上げにお好みできなこ、ごまをのせる。
☆ポイント☆
→バナナを冷凍せずに生バナナのまま作り、レンジで温めることで寒い日の朝にはホットでお飲みいただくこともおすすめです。また甘いものがお好きな方は、はちみつを少量加えても美味しいです。
参照: https://www.sumifru.co.jp/recipe/kanjukuoh185/
4-1-3.「丸ごと焼きバナナ」カロリー:約170kcal
【材料(1人前)】
生バナナ 100g(1本)
お好みできなこやシナモン、はちみつなど 適量
【作り方】
①バナナの根本のヘタの部分を切り落とす
②トースターにアルミホイルを敷き、バナナを皮ごとのせる。片面5分ずつ焼いていく。
③皮が黒くなるまで両面焼けたらお皿に取り出す。焼き足りなければ追加で2~3分ずつ焼く。
④上の皮をむき、食べやすくカットしたり、お好みでトッピングを。
☆ポイント☆
→バナナを扱うときは、熱いのでお箸やトングなどを使いましょう。
参照:https://entabe.jp/42621/easy-recipe-whole-skin-baked-banana-with-toaster
4-2. バナナの他に朝食に向いている果物4選
毎朝バナナばかりで飽きてきた方には、バナナの他にも朝食に向いている果物をご提案いたします。たまには他の果物を食べて気分転換されてみてください。
・りんご 1玉300g/約168kcal
腸内環境を整えたり、脂肪吸収の抑制を期待できる
・キウイ 1片100g/約53kcal
食物繊維が豊富で腹持ちが良い、脂肪燃焼を促す作用がある
・オレンジ 1個200g/約96kcal
美容や美肌効果への高い効果が期待できる
・ブルーベリー 100g/約49kcal
強力な抗酸化物質を含む、血糖コントロール、コレステロールの酸化を防止する
・いちご 100g/約34kcal
ビタミンCや葉酸が豊富、他の果物より果糖が少なく太りにくい
※ここで注意いただきたいのは、甘い果物と酸っぱい果物の食べ合わせです。果物は種類によって含まれる酵素が異なるため、基本は1種類の果物を摂ることをおすすめいたします。2種類以上の果物を同時に食べると、消化や栄養素の吸収が悪くなります。特にバナナやぶどうなどの甘い果物と、キウイやオレンジ、いちごなどの酸っぱい果物の食べ合わせには注意してください。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。バナナの摂り過ぎや栄養の偏りなど注意点に気をつけて正しい方法で食べることで、デメリットをメリットに変換することができます。朝バナナを食べて、身体に嬉しい変化を感じましょう!本記事にて、朝にバナナは食べないほうが良い?という疑問が解消されれば嬉しいです。是非、皆様のご健康にお役立ていただき、健やかな毎日をお過ごしください。ご拝読いただきありがとうございました。