ポリフェノールが多く含まれている食品とは?ランキングでご紹介!

ポリフェノールは、ほぼすべての植物が持つ苦みや渋み、色素の成分です。植物はこれを自然環境から身を守ったり、種を保存したりするための大切な成分です。ポリフェノールの仲間は8,000種類を超えるといわれています。様々な研究で、健康効果が明らかになっているポリフェノールですが、皆さんは健康を意識して食事を摂っていますか?2022年に行われた「健康によい成分に関するアンケート調査」では、健康のために摂取を心がけている成分がある人の中で、乳酸菌やたんぱく質、ビタミンCの割合が高い中、今回注目するポリフェノールも割合は高くないものの、摂取を心がけていることが分かりました。そのような、ポリフェノールの摂取を意識されている方のために、ポリフェノールの含有量が多い食品を、ランキングにして紹介します。また、効率よく摂取する方法も提案させていただいていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.ポリフェノールが多く含まれている食品ランキング

最初にお伝えしたように、ポリフェノールは約8,000種類もあるといわれています。そのため、すべての食品のポリフェノールの含有量は明らかにされていません。これからご紹介するのは、ポリフェノールの量を研究されている複数の論文を参考にした数値になります。そのため同じ食品でも数値にばらつきがあることや、食品の種類にも偏りがありますことをご了承ください。

それでは早速、ポリフェノールが多く含まれている食品のランキングを紹介します。

参考:健康長寿ネット ポリフェノールの種類と摂取方法

食品100gあたりに含まれているポリフェノールの量(mg)が多い順番にグラフにしました。

1位はポリフェノールのイメージの強い赤ワインです。赤ワインのポリフェノールは、原材料であるぶどうの皮や種に多く含まれています。

赤ワインはぶどうの皮や種も一緒に発酵させてつくられるのでポリフェノールが多く含まれているのです。

ブドウの皮に含まれるポリフェノールはアントシアニンという赤色の色素成分であるため、赤ワインは赤色をしているのですね。

【コラム:白ワインよりも赤ワインのほうがポリフェノール量が多い】

赤ワインにポリフェノールが豊富に含まれているなら、白ワインにも同じように含まれていると思われるかもしれません。

しかし、白ワインはぶどうの皮や種を取り除いて作られるため、赤ワインよりもポリフェノールの含有量は少なくなってしまうのです。

ブドウの皮に含まれる赤い色素のポリフェノールが白ワインには含まれていないため、ワインが赤色にはならず白色をしているのです。

2.食品別のポリフェノール含有量ランキング

次に飲み物、野菜、果物といった食品別に見た、ポリフェノールの含有量ランキングをご紹介します。

2-1. 飲み物のランキング

まずは、ポリフェノールを多く含んでいる飲み物のランキングです。飲み物100mlあたりのポリフェノールの量(mg)をグラフにしました。

キリン ポリフェノールという贅沢

1位は、1章のランキングと同様に赤ワインです。2位は抹茶です。同じお茶なのに、緑茶は4位となっています。お茶に含まれるポリフェノールはどれも茶カテキンですが、その量に違いがあるのは、それぞれのお茶の淹れ方に違いがあるからです。抹茶は、粉末状にした茶葉をそのまま飲むため、茶葉に含まれるポリフェノールを全て摂取することができます。緑茶はさまざまなお茶をまとめた呼び名ですが、私たちが日常で飲んでいる緑茶の代表が煎茶です。煎茶は、急須で茶葉(茶殻)を残して、抽出して飲むため、限られたポリフェノールしか摂取できません。

2-2. 野菜のランキング

次は、野菜のランキングです。野菜100gに含まれるポリフェノールの量(g)のグラフです。

市販野菜可食部の総ポリフェノール含量

1位は春菊となりました。春菊と言えば、独特な香りと苦みが苦手な方も多いかもしれませんが、他にもβ-カロテンやビタミンB2、カルシウムなど栄養が豊富な食材なので、積極的に食べられるのをおすすめします!2位のごぼうは中心部よりも皮の部分にポリフェノールが多く含まれています。普段、ごぼうを調理するときは、皮をむくことがほとんどだと思いますが、それだとポリフェノールを取り除くことになってしまうのです。そして3位はなすです。ここまで読んでいただいている方は、もう想像がつくかと思いますが、あの鮮やかな紫色の皮の部分にポリフェノールの一種であるアントシアニンという紫色の色素を含んでいます。よく、栄養がないと言われるなすですが、他にも食物繊維やカリウムなども摂ることができます。

 

2-3. 果物

最後は、果物の栄養です。農林水産省によると、もも・すもも・あんず・さくらんぼなどには、ポリフェノールを多く含んでいることが分かっています。下の表からも分かる通り、それらの中で1位はスモモです。

果物(100g)

ポリフェノール含有量(mg)

スモモ

93~157

モモ

27~80

リンゴ

47~67

ネクタリン

50

サクランボ

39

カキ

20~31

ブドウ

16~30

参考:地域農産物による機能性食品の開発 辻政雄・木村英生

スモモの果実は見たことがありますでしょうか。皮が赤く、桃より少し小さい大きさをしています。ブドウと同じように皮の赤色にポリフェノールの色素成分である「アントシアニン」が含まれています。

3.ポリフェノールを効率よく摂取する方法

ポリフェノールが多く含まれる食品についてご理解いただけましたでしょうか。ここからは、それらからより多くポリフェノールを摂取する方法を紹介しますね。

3-1. 皮ごと食べる

なすやごぼう、スモモでもご紹介したように、皮に多くのポリフェノールが含まれています。そのため、皮ごと食べられる食品については、皮をむかずにそのまま食べるようにしましょう。

3-2. 飲み物はこまめに飲む

多くの人が、ポリフェノールの8割を飲み物から摂取していることが分かりました。確かに、緑茶やコーヒーを習慣的に飲む人は多いですよね。ポリフェノールを積極的に摂取するためには、それらを食事や、休憩の時だけではなくて、こまめに飲むことが大切です。ポリフェノールの効果は34時間ほどで消えてしまうと言われているためです。日頃、水しか飲まないけど、ポリフェノールを摂りたい!という方はコーヒーやお茶を飲むようにしてみてくださいね。

日本経済新聞  ポリフェノール摂取のコツ お茶・コーヒーでこまめに

4.サプリメントでも摂取できる

ポリフェノールは食材からだけでなく、サプリメントからも摂ることができます。錠剤を水と一緒に飲むだけで簡単にポリフェノールを摂取することができるため、食材から摂るよりも手軽ですよね。しかし、極端に摂りすぎると、必要以上に摂りすぎてしまう恐れがあります。商品に書かれている目安量をきちんと守るようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。近年その健康効果から、注目されているポリフェノールですが、100gあたりに一番多く含まれているのは、ぶどうをまるごと使っている赤ワインだということが分かりました。その他、野菜は春菊、果物はスモモです。赤ワインや、春菊、スモモをはじめランクインしている食品を飲んだり食べたりする習慣のなかった方はぜひ取り入れてみてくださいね。そして、その際には、皮ごと、生で、こまめにを意識して効率的に摂取するようにしましょう。