「体にオリーブオイルが良い」という事は聞いたことのある方も多いはず。健康や美容などで体を普段から気にかけている人にとっては、取り入れやすい調味料の一つですね。ですが一方で「オリーブオイルは太る」という事も聞いたことがありませんか?もし本当に太ってしまうなら、すでに生活にオリーブオイルを取り入れている方にとっては大問題ですね。
そこで、この記事ではオリーブオイルは太ってしまうのかどうかを正しい根拠を元にお伝えしていきます。また、オリーブオイルを使いながら健康も美容もダイエットも上手にできる「正しい使用法」も合わせてご紹介していきたいと思います。
1.オリーブオイルは太らない
ではまずはオリーブオイルは太るのか、太らないのかというお話です。結論から言ってしまえば、オリーブオイルは太りません。「いくらオリーブオイルと言っても油だし、太るんじゃないの?」と思うかもしれませんが、太らないが正解です。その理由は「糖質」がポイントになります。
1-1.オリーブオイルの糖質量はゼロ
オリーブオイルを摂る方って、スリムな人が多いと思いませんか?某もこみちさんなんかは、水の如くオリーブオイルを料理に使いますが、とってもスリムな体型をされています。
その理由は「オリーブオイルの糖質量は0であること」が理由です。栄養成分表示を見ると、オリーブオイルの炭水化物量は0と書かれています。炭水化物は糖質+食物繊維が合わさったものなので、当然糖質も0になりますね。糖質は太るか太らないかに直結するもの。だからオリーブオイルは太りにくいわけなんです。
1-2.カロリーや脂質は太る太らないと無関係
「糖質はゼロだけど、カロリーや脂質はたくさん入っているから太る」という反論もあるかもしれません。ですが、実はカロリーだけを見て太るかどうかは判断できないわけがあるんです。
カロリーは主に三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)の量に比例しています。炭水化物が多くなった分カロリーも合わせて増えていくといった感じですが、ポイントとなるのは「どの栄養素のカロリーなのか」という事。昔ながらのカロリーの考え方は量の多い少ないはあるけれど、「どの栄養素からのカロリー」という質の部分を気にせず、全てのカロリーは同じように考えられていました。ですが、今の考え方は栄養素毎に別々に考えられているんです。
話を戻すと、オリーブオイルの大量のカロリーは脂質によるもの。「脂質のカロリー」は太らないと言われ、むしろ痩せると言われています。米国国立衛生研究所のケヴィン・ホール氏によると、脂質によるカロリー摂取量を増やした人は(同量のカロリーを炭水化物から摂った場合に比べて)、1日に100カロリー以上余分に燃焼させた、と報告されています。つまり、オリーブオイルのカロリーや脂質は太る太らないにほとんど関係がないわけなんです。
2.オリーブオイルはどれくらい摂るべき?
いくらオリーブオイルが太らないからと言って、何事も摂り過ぎれば体に良くありません。ではどれくらいの量を目安に摂れば良いのでしょうか?
2-1.油を摂りすぎている日本人
そもそも日本人は油を摂りすぎていると言われています。糖質制限ダイエットや健康ブームの影響で炭水化物の摂取が減り、代わりに脂質の摂取が大きく増えました。ある統計によると、日本人の女性の40%は脂質オーバーだそう。もう少し細かく見てみましょう。
オリーブオイルが健康に良いとされる理由は、オリーブオイルに含まれる「オレイン酸」という成分にあり、これは悪玉(LDL)コレステロールを抑制する効果があると言われています。オリーブオイルの50~80%近くはこのオレイン酸でできているんですね。
ですが、オレイン酸は昔は不足していましたが、最近はサラダ油からでも多くとれるようになったことが理由で、摂取過多になってしまっている方も少なくありません。このような背景から、そもそも脂質オーバー、オリーブオイルのメリットも他で代用できてしまっている部分があるのです。
2-2.油の摂取バランスを整える事が大切
ではオリーブオイルは摂らなくて良いかというと、そうではありません。摂取する油のバランスが健康にも美容にも大切だからです。オリーブオイルに含まれるオレイン酸はたくさんある脂質の種類の中でもオメガ9系に属します。
一方で、通常の油(オレイン酸を含まない)はオメガ6系。この6と9のバランスが健康のポイントなんですね。6系はパンなどの加工品にも含まれるため、以前はたくさん摂取されていましたが、糖質制限などで近年は6系がやや減少気味。そのため、オメガ6系用に通常のサラダ油(オレイン酸を含まない)、9系用にオリーブオイルを摂るとバランスがとりやすくなります。
2-3.オリーブオイルは日本人には合わない?
ヨーロッパの料理などでよく使われるオリーブオイルは、健康に良いものとして日本でも知られています。しかし、食文化や遺伝子の違いにより日本人にとってメリットは同じですが、ややデメリットが増えてしまうかもしれません。理由は欧米人に比べて日本人は中性脂肪がつきやすいという点。油は内臓脂肪につきやすいので、皮下脂肪型の欧米人よりも日本人は少しデメリットが増えてしまいます。
3.オリーブオイルの種類は3つ
オリーブオイルと一口に言っても、細かな種類があり、大きく分けると3種類に分けられます。ちなみに世界的にオリーブオイルは厳しい基準が定められており、IOOC(国際オリーブオイル理事会)によって明確な規定が定められています。
3-1.3種類の違いは製法
オリーブオイルは大きくバージンオリーブオイル、精製オリーブオイル、オリーブオイルの3つに分けられますが、それぞれの違いは「製法」です。オリーブの実をしぼっただけの状態のオイルを「バージンオリーブオイル」と呼び、その中でも香りや成分の基準を満たした最高品質のものはさらに「エクストラバージンオリーブオイル」と呼ばれています。
また、「精製オリーブオイル」は、しぼっただけのオイルを精製して香りや味のない「油」の状態にし、これに「エクストラバージンオリーブオイル」あるいは「バージンオリーブオイル」をブレンドしたものになるのです。ノーマルの「オリーブオイル」は精製オリーブオイルに、エキストラバージンまたはバージンの混ぜる比率を変えてブレンドしたオイルです。
3-2. オリーブオイルの使いわけを
日本で販売されているオリーブオイルは「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2種類が多くみられます。「エキストラバージンオリーブオイル」は、風味もよく味もおいしいので、そのまま料理にかけたり混ぜたりして食べる食べ方の料理に特に向いています。健康を考えて、少しずつ「飲む」と言う方にもエキストラバージンオリーブオイルがおすすめです。
では一方で、ノーマルタイプのオリーブオイルは良くないかというとそうではありません。エキストラバージンオリーブオイルに比べ、価格が安いので食用油としては使いやすいメリットがあります。そのため、食事用のエキストラバージンオリーブオイルと、調理用のオリーブオイルとで分けると上手に使いわけられます。
3-3.オリーブオイルの品質に注意
オリーブオイルを買うときに注意したいのが、品質の問題。ここまでのオリーブオイルの話は、全てIOC基準の話をしていました。ところが日本はこのIOCに属していないので、IOCの基準に届かない品質のオリーブオイルが出回る原因になってしまっているのです。
日本のオリーブオイルの基準を決めるのはJAS(日本農林規格)。IOCに比べ審査が厳しくないJIS基準ではエキストラバージンオリーブオイルの品質の基準も緩め。この違いを理解しておくことがオリーブオイルには大切です。
4.オリーブオイルの使い方
オリーブオイルには普通の油とは違った特徴があるので、同じように調理をしてしまうとせっかくのメリットが半減してしまう事も。そこで、オリーブオイルの使い方をチェックしておきましょう。
4-1.朝食前に摂る
基本的には食前に飲むのが良いとされていますが、特におすすめなのは朝食前です。 朝は腸のぜん動運動が一番活発な時間帯のため、そこに合わせて取り入れてあげることで効果が期待できます。
4-2.常温保存する
オリーブオイルを保存する最適な温度は、16~18℃です。 30℃以上の高温に置いていると劣化が進み、5℃以下の低温では白く凝固してしまいます。 そのため冷蔵庫には入れず、常温での保存がよいでしょう。
4-3.お腹をくだしやすい人は注意
オイル自体が消化しにくい食べ物であり体内に入ると胃腸に負担がかかるのでお腹を下すことがあります。 そのためお腹が弱めの方は少しずつ調整して食べてみるようにしてください。
4-4.開封1か月を使い切り目安にする
オリーブオイルは通常の油よりも酸化しやすく、酸化してしまうと味や品質、香りが大きく落ちてしまいます。出きれば200g程度のの小さい瓶や缶入りのオリーブオイルを購入してこまめに使い切るようにしましょう。
5.オリーブオイルと食材・食べ物の相性
オリーブオイルと合わせると、より美味しく、さらに健康にできるものもあります。オリーブオイルと相性の良いものご紹介しますので、新しい食べ方を見つけてみてくださいね。
5-1.野菜の食べ合わせ
一番オススメする方法は野菜にそのままかけて生で食べる事。オリーブオイルそのものに含まれる豊かな栄養成分に加え、野菜と一緒に組み合わせれば、野菜の持つ栄養成分の吸収を高めることができ、毎日の食事をより健康的に美味しく楽しめます。
5-2.炒め・揚げ・煮料理でもOK
「オリーブオイルが加熱調理には向かない」という話を聞いたことがありませんか?ですが、それは間違いなんです。優れた品質のものであれば、炒め・揚げ・煮料理でも用途は選びません例えば天ぷらの揚げ油として使った場合、天ぷら油よりも衣の水分を飛ばしてくれて「カラッ」と揚げることができます。
6.まとめ
多くの方に親しまれ、健康の代名詞として広がっているオリーブオイル。しかし、誤った情報がたくさんあふれています。正しい情報を知り、正しいオリーブオイルの使い方を知って、自分の目指す美容やダイエット、健康を実現していってくださいね。