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プーアル茶のポリフェノールは微生物の発酵によって変化している」って、ウソ?ホント?
→ホント(信頼性★★★★★):プーアル茶は微生物による発酵の過程があり、この過程によりプーアル茶独特の香りと風味に仕上がります。その際、味だけでなくポリフェノール成分も変化していくことが知られています。
1. 製造過程よってさまざまに変化するお茶
プーアル茶を含め、緑茶、ウーロン茶、紅茶。実はこれらのお茶はすべて同じ茶葉です。製造工程が異なりそれぞれの違う味のお茶になります。お茶の製造方法は、非発酵茶・半発酵茶・発酵茶・後発酵茶の4種類に分類されます。どれも「発酵」の言葉が入っていますが、科学的な「発酵」の定義によると、微生物が関与する後発酵茶のみが本当の「発酵茶」です。この微生物のはたらきによってプーアル茶特有の風味が生み出され、発酵の過程で独自のポリフェノール成分に変化します。
以前に烏龍茶や緑茶についての記事を書きました。こちらも読んでください。
「お茶を飲むとHDL-コレステロールを低下させる」って、ウソ?ホント? | 暮らしのお役立ち情報 | アカシアの樹【公式】アカシアポリフェノール糖ケアサプリ (acacia-no-ki.co.jp)
2. プーアル茶の発酵過程を解説
プーアル茶の後発酵という過程には、複数の微生物が関与しています。Liu et al., 2021の総説では少なくとも4種以上の微生物が関与しています(1,2)。テアデノール類は、茶葉からの新しい抗メタボリックシンドローム成分として医薬また食品分野で注目されています。
プーアル茶の中で特徴的なポリフェノールはテアブラウニンです。テアブラウニンはプーアル茶の独特な色と味に欠かせない要素であるだけでなく、プーアル茶の品質を評価する重要なパラメータであると広く考えられています(2)。
他にもプーアル茶にはこんなにたくさんの成分が入っています。
3. プーアル茶で健康的な生活習慣を
3-1. プーアル茶を飲むことで改善されること
ではプーアル茶を飲むことでどんな健康効果が期待されるのでしょうか?
胃腸の働きを助けてくれる、血糖値上昇を緩やかにしてくれる、コレステロール値を改善してくれることが期待されます。
3-2. プーアル茶を特徴付けるポリフェノール、テアブラウニンの研究
プーアル茶を特徴付けるポリフェノール、テアブラウニンにはコレステロールの吸収を抑制する効果があります。ラットの実験ではコレステロールから胆汁酸への変換を促進し、小腸での胆汁酸の再吸収を抑制することが報告されています。さらに、テアブラウニンは腸の蠕動運動を促進し、腸内での食物の滞留時間を短縮する可能性があると報告されています。
また、プーアル茶と同じ後期発酵茶である日本の碁石茶(碁石茶とは高知の山奥で作られる発酵茶です)にコレステロールの報告があります(3)。
コラム 碁石茶について
碁石茶は、高知県大豊町で生産されているお茶で、日本茶の中でもめずらしい発酵茶です。
山に自生している山茶のほか、ヤブキタ茶を使用して作られます。その後、蒸し、2回の発酵過程を経て天日干しを行います。これらを手作業で行います。黒く乾燥した茶葉が並ぶ様子が碁盤の上の碁石のように見えることから碁石茶とよばれるそうです。
3-3. プーアル茶を楽しみながら健康管理する方法
最後はプーアル茶をいつ飲めば良いかについてです。黒茶は脂肪分を燃焼させる働きがあるとも言われていますので、脂っこいものを食べたときにも良いです。
プーアル茶は食事をしながらや、食後に飲むのにも良いお茶です。江戸時代に書かれた書物、「養生訓」の中では空腹時ではなく、食後に飲むことが良いとされています(4)。
まとめ
プーアル茶を含め、緑茶、ウーロン茶、紅茶。実はこれらのお茶はすべて同じ茶葉です。製造工程が異なりそれぞれの違う味のお茶になります。プーアル茶は微生物による発酵の過程がありこの過程によりプーアル茶独特の香りと風味に仕上がります。その際、味だけでなくポリフェノールも変化していくことが知られています。プーアル茶に含まれるポリフェノールの中で特徴的なのはテアブラウニンというポリフェノールです。テアブラウニンにはコレステロールの吸収を抑制するという研究があるので、食事をしながらや、食後に飲むのに良いお茶でとされています。
3.産官学が連携! 幻のお茶『碁石茶』のブランド化による山村の元気復活
4.養生訓:貝原益軒著 伊藤友信訳、講談社、1982