カラダにうれしい! かぼちゃの栄養と健康効果

かぼちゃの栄養と健康効果

秋冬においしく食べたいかぼちゃ、実は栄養価が高く健康にも嬉しい効果があることはご存じでしたか? かぼちゃに含まれる栄養やおいしい食べ方について紹介します。

1.  かぼちゃの栄養素と健康効果

かぼちゃには「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3つ種類があります。ここではそれぞれのかぼちゃに含まれる栄養素と、その効果を紹介します。

1-1. かぼちゃに含まれる栄養素

かぼちゃは大きく分けると、西洋かぼちゃと日本かぼちゃの2種類があります。一般的には西洋かぼちゃが食べられており、皮がつるっとした大きめの種類が多いようです。日本かぼちゃは皮がごつごつして小さめの種類が多いです。他にペポカボチャと呼ばれる皮がオレンジ色で、ハロウィンの時期によく見られる種類もあります。ズッキーニや、日本ではそうめんかぼちゃ(金糸瓜)がペポカボチャの一種です。

かぼちゃはビタミンA(β‐カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維を多く含み、栄養価が高い食品です。日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、そうめんかぼちゃの種類ごとの栄養素はこちらです。

参考:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

西洋かぼちゃは100gあたり91kcal、日本かぼちゃはその約半分で100gあたり49kcalです。西洋かぼちゃに含まれる炭水化物は約21gでそのうち糖質は17.1g、日本かぼちゃは炭水化物が約11gで糖質は8.1gです。カロリーや糖質が高くならないようにするには、日本かぼちゃを選ぶのがおすすめです。また、そうめんかぼちゃは100gあたり24kcal、糖質4.6gとかぼちゃの中ではもっともヘルシーです。売られていることは少ないですが、糖質控えめの食材になります。

3種類の中では西洋かぼちゃの栄養価が高く、ほかの野菜と比べても特にβカロテン・ビタミンCが多いです。特にβカロテンはトマトの約7倍も含まれています。かぼちゃの栄養をしっかりと摂るには西洋かぼちゃを選ぶのが良いでしょう。

1-2. かぼちゃの健康効果

栄養価の高いかぼちゃには、様々な健康効果があります。

1-2-1. 免疫効果

かぼちゃのビタミンACEは免疫システムを正常にするのを助けます。ビタミンAは粘膜の乾燥を防ぎ、ビタミンCは免疫力を高めて細菌などから体を守る働きがあります。ビタミンEには抗酸化作用があり、免疫力低下の原因とされる活性酸素を取り除く働きがあります。

1-2-2. 美容効果

ビタミンACEの抗酸化作用は、老化を防いでくれる働きもあります。中でもビタミンEは抗酸化力が強いとされます。ビタミンEには末梢血管を拡張することで血液循環を整える働きもあり、血行不良による冷え性や肩こり・頭痛などの改善にもよいとされています。

またかぼちゃは食物繊維が多く、満腹感があります。腸内環境を整えることで便秘解消にもつながり、ダイエットにもうれしい食材です。

1-2-3. むくみ解消

塩分をとり過ぎると水分がたまってしまい、体のむくみの原因となります。カリウムは余分な塩分を排出してくれる働きがあり、その際に水分も一緒に排出してくれます。かぼちゃはカリウムを多く摂ることができ、むくみを軽くしてくれます。

1-2-4. 鉄分の吸収率を高くする

かぼちゃに含まれる鉄分はそこまで多くありません。しかし鉄分の吸収を促進するビタミンCを豊富に含み、鉄分の多い食品と一緒に食べることで、体内への吸収・利用率を高くすると考えられます。鉄分不足を補うことで貧血の予防、冷えの改善にも効果が期待できます。

2. かぼちゃの栄養バランスと食べ合わせ

たくさんの栄養が含まれるかぼちゃですが、栄養バランスを考えるときに注意したいことがあります。

2-1. かぼちゃを食べるときの注意

西洋かぼちゃは100g当たり17.1gと野菜の中でも糖質が高めで、食べすぎに注意です。糖質は主食のお米やパン、麺類などで多くなります。かぼちゃ料理を食事に取り入れる日は、主食を少なめにする・糖質が高い食品を使わないようにするなどの工夫をしましょう。

2-2. かぼちゃの食べ合わせ

かぼちゃの栄養素をしっかりと摂るために相性のよい食材があります。

脂質

ビタミンA・ビタミンEは脂溶性ビタミンで、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。そのため油を使う料理や、脂身の多いお肉と一緒に調理することで効率よく摂取することができます。

カリウム

カリウムは水に溶け出てしまう性質があるため、ゆで汁ごと食べられるスープや、より多くカリウムが含まれる食品と一緒に調理するのがおすすめです。カリウムの多い食品として、ほうれん草やにんじん、いも類、豆類、海藻類、肉類、魚類があります。

鉄分

ビタミンCを多く含むかぼちゃは、鉄分の吸収・利用率を高くすると考えられます。鉄分の多い食品と一緒に食べることで、効率よく鉄分を摂取することができます。鉄分が多い食品は、肉や魚・貝類などの動物性食品、小松菜や枝豆、ほうれん草などの野菜があります。

3. 赤ちゃん・妊娠中は食べられる?

栄養豊富なかぼちゃですが、赤ちゃんや妊娠中の女性でも食べられるのでしょうか。

3-1. かぼちゃは赤ちゃんが食べても大丈夫

かぼちゃは茹でるなどの加熱をすることで柔らかくなり、離乳食にも使われます。かぼちゃには赤ちゃんの成長に必要なビタミン類が多く含まれます。

またかぼちゃは食物繊維も豊富で、特に皮の部分に多く含まれています。食物繊維は腸内環境を整え、便秘を改善してくれる効果もあるため、便秘が気になる赤ちゃんにもおすすめです。

3-2. 妊娠中も食べてOK

かぼちゃには妊娠初期に注意したいビタミンAがかなり多く含まれています。しかしこのビタミンAはβカロテンという種類で、体内でビタミンAに変換されて必要な分だけ吸収されるという特徴があります。不要な分は体外に排出されるため、かぼちゃを食べることによるビタミンAの過剰摂取の心配はありません。糖質の摂りすぎに注意すれば、妊娠中でも安心して食べることができます。

4. かぼちゃの保存、調理方法

. かぼちゃの保存方法と調理のポイント

かぼちゃを丸ごと買うと、数週間ほど置いておくことで熟していくことで甘みや栄養価が高まります。日の当たらない涼しい場所で保管します。切った後は傷みやすくなるため、冷蔵庫に入れます。その日に使わない分は、種とワタを取り除きラップなどに包んで保存しましょう。

切った後数日間保存する場合は、冷凍保存することもできます。種とワタを取り除いて、皮を洗ったらよく水分をふき取ります。小分けにしてから、保存袋に入れて冷凍します。冷凍保存すると食感や風味が損なわれてしまうことがありますが、加熱してマッシュしたかぼちゃにしてから冷凍すと、おいしさをキープすることができます。

5. かぼちゃの種、皮、ワタの活用法

かぼちゃには皮や種には、果肉部分よりも栄養があることは知っていますか? 普段あまり食べることはないかもしれませんが、かぼちゃはまるごと活用できる食材ですのでぜひお試しください。

6-1. かぼちゃの種

かぼちゃの種は果肉部分よりも栄養価が高く、カリウム、鉄、亜鉛、食物繊維、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系脂肪酸)であるリノール酸をとることができます。

リノール酸は悪玉コレステロールを減らす、動脈硬化を防ぐなどの働きがあります。

種は電子レンジで乾燥させて煎ることで、簡単におつまみ&おやつにできます。

6-2. かぼちゃの皮とワタ

かぼちゃの皮には、果肉部分以上にβカロテン(ビタミンA)、食物繊維が多く含まれます。これらの栄養をしっかりと摂るために、皮ごと調理して食べるのがおすすめです。

皮の栄養を効率的に摂るのには、皮ごとつぶして作るかぼちゃサラダがおすすめです。

皮まで柔らかくなるようにしっかり加熱すれば、皮の食感も気にならずに食べられます。また、かぼちゃサラダに使うマヨネーズには脂質が多く含まれており、ビタミンAの吸収を高めてくれます。

サラダを作る際、かぼちゃの加熱はゆでるより電子レンジがおすすめです。ゆでると栄養が水に流れ出てしまいやすくなりますが、電子レンジで調理すれば防ぐことができます。

ワタの部分は取りのぞいて捨ててしまうことが多いですが、ワタには食物繊維が多く含まれています。ワタは少し苦みがありますが、工夫するとおいしく食べられますよ。

7. まとめ

かぼちゃには免疫効果・美容効果やむくみ解消、鉄分補給ができる栄養が含まれています。かぼちゃの種類によって栄養成分が違い、西洋かぼちゃは栄養価が高く、日本かぼちゃが糖質控えめでした。

かぼちゃは栄養豊富で赤ちゃん・妊娠中でも食べられ、捨てるところがない優秀な食材です。ぜひ旬の季節には、おいしいかぼちゃで効率的に栄養を補いましょう。