ナッツを食べすぎてしまったら?体への影響を解説

ナッツを食べすぎてしまったら?体への影響を解説

美容やダイエットに良いと人気の食品ナッツ。間食やおつまみをナッツにしたり、普段の食事に取り入れたりしている方も多いのではないでしょうか? しかし、食べすぎにはデメリットもあります。ナッツによる体への影響と1日あたりの適切な量、ナッツのおすすめの食べ方について解説します。

1.ナッツ食べすぎによる悪影響

ナッツを食べすぎるとどうなるのでしょうか。ナッツの食べすぎによる体への悪影響は、おもに4つあります。ナッツの食べすぎによる悪影響

1-1.肌荒れやニキビ

ナッツは脂質高めのものが多く、食べすぎると過剰に皮脂を分泌させるため、肌荒れやニキビの原因になってしまいます。

1-2.下痢や便秘

脂質が多いナッツは消化吸収が遅く、食べすぎると消化不良を起こし下痢の原因になる可能性があります。消化が遅いので、胃もたれや吐き気が起きることもあります。またナッツには不溶性食物繊維が多く含まれます。不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸収するため、水分が不足して便が固くなり、便秘になってしまうことがあります。

1-3.太る原因

おやつやおつまみでナッツをつまむと、つい食べすぎてしまったということがあると思います。ナッツはカロリーの高いものが多いため、ナッツを食べすぎるとエネルギーの摂取しすぎになり、肥満につながってしまいます。

1-4.肝臓に負担も

ナッツの中にはビタミンEを多く含む種類がありますが、脂溶性のビタミンEは過剰に摂取すると体に蓄積してしまいます。食べすぎが続くと肝臓に負担をかけることになり、肝機能障害のリスクが高くなってしまいます。
また脂質も多く含まれるため、食べすぎによって脂肪肝になりやすくなると考えられます。

 

<コラム> ナッツを食べると鼻血がでる?

「ナッツを食べすぎると鼻血がでる」といわれますが、ナッツと鼻血の関係について医学的根拠はありません。ナッツには、血行を良くするはたらきのあるポリフェノールが多く含まれています。そのため一度に摂取しすぎると血行が良くなりすぎてしまい、鼻血が出ることもあるようです。ポリフェノールで血流アップ

1-5.食べすぎてしまったときは

ナッツの食べすぎで胃腸の不調を感じてつらいときの対処法として、以下の2つがあります。

食べすぎてしまったとき
1-5-1.白湯を飲む

白湯は胃腸のはたらきを促し、消化不良を改善する効果があります。そのため白湯を飲むことで、胃もたれの改善が期待できます。冷たい水は胃に負担を与えてしまうため、不調のときは冷たい水よりも常温以上の水やお湯を飲むのがおすすめです。

1-5-2.市販薬

下痢や便秘の腸の不調は整腸剤、胃痛などは胃薬を飲むことで症状を抑えることができます。胃もたれによる吐き気を緩和させるために、胃腸薬を服用するのも1つの方法です。薬局で購入できる市販薬も多くあり、すぐに不調を抑えたい人には市販薬がおすすめです。
ただし不調が何日も続くことがあれば、アレルギーも考えられます。症状がひどい場合は病院で医師に相談し、アレルギー検査など対処することをおすすめします。

2.ナッツの栄養価と適切な摂取量

ナッツの食べすぎで、体へのリスクを高めてしまうことがないようにしたいですね。ナッツの種類ごとにそれぞれの1日の目安量を知って、適量を食べられるようにしましょう。

2-1.ナッツの種類ごとのそれぞれの栄養価と適量

ナッツの種類ごとの適量

「日本食品標準成分表」文部科学省 に基づく

ナッツは脂質の割合が高めなので、エネルギーで見ると適量は80~120kcalが目安です(「糖尿病食事療法のための食品交換表」日本糖尿病学会: 1~1.5単位)。間食の目安は200kcal(「食事バランスガイド」農林水産省)なので、他に間食を食べることがあれば、エネルギーが過剰にならないように注意しましょう。
上記は間食に食べることを想定しており、食事にナッツを取り入れる日は、上記の適量を多少オーバーしても問題ありません。

2-2.低カロリーなナッツは?

上で紹介した通りナッツは脂質が高めで、高カロリーなものが多くなっています。その中でも、他と比べて低カロリーなものは以下の2つです。

2-2-1.ピスタチオ

ピスタチオは他のナッツと比べて、低脂質のため低カロリーとなっています。肌に良い栄養成分のビタミンB6が多く、1粒が小さめでたくさん食べた気分になれるかもしれません。

2-2-2.ジャイアントコーン

 ジャイアントコーンは他のナッツとは違って脂質がほぼ含まれていないため低カロリーですが、糖質が高めになっています。また味付けに食塩が添加されているものが多いため、糖質制限をしている方や塩分を控えている方は注意が必要です。

3.ナッツは食べ方によって健康に

食べすぎは良くありませんでしたが、ナッツは健康にうれしい成分も多く含む食品です。ナッツが体に与える良い影響を紹介します。ナッツを食べると良いこと

3-1.代謝アップ

ナッツにはビタミンB群が多く含まれており、特にビタミンB1、B2が豊富です。ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質をエネルギーに変え、脂肪の燃焼を促し代謝をアップしてくれます。代謝を良くすることはダイエットに効果的なので、間食にナッツを適量食べることは、ダイエット向きであるといえます。

3-2.血糖値の上昇予防

ナッツに含まれる炭水化物は食物繊維の割合が高く、糖質はほとんど含まれていません。そのため、血糖値が上がりづらい食品と言えます。また食物繊維は、糖の吸収を穏やかにすることから、糖尿病や肥満の予防が期待できます。

3-3.コレステロール減少

脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられます。飽和脂肪酸は肉・乳製品など動物由来の食材に多く、不飽和脂肪酸は植物由来の食材に含まれます。ナッツは脂質が多いですが、ほとんどが不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸に分けられ、それぞれコレステロールや中性脂肪に働きかけ、脂質バランスの改善に役立ちます。

3-4.老化予防

ナッツには良質な脂質である不飽和脂肪酸やミネラルなどの、肌の健康に良い成分も多く含まれます。アンチエイジングにうれしいビタミンも多く含まれており、中でもビタミンEは抗酸化作用によって体内で発生する活性酸素のはたらきを抑えてくれます。活性酸素の発生量が多いと老化につながる可能性がありますが、ビタミンEをはじめとする抗酸化物質を摂ることで、体内の活性酸素から細胞を守ることができます。ナッツは適量を守って食べると肌に良い食品といえます。

4.おすすめの食べ方

栄養がたくさん含まれたナッツは、適量を守って食べることが必要です。ここからは、ナッツのおすすめの食べ方をご紹介します。

4-1.決まった量食べる

決まった量食べるミックスナッツであれば手のひらに軽く1杯、もしくは小鉢に半分程度の15g~25g分(約80~120kcal)その日に食べる量を決めて、分けておくと食べすぎが防げます。容量が記載された、小分けのパック入りの商品もあるので、分けるのが面倒という人におすすめです。

4-2.無塩・オイル不使用

おつまみコーナーには、食塩が添加されたナッツが多く置かれています。塩分の取りすぎにならないように、食塩無添加のものを選びましょう。またナッツ自体に含まれる脂質も高いですが、さらに油で揚げてあるフライナッツは、より高脂質になります。カロリーも高くなるので、油で揚げていない素焼きのナッツを選ぶようにしましょう。

4-3.一緒に食べる

4-3-1.小魚と一緒に食べる

ビタミン豊富なナッツとカルシウム豊富な小魚を組み合わせることで、ダイエット中に不足しがちな栄養素がバランスよくしっかりとれます。小魚とナッツが一緒に入った商品も多く、おいしく食べられるのでおすすめの食べ方です。

4-3-2.牛乳と一緒に食べる牛乳と一緒に食べる

ビタミンEを多く含むナッツは、タンパク質が豊富な牛乳と一緒に食べるのもおすすめです。アンチエイジングに良い組み合わせのビタミンEとタンパク質を両方摂ることができます。
 

5.まとめ

ナッツの食べすぎは「肌荒れやニキビ」「下痢や便秘」「太る」「肝臓への負担」など、体への悪影響がありました。手のひらに軽く1杯分の15g~25g分、カロリー換算すると80~120kcal程度が適量です。適切な量を摂取するようにすれば、「代謝アップ」「血糖値の上昇予防」「コレステロール減少」「老化予防」の体への良い影響が期待できます。
塩味が付いているタイプや油で揚げているものは、塩分・カロリー・脂質の過剰摂取につながってしまうため、避けるようにしてください。
健康にうれしい栄養が豊富なナッツは、適量を守っておいしく食べるようにしましょう。