改訂日:21/4/9
油のカロリーはどのくらいあるのでしょうか。日頃食事の際あまり気にしていませんが、いざダイエットなどを始めようかと思ったとき、少しでもカロリーは抑えたほうがいいと思うと油のカロリーまできになってきます。ここでは油のカロリーはどのくらいあるのか、また油といえど沢山種類もありますので、それら油の違いについてもご紹介します。
目次
1.油のカロリー
油のカロリーはどのくらいあるのでしょうか。ここでは、油のカロリーはどのくらいなのか、そして大体大さじ1杯、小さじ1杯でどのくらいのカロリーがあるのかをご紹介します。
1-1.油のカロリーは1gあたり9.2kcal
油のカロリーの一般的に大体同じくらいのカロリーになります。1gあたりでいうと油のカロリーは9.2kcalになります。これを覚えていると、油を何g使ったかでどのくらいのカロリーになっているかわかるということです。
1-2 大さじ1杯(12g)の油で110kcal
レシピ本などをみると材料のところに「大さじ一杯の油」と記載されているのをよく見かけます。この場合、油のカロリーは1g9.2kcalで、大さじ一杯の油は12gですので、
9.2kcal×12gで約110kcalとなります。
1-3 小さじ1杯(4g)の油で36kcal
大さじ一杯のカロリーと同様に、小さじ一杯の油の重さは4gですので、
9.2kcal×4gで約37kcalになります。
2.油は種類によってカロリーは大きく変わらない
最初にも書きましたが、油のカロリーは種類によって大きく変わりません。しかし、油は様々な形に変化したりします。また動物由来の油、植物由来の油で多少カロリーも異なります。そこで、ここでは植物性・動物性・調味料の油のカロリーをご紹介します。
2-1 植物性油のカロリーはすべて921kcal
食用性として、様々な料理に使われる植物性油ですが、その下の表に書きましたようにカロリーは全く同じです。100%脂質ですのでカロリーも全く同じになるというわけです。
植物性油 |
カロリー(kcal) 100gあたり |
なたね油 |
921 |
サフラワー |
921 |
えごま油 |
921 |
亜麻仁油 |
921 |
ひまわり油 |
921 |
ブドウ油 |
921 |
トウモロコシ油 |
921 |
オリーブオイル |
921 |
大豆油 |
921 |
米ぬか油 |
921 |
パーム油 |
921 |
綿実油 |
921 |
ココナッツオイル |
921 |
落花生油 |
921 |
サラダ油 |
921 |
2-2 動物性油のカロリーは940kcal
動物性の油も脂質が100%ですので、植物性の油と同じかと思いますが、厳密には脂質の種類により多少の誤差が出てきます。それらを考えてカロリーを算出すると以下の表のようなカロリーになります。
動物性油 |
カロリー(kcal) 100gあたり |
ラード |
940 |
牛脂 |
940 |
魚油(海産動物性) |
902 |
2-3 調味料のカロリーは631~921kcal
調味料では、いくら油といってもカロリーに差が出てきます。脂質が100%ではないので当然です。また、バターやマーガリンといってもその中でも類似の品があります。少しの違いですがダイエットする場合はこのあたりにも注意したいものです。
調味料 |
カロリー(kcal) 100gあたり |
ソフトマーガリン |
758 |
ファットスプレット |
631 |
有塩バター |
745 |
無塩バター |
763 |
発酵バター |
752 |
ショートニング |
921 |
3.太りにくいおすすめの油
カロリーは同じですが、油にもその種類によってさまざまな特徴があります。カロリーは高いですが、油の種類によってはそれ以上に健康によい効果を発揮する油もあります。そこで、健康によい、かつ太りにくい油をご紹介します。
3-1 サラダのドレッシングには「えごま油」や「亜麻仁油」がおすすめ
えごま油や亜麻仁油には、健康効果が高いとされる、n3系脂肪酸のαリノレイン酸が豊富に含まれています。このαリノレイン酸には、代謝を活発にし、脂肪を燃焼しやすくする効果があると期待されています。
えごま油や亜麻仁油は、熱に弱い性質があるため、加熱調理には不向きです。
そのため、ドレッシングにして使用するのがよいでしょう。ポン酢と混ぜるだけでも、ガラッとかわりますので是非お試しください。
3-2 揚げ物には「日清ヘルシーオフ」がおすすめ
料理をする際には、油は必須のものになるかと思います。油の注意しなければならないこととして、油は調理で使っている最中に食材に吸収されているということです。調理方法や食材によって吸収される量はことなりますが、おおむね素揚げや唐揚げで約10%、天ぷらやフライで約15%、炒め物やソテーでは約7%が吸収されるといわれています。
例えば、100gの食材を素揚げやから揚げにした場合、10gの油が食材に吸収されるということです。揚げただけで10g×9.2kcalで92kcalもカロリーが上がってしまいます。
そこで日清ヘルシーオフは、この吸収される量を2割カットすることができる油です。少しのことかもしれませんが、揚げ物など作る際にはおすすめです。
3-3 炒め物には「ヘルシーリセッタ」がおすすめ
こちらは、有名な商品ですので、一度はスーパーなどで見たことがあるかもしれません。この油は食べた後エネルギーになりやすい、天然の植物成分「中鎖脂肪酸(ちゅうさしぼうさん)」の働きで体に脂肪がつきにくい健康オイルです。消費者庁に認められた特定保健用食品ですので安心して使うことができます。
3-4 健康効果を実感したい場合はオメガ3系脂肪酸のDHA・EPA
食事の調理用にはなかなか使用することは難しいですが、DHA・EPAは健康効果が非常に高いため、日常的に摂取したほうがいい油です。「えごま油」や「亜麻仁油」に含まれるαリノレイン酸もオメガ3系脂肪酸ですが、実はαリノレイン酸は体内でDHAに変換されており、このDHAが体に良い効果を発揮しています。
4.多価不飽和脂肪酸に分類される油が健康に最も健康によい
動物性や植物性など油には種類がありますが、実はさらに分けることができます。油=脂質であり、この脂質には種類があり、さらにどの脂質をどれだけ含んだ油かによって、いい・悪いがきまります。
4-1 多価不飽和脂肪酸は積極的に取り入れるべき
多価不飽和脂肪酸にはn3系脂肪酸とn6系脂肪酸といわれる油があります。n3系脂肪酸は亜麻仁油やゴマ油に多く含まれており、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな健康作用を持っています。ただし、熱や光、空気で酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。高温で調理すると大気中の酸素と反応し過酸化脂質となるので、食物として摂る場合、揚げ物や炒め物よりドレッシングなどに向いています。また、体内で作ることができない上に、体には必要な油ですので食事などで補う必要があります。カロリーを気にしすぎて、多価不飽和脂肪酸まで取らないということは避けるようにしましょう。ただし、n6系脂肪酸については、単純な油製品だけでなく様々な食品に含まれているため、普通に食事するだけでも補えることのほうが多いためあまり意識して取らなくてもよいといわれています。
4-2 多価不飽和脂肪酸について詳しくご説明します
油=脂質です。この脂質は大きく分けると、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つに分けられます。これらの脂肪が油のなかでどのくらいの割合ずつ含まれているかで、その油の特徴が決まってきます。各油の含有脂質の割合を以下の表にまとめました。油といっても種類によって大きく違うことがわかると思います。また、
植物性油 |
カロリー(kcal) 脂質100gあたり |
飽和脂肪酸 脂質100gあたり |
一価飽和脂肪酸 脂質100gあたり |
多価不飽和脂肪酸 脂質100gあたり |
なたね油(キャノーラ油など) |
921 |
7.06 |
60.09 |
26.1 |
サフラワー |
921 |
7.00 |
73.00 |
14.00 |
えごま油 |
921 |
7.64 |
16.94 |
70.6 |
亜麻仁油 |
921 |
8.09 |
15.91 |
71.1 |
ひまわり油 |
921 |
9.00 |
57.00 |
28.00 |
ブドウ油 |
921 |
10.93 |
17.8 |
63.55 |
トウモロコシ油 |
921 |
13.04 |
27.96 |
51.58 |
オリーブオイル |
921 |
13.29 |
74.04 |
7.24 |
大豆油 |
921 |
14.87 |
22.12 |
55.78 |
米ぬか油 |
921 |
18.8 |
39.8 |
33.26 |
ごま油 |
921 |
15.04 |
37.59 |
41.19 |
パーム油 |
921 |
47.08 |
36.7 |
9.16 |
綿実油 |
921 |
21.06 |
17.44 |
53.85 |
ココナッツオイル |
921 |
83.96 |
6.59 |
1.53 |
落花生油 |
921 |
19.92 |
43.34 |
29 |
4-3 n3系脂肪酸を含むツナ缶やサバ缶がおすすめ
n3系脂肪酸をたくさん含む油は、亜麻仁油やえごま油になりますが、買って使うのもよいですが、意外と高かったりして中々手が出ない時もあります。そこで、ツナ缶やサバ缶の出番です。より簡単お手軽にn3系脂肪酸を食べることができます。ツナ缶の原材料はビンナガマグロやキハダマグロが主に利用されていますが、最近はマグロの価格が上昇しつつあるため、カツオの身で代用した缶詰も大量に製造・消費されています。これらの魚にはn3系脂肪酸であるDHA、EPAなどの栄養成分が豊富に含まれています。そのため、ツナ缶にもその栄養が含まれることになります。またサバ缶も同様でサバにはたくさんのn3系脂肪酸のDHA・EPAが含まれています。ほとんど丸ごとサバが入っているサバ缶にも、もちろんn3系脂肪酸が含まれるというわけです。コンビニなどでお手軽に購入することができるのでこのような缶詰がおすすめになります。
5.高カロリーな要注意食品と太りにくい食べ方
油をたくさん使った食品や料理といえば、揚げ物です。揚げ物も素揚げやから揚げやてんぷらやフライなどがありますが、基本的にどんな揚げ物でもカロリーは高くなりやすいです。
5-1 油を使った要注意な高カロリー食品トップ5
揚げ物の中でも特にカロリーが高い食品をご紹介します。作りすぎて食べすぎには要注意です。
第1位 チキン南蛮(1人前234g) 594kcal
第2位 トリの竜田揚げ(1人前214g) 567kcal
第3位 トンカツ(1人前135g) 463kcal
第4位 フライドポテト(1人前135g) 320kcal
第5位 唐揚げ(3個105g) 303kcal
フライドポテトは別ですが、これらと一緒に食べたくなるのは白米です。白米も一緒に食べてしまうとカロリーはさらに上がります。また白米は炭水化物ですので、カロリーを上げるだけでなく、より太りやすくなります。食事の際は要注意です。
5-2 食物繊維が豊富な副菜と一緒に食べるようにしましょう
野菜や海藻、きのこなど、食物繊維が豊富なものを副菜として食べるようにしましょう。食物繊維には脂肪の吸収を抑制する働きがあります。例えばキャベツの千切りには、食物繊維が豊富なだけでなく、生食することによって食物酵素を摂ることもできます。揚げ物を食べる前に先に食物繊維を食べるとさらに効果的ですので、揚げ物を食べる際にはぜひ食物繊維を豊富に含んだ食べ物も一緒に食べるようにしてください。
5-3 油の吸収を抑えるおすすめ食物繊維高含有食品
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つにわけることができます。油に吸収を抑えてくれるのは水溶性食物繊維です。そこでおすすめするのが、ごぼうと納豆です。ごぼうには、100g中2.7g、納豆には100g中2.3gの水溶性食物繊維が含まれています。これ以上の食物繊維を含んでいる食品は、エシャロット(9.1g/100g)やゆりね(3.2g/100g)くらいです。しかし、エシャロットやゆりねは日ごろなかなか食卓に並べることは少ないものです。一方ごぼうや納豆は日々の食事に取り入れやすい食材ですので、揚げ物のお供として一緒に食べることをお勧めいたします。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。油の種類に関係なくほぼ一緒ですので、油のカロリーは1gあたり9kcalとだけ覚えておけば、どんな油のカロリーもすぐにわかります。。
ただし、カロリーは同じでも太りやすい油もあれば太りにくい油もありますので要注意です。えごま油や亜麻仁油などは太りにくい油としておすすめです。また魚油に含まれる油もえごま油や亜麻仁油以上に健康によいためおすすめの油になります。そのほか日常的に使用する油としては、炒め物には日清のヘルシーリセッタ、揚げ物にはヘルシーオフがおすすめです。料理によって使い分けるようにしましょう。油は大きく分けて、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つに分けられます。このなかでは、飽和脂肪酸に注意しましょう。飽和脂肪酸には血液中のコレステロールや中性脂肪を増やして血液の流れを悪くする効果があります。ココナッツオイルやパーム油にたくさん含まれていますのでココナッツオイルやパーム油には実は要注意なのです。
一価飽和脂肪酸やn3系脂肪酸とn6系脂肪酸といわれる多価飽和脂肪酸には、LDLコレステロールを下げる効果や動脈硬化、血栓を防ぎ、血圧を下げるなど、さまざまな健康作用を持っています。カロリー以上に得られる健康効果が多いためおすすめです。中でもn3系脂肪酸とn6系脂肪酸は体内で作ることができませんので、出来るだけ摂取することをお勧めします。