安くておいしい家計の味方のもやしの栄養についてご紹介!

調理次第でおいしく食べられることができ、しかもいつでも安い庶民の味方のもやしですが。このもやしの栄養についてあまりないのではと思ったことはありませんか? 実はもやしは栄養豊富な食材です。お財布にも優しく、さらに栄養も豊富という、まさに一石二鳥の食材になると思いませんか。今回はそんな魅力的なもやしの栄養についてご紹介します。

1.もやしの栄養成分表と基本情報

販売されているもやしにはいくつか種類があり、緑頭もやし、黒豆もやし、大豆もやしが主にあります。

多く流通しているものは緑頭もやしになり、スーパーで安く売られているものはこれになります。

また黒豆もやしは見た目では緑豆のもやしと変わらないのですが、黒豆もやしは日本では古くから親しまれていたこともあり「もやしといえば黒豆もやし」と根強い人気があるようです。

最後に大豆もやしですが、大豆もやしは2種類存在し、納豆などに使われている小粒の大豆を使った「小粒大豆もやし」と普通の大豆を使った「大豆もやし」です。

1-1.もやしの栄養成分一覧

よく誤解されているのはもやしには栄養がないと言われていることです。そのヒョロヒョロの見た目や、水分が多いことがそのようなイメージを持たれている原因なのですが、実際にはもやしはたくさんの栄養素を含んでいます。

もやし100gあたりに含まれている栄養素は以下のようなものです。

緑豆もやし 黒豆もやし 大豆もやし
カロリー(kcal) 14 15 37
タンパク質(g) 1.7 2 3.7
脂質(g) 0.1 微量 1.5
炭水化物(g) 2.6 2.7 2.3
ナトリウム(mg) 2 6 3
カリウム(mg) 69 71 160
カルシウム(mg) 10 15 23
マグネシウム(mg) 8 11 23
鉄(mg) 0.2 0.4 0.5
亜鉛(mg) 0.3 0.4 0.4
ビタミンB1(mg) 0.04 0.04 0.09
ビタミンB2(mg) 0.05 0.06 0.07
ビタミンC(mg) 8 11 5
葉酸(μg) 41 42 85
食物繊維(g) 1.3 1.4 2.3

 

必須アミノ酸

緑豆もやし 黒豆もやし 大豆もやし
イソロイシン(mg) 64 72 140
ロイシン(mg) 71 84 210
メチオニン(mg) 80 57 160
メチオニン(mg) 12 17 38
フェニールアラニン(mg) 85 92 180
トレオニン(mg) 42 53 130
トリプトファン(mg) 17 21 48
バリン(mg) 85 99 170
ヒスチジン(mg) 50 54 100

 

非必須アミノ酸

緑豆もやし 黒豆もやし 大豆もやし
シスチン(mg) 6.5 9.2 43
チロシン(mg) 37 43 96
アルギニン(mg) 120 82 200
アラニン(mg) 30 58 150
アスパラギン酸(mg) 460 440 890
グルタミン酸(mg) 66 84 330
グリシン(mg) 24 31 110
プロリン(mg) 32 39 130
セリン(mg) 45 63 160

 

1-2.もやしの基本的な特徴

もやしにはこれだけ多くの種類の栄養素が含まれています。もやしの前の状態の豆のままだとこんなに多くの種類の栄養素は含まれていないのですが、発芽してもやしになることで、それまで含まれていなかった新しい栄養素が合成されるようです。

また、もやしの根っこにあたる「ひげ」と呼ばれている部分についてですが、触感が悪くなるのでとっている人もいらっしゃるようです。実はこの部分に食物繊維が多く含まれています。

この部分をとってしまうと、もやしからの食物繊維の摂取量が減ってしまいますので、そのまま食べるようにしましょう。

なお、もやしのあたまをとる人もいるようですが、こちらもよろしくありません。もやしの頭は種となる部分です。

つまり、もやしはこの部分の栄養をもとに成長しているため、一番栄養が含まれていた部分になります。この部分を取り除いてしまうと、摂取できる栄養が減ってしまうため、取り除かないようにしましょう。

2.加熱による栄養変化

栄養素が豊富なもやしですが、調理方法によってはその栄養を損なってしまうこともあるので注意が必要です。小野に加熱することでその栄養の含有量が変わってきます。

2-1.もやしの加熱による栄養価の変化

もやしに含まれる熱に弱い栄養素は、アスパラギン酸、カリウム、葉酸があります。加熱することで熱に弱い栄養素は減っていってしまうため、加熱しすぎには注意が必要です。

2-2.茹でることで得られる効果と注意点

もやしは水分の多い食材です。熱を加えることでその中の水分が流出してしまい、栄養も一緒に出てしまいます。

ゆでるときも同様でもやしをゆでたときに加熱と水が加わることで、先ほど紹介した熱に弱い栄養素が減り、水に溶けだす栄養素が溶け出してしまいます。

なお、もやしに含まれる水に溶け出す栄養素はビタミンCで、ゆでることで8割近く減ってしまうという調査結果もあります。

そのため、もやしをゆでてしまうだけではただ栄養素を抜いているだけの行為になってしまいます。しかしもやしを生で食べることは推奨されない食べ物です。

これはもやしが腐りやすい食材で、その製造過程で細菌が付着しやすい状況のため、生食した場合食中毒になってしまう恐れが加熱することは必須の食材です。

もやしをゆでる場合はスープに入れることで溶けだした栄養素も摂ることができるのでお勧めです。

また、レンジで加熱することでも水に栄養が溶け出すのを防いでくれます。ただ熱で壊れてしまう栄養素もあるため、加熱しすぎには注意しましょう。

3.他の野菜との栄養成分比較

もやしと同様キャベツも安価で販売している食材で家計にやさしい食材です。

3-1.もやしとキャベツの栄養成分比較

キャベツの栄養素/100g (後で比較表作成)

キャベツ 単位
エネルギー 30 kcal
水分 90.4 g
たんぱく質 2 g
脂質 0.1 g
炭水化物 6.7 g
灰分 0.8 g
飽和脂肪酸 0.01 g
不飽和脂肪酸 0.01 g
コレステロール 0 g
食物繊維 2.8 g
βカロテン 36 μg
ビタミンE 0.1 mg
ビタミンK 29 μg
ビタミンB1 0.07 mg
ビタミンB2 0.03 mg
ナイアシン 0.3 mg
ビタミンB6 0.19 mg
葉酸 58 μg
パントテン酸 0.35 mg
ビタミンC 68 mg
ナトリウム 4 mg
カリウム 310 mg
カルシウム 40 mg
マグネシウム 13 mg
リン 43 mg
0.5 mg

 

3-2.栄養バランスの観点からの適切な食べ合わせ

もやしの栄養をさらに引き立てる食材について紹介したいと思います。

3-2-1.チンゲンサイ

もやしと同じようにビタミンCが豊富なチンゲンサイは、もやしと一緒に食べると免疫力の強化には欠かすことのできないβ―カロテンやビタミンC、ビタミンEが多く摂取できます。

3-2-2.ニラ

ニラは大豆もやしには含まれていないβ―カロテンを豊富に含んでいます。

そのためニラと組み合わせて食べることで、不足分の栄養を補うことができます。

3-2-3.ブロッコリースプラウト

葉酸やビタミンC、ビタミンE、カロテン、亜鉛などの栄養素が豊富なブロッコリースプラウトは、もやしと組み合わせることで抗酸化力が上がります。スプラウト類はもやしの仲間なので、調理もしやすいです。

3-2-4.キャベツ

もやしとキャベツの食物繊維が腸内の環境をととのえてくれます。

3-2-5. 豚肉

もやしには疲労回復効果のあるアスパラギン酸が豊富です。豚肉にも同じく疲労回復効果のあるビタミンB1が多く含まれています。両方の食材から栄養素を摂ることで、より効果を高めてくれます。

4.もやしを活用したダイエットレシピ

4-1.ダイエットに適したもやしの特性

先に紹介したようにもやしは栄養素が豊富で低カロリーでダイエットの際にぴったりの食材です。

また大豆もやしは大豆がついているため歯ごたえがあり、よく噛んで食べることで満腹度も高めてくれる食材です。

4-2.低カロリーでコスパの良いダイエットレシピ

〇もやしナムル

①もやし200gを耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで3分ほど加熱。

②加熱してもやしがしんなりとしたら

・ごま油 : 小さじ2

・鶏ガラスープの素 : 小さじ1

・しょうゆ : 小さじ1/2

・すりおろしニンニク : 小さじ1/2

を入れて混ぜ合わせば完成です。

 

〇豚バラもやし

①もやしを水洗いした後にお皿にこんもりもる。

②もやしの上に豚バラを広げてもやしを覆うように隙間なくかぶせる。

③全体に塩コショウを振り、ふんわりとラップをかけたら600wの電子レンジで5分加熱。

④加熱が終わったら、ポン酢をかけ、お好みでネギをかけたら完成です。

 

5.ショッピングガイド

5-1.もやしの選び方と新鮮さのポイント

もやしを選ぶ際には以下のポイントに気を付けるとよいでしょう。

①茎が太くて色が白くツヤや張りがあるもの。

②根は透明感があるものほど新鮮で短めのもの。

③触ってみてかたくしまっているもの。

逆に全体が褐色になっているものや、豆つきの場合は豆が開いていたり、黒ずんできているものは避けましょう。

5-2.コスパを考慮したショッピングのコツ

また、もやしは特売されることも多くあるため、ついついもやしを手に取って買ってしまい。使わずに冷蔵庫で腐らせてしまった。という経験は多くの人がしたことがあるのではないでしょうか。

もやしの消費期限は製造から2,3日といわれています。食材としてはかなりあしが速いので、買ったことを忘れてしまい、気づいたらもやしが痛んでいたということがありがちになります。

そこでもやしの保存方法をお教えしますので、特売日などで大量に購入しておき、長持ちさせてお得にもやしを活用しましょう。

 

5-2-1. 水に浸して冷蔵保存

簡単にできる保存方法は、もやしを袋から出して保存容器にいれ、もやしがひたひたになるくらい水を入れて、ふたをして冷蔵庫へ入れるだけです。

2日に1度くらいに水を変えるだけで、これだけで10日間程度も保存することが可能になります。この保存方法だと、時間が経つとシャキシャキ感がなくなってしまうもやしでも、シャキシャキ感を維持することができます。

5-2-2. 冷凍保存で長期保存

もうひとつの保存方法は冷凍保存です。こちらの場合は買ってきたもやしを袋ごと冷凍庫に入れてもよいですし、使い切れずに余ったもやしをジップロックなどに入れて空気を抜いてから冷凍庫にいれるだけになります。

この保存方法の場合1か月程度は持たせることができるので、もやしが特売で大量に買ってしまい消費しきれないときに使うとよいでしょう。

6.まとめ

もやしは安価で買うことができ、さらにおいしく調理することができるまさに家庭の味方の代表のような食品です。しかし、見た目はヒョロヒョロで栄養があまりなさそうなもやしですが、様々な栄養が含まれているため栄養抜群の食品です。安くておいしくて栄養抜群とまさに一石三鳥の食品ですので、ぜひ食事にもやしを取り入れてみてはいかがでしょうか。