納豆1パックの糖質は何g?糖質制限中にオススメの納豆の底力

改訂日:21/4/9

納豆が健康に良い事は良く知られており、医師が選ぶ最も健康的な食材として1位に選ばれるほど。その理由は低い糖質量と豊富な栄養素、納豆ならではの働きにあります。糖質制限にも納豆は良いとされていますが、その理由は何か?糖質量や健康効果から理由をお伝えしていきたいと思います。

 1.納豆の糖質量

まずは「納豆の糖質量」を見ていきましょう。市販に並ぶ納豆は大きく分けて「大粒納豆」「小粒納豆」「ひきわり納豆」の3つがあります。これらを「100g当たり」と「1パック当たり」に分けて見ていきます。

 1-1.一番糖質の低い納豆はひきわり納豆

種類 糖質量(100g当たり) 糖質量(1パック50g当たり)
大粒納豆 4.8g 2.4g
小粒納豆 4.6g 2.3g
ひきわり 4.0g 2.0g

納豆の種類毎の糖質量に違いはほぼなく、1パック当たり(50g)では最も糖質量の多い「大粒」と最も少ない「ひきわり」でも0.4gしか違いがありません。また、2gちょっとの糖質量しかないので、1日あたりの糖質制限の目安量150gからすると微々たるもの。どの種類であっても1パック程度の納豆なら糖質量を気にする必要はありません。

 1-2.成分表示の中に糖質量は書いてない場合が多い

納豆の平均的な糖質量を示しましたが、いつも自分が食べている納豆はどれくらいの糖質量なのかも気になるところですね。ではどこを見れば良いかというと、上の図のように糖質量が載っていない商品ものも少なくありません。 そこでチェックしたいのが「炭水化物」の項目です。炭水化物の中に糖質が含まれているからです。

 炭水化物=糖質+食物繊維

 食物繊維も表示されていませんが、納豆1パック当たりにはおおよそ2.5g~3.0gの食物繊維が含まれています。そのため、この画像のケースで言えば、納豆の糖質量は7.2g-3.0g=4.2g程と予測できます。

 1-3.市販の納豆の糖質量

次に実際に市販されている納豆について見ていきましょう。売上や知名度などから、それぞれの種類の代表的な納豆をピックアップしてみました。ちなみに上記で納豆1パックは50gと書きましたが、店頭に並ぶ納豆はちょっと小さめの40~45gのものも販売されています。

おかめ納豆 極小粒 / タカノフーズ

  • 1パック当たりの内容量:50g
  • 1パック当たりの炭水化物量:7.0g

参考:http://www.takanofoods.co.jp/products/detail.php?id=2

小粒納豆タイプのおかめ納豆は全国で販売されているので見かけた方も多いでしょう。全納豆商品中最多の売り上げを誇っています(日経POS情報 2020年2月 売上ランキング)。

糖質量は未記載ですが、炭水化物量が7.0gなので、1パック4g程度の糖質量になりそうです。一般的な製品よりはやや高めの糖質量なのは原料に米粉が含まれていることが関係していそうですが、糖質制限としてはそれほど気にする量ではないでしょう。ちなみに米粉を含むことで日持ちが良くなる、粘り気を強めるといったメリットがあるそうです。

金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆/ミツカン

 

 

  • 1パック当たりの内容量:45g
  • 1パック当たりの炭水化物量:4.0g

参考:http://www.mizkan.co.jp/natto/product/toromame.html

こちらも全国で販売されているので食べている方や見かけた方も多いのではないでしょうか。日経POS情報 2020年2月売上ランキングによると、おかめ納豆 極小粒に次いで多く販売されています。こちらはおかめ納豆に比べ容量が少ない、米粉がないこともあり、糖質は低めの2.0g程だと思われます。

金のつぶ 国産ひきわり

  • 1パック当たりの内容量:40g
  • 1パック当たりの炭水化物量:3.5g

参考:http://www3.mizkan.co.jp/sapari/product/group/index.html?id=19036&sid=19

ミツカンから発売されている金のつぶ国産ひきわり。やはり全国で売られているので、見かけた方も多いでしょう。1パック当たりの量は40gとやや少な目ながらも、糖質量は2.0gを切っているとみられます。納豆はひきわり派という方はこちらを食べている方も多いのではないでしょうか。

2.糖質制限に納豆を取り入れないのは損!

ここまで納豆の糖質量だけに注目してきましたが、それ以外にもまだまだ糖質制限にピッタリな理由があります。納豆を糖質制限に活用しないのは、損なんです!

2-1.糖質消費量UPにつながる「高たんぱく」

納豆たんぱく質の宝庫で、1パックから8.5gも摂ることができます。これは1日のたんぱく質の必要量の1/6にも当たり、糖質制限中に不足しがちなたんぱく質摂取を強力にサポートします。さらに、納豆のたんぱく質はとても「良質」なので、摂取したたんぱく質の体内での活用度が非常に高いとされています。

2-2.糖質制限で乱れやすい「腸内環境をフォロー」

糖質制限中は炭水化物の摂取を控え、食事も大きく偏ることから腸内環境が変わり、体調を崩しやすくなる事も。納豆には腸内環境を整える、という特徴があるので、糖質制限による影響をフォローしてくれます。

2-3.女性に不足しがちな「鉄分」をサポート

納豆は鉄分が豊富で3.3mgも含まれています。鉄分の1日の必要量は男性で7~8mg、女性で約10mgとされていますが、特に女性は1日に3~4mgも鉄分が不足。鉄分自体は野菜、魚、肉など様々な食材に含まれていますが、糖質制限中は「食べる量」が減るので、鉄分も不足しやすくなっています。納豆は毎日食べやすく、手軽なので、特に女性におススメです。

2-4.何と言っても安い!

糖質制限のデメリットの1つに「お金がかかる」という点があります。糖質制限では高糖質な「炭水化物」の摂取量を減らし、肉や魚などの低糖質な「おかず」を増やして総糖質量を減らします。ですが、「おかず」はお金がかかるものが多いので、その点において納豆は「おかず」として安価に毎日食べることができます。

3.納豆パワーを活かす「3つの食べ方」

では納豆のメリットが分かったところで、納豆パワーを活かすための食べ方を実践してみてください。

3-1.「熱」を極力遠ざける

納豆に含まれる独自の酵素「ナットウキナーゼ」は熱に対してやや弱いので、高温・長時間の料理にはあまりおすすめはできません。「ナットウキナーゼ」の利点は体のめぐりをよくするということ。糖質制限上は低糖質な肉や卵、乳製品などは良いとされますが、これには「動物性脂肪」が多く含まれています。ですが、これらを取り過ぎると血のめぐりが悪くなってしまうので、ナットウキナーゼが役立つわけなんです。

3-2.混ぜれば混ぜるほど増す「うま味」

納豆は混ぜれば混ぜるほど、うま味が増すという特徴があります。これは混ぜる事で「グルタミン酸」といううま味成分が表面に出て来るため。できるだけたくさん混ぜて、納豆を美味しく味わうようにしましょう。ちなみにある研究ではうま味が増したのは400回までで、それ以上はうま味成分が増えなかったそうです。

3-3. 常温に戻して納豆菌を「活動的」に

納豆は常温で食べるようにしましょう。通常、納豆は冷蔵庫に保存しているかと思いますが、この状態の納豆の納豆菌は眠っている状態。 冷蔵庫から出して20分から30分くらい置いて常温に戻しておきましょう。 常温にすることで、眠っていた納豆菌が起きて活動し始め、ナットウキナーゼなどの酵素が増えていきます。

4.タレやからしの扱い方

納豆のパックについてくるタレとからし。メーカーによって味の違いがあって、納豆にピッタリの味付けになっていますね。ですが、これらを入れている方はその糖質量も合わせてチェックする必要があります。

4-1.タレとからしの糖質量は僅か

納豆の栄養成分で個別の「糖質量」の記載がありませんでしたので、タレとからしを合わせた「炭水化物量」の記載から「糖質量」を判断してみました。

<タレとからしを合わせた炭水化物量が0.8gの納豆>

  • タレ・・・0.7~0.8g
  • からし・・・0.0g~0.1g

各納豆メーカーのタレの原材料表記を見ると「ぶどう糖果糖液糖」という表示が見られました。これにはほぼ食物繊維が入っていないとみられるので、0.7~0.8gといったところ。対して、からしはほぼ糖質がないとみられるので、0.0~0.1g。タレを入れても僅かな糖質量なので、それほど気にする必要はないと思いますが、しっかり糖質制限をする方はからしはOK、タレはなし、とするのが良さそうです。

4-2.オリジナルの味付けも

タレを抜く場合、味がないので低糖質なオリジナルの味付けをすると美味しく食べる事ができます。そこで、オススメの低糖質な調味料をご紹介するので、お好みの味付けで調整してみてくださいね。しょう油には糖質が入っていますので、少な目にするか糖質不使用にすると低糖質にすることができます。

<タレの代わりのオススメ調味料>

  • ・ゴマ油
  • ・オリーブオイル
  • ・塩
  • ・醤油

5.オススメの納豆の組み合わせ食材

納豆と一緒に食べ合わせることで、より納豆の効果を高めてくれる食材があります。毎日食べるものなので、味の変化を出すためにもぜひ活用してみてくださいね。

5-1.キムチ

おすすめする食品の1つ目がキムチです。キムチには辛み成分である「カプサイシン」が含まれていますが、カプサイシンには辛みによってアドレナリンの分泌を促進して、体温を上昇させる働きがあります。すると、それに伴って代謝も向上するため、脂肪が燃焼されやすくなる効果が期待できます。ダイエット目的に糖質制限をする方にはピッタリの組み合わせです。

5-2.タマネギ

納豆にネギを入れる方は多いかと思いますが、タマネギを入れるのも健康的で美味しい組み合わせ。タマネギには血糖値の上昇を穏やかにする特徴があり、これは糖質制限の考え方とも一致します。糖質制限では食事の糖から得られるエネルギーを不足させて、脂肪からエネルギー補充するのが一つの仕組み。エネルギーが不足しているという判断は血糖値の低さに関係があります。そのため、「血糖値を低く保つこと」=「糖質制限の考え方」となるので、タマネギは糖質制限に適した食品なんですね。

5-3.ご飯

朝ごはんの定番である納豆ご飯。この納豆とご飯は栄養的にも相性がよく、とても優れた組み合わせなのです。大豆のタンパク質には「リジン」という体で作れないアミノ酸が豊富に含まれています。一方白米にはタンパク質は含まれていますが、欠点はこの「リジン」が少ないこと。そのため白いご飯と納豆の組み合わせで、アミノ酸のバランスがとてもよくなり、栄養的な価値が大幅に増強されるのです。

6.納豆を食べる上での注意点

最後に納豆を食べる上での注意点をチェックしていきましょう。

6-1.購入から1週間以内に食べる

納豆は元々発酵しているので、実は賞味期限を過ぎたからといって食べられないわけではありません。ですが、賞味期限を過ぎるとおいしさが失われて、味や臭いが変わっていきます。そのため、やはり賞味期限内の1週間以内に食べきるようにしましょう。

6-2.1日1パックを目安に

納豆は目安として1日1パックとしましょう。納豆に含まれる大豆イソフラボンは、ストレスホルモンをブロックして若返りホルモンと呼ばれるDHEAを増やし、同時に脳や骨、肌までも若返らせます。大豆イソフラボンの摂取量の上限量は1日約70㎎。納豆1パック50gだと大豆イソフラボンは約37㎎なので、豆腐やみそ汁を食べるとしたら1日1パックが目安となります。

6-3.薬との飲み合わせ

「抗凝固剤」といった種類の薬を飲まれている場合には注意しましょう。「抗凝固剤」には血をサラサラにして血栓をつくりにくくする効果がありますが、納豆含まれるビタミンKにはこの効果を弱めてしまう場合があります。飲まれている場合には一度お医者様に相談するようにしてください。

6-4.納豆を食べるとおならが出る?

ネット上では「納豆を食べるとおならが出やすくなる」といった声が聞かれますが、出る量については影響は小さいとされています。ただし、臭いが強い場合には腸内環境が悪い可能性が考えられます。納豆を積極的に食べることでたんぱく質摂取量が増加しますが、たんぱく質はエネルギーを作る栄養素の中で唯一「窒素」を含みます。この「窒素」は腸内に存在する悪玉菌の餌となるため、納豆を過剰に食べることで悪玉菌を増やしている可能性があります。その場合、納豆だけではなく、たんぱく質が多く入った食品は控えて様子を見ましょう。

7.まとめ

今回は納豆の糖質量についてご紹介していきました。冒頭でもお伝えしましたが、納豆は医師が選ぶ健康効果の高い食品としてNO.1を獲得するほどの健康食品です。糖質制限のデメリットで上げられるのは「栄養の偏り」ですので、低糖質で健康成分も豊富な納豆はぜひ摂り入れてほしい食材の一つです。「せっかく痩せたけど、なんだか疲れている・・」「痩せたせいか体調が悪い・・」なんてことにならないためにも、納豆を上手に取り入れてみてくださいね