外食やファストフードで食事を済ませることが多い方は塩分を多く摂りすぎているかもしれません。塩分を多く摂りすぎると、血圧が高めになり健康リスクもあります。そのため、塩分は少しでも多く身体から排出したいですよね。今回は、そんな塩分を身体の中から排出する方法として、どんな飲み物を飲んだらいいのかご紹介していきます。
目次
1. 塩分の排出を促す飲み物
余分な塩分を摂り過ぎた場合には、飲み物を飲んで尿から塩分を排出しましょう。尿から塩分を排出するしくみと具体的にどんな飲み物を飲んだらいいのかご紹介していきますね。
1-1. 体から塩分を排出するしくみ
食事によって摂取した塩分は、その90%以上が尿として排出されます。実際に摂取した塩分がどうやって尿として排出されるのか腎臓のはたらきをもとに説明しますね。腎臓は血液中の老廃物をろ過して綺麗な血液にして心臓へ送り、その時に同時に余分な塩分や水分を尿として排出しています。体の中の塩分と水分のバランスが一定になるように調整してくれているのです。そのため、ラーメンなど味が濃いものを食べて、塩分を摂りすぎた場合には、のどが渇いて水を飲みたくなるんですね。これは体内の塩分濃度を薄めたいと体が水分を欲しているのです。そのため塩分排出のためには水分補給をすることが最も大事です。
1-2. おすすめは余計な成分の含まれていない“水”
塩分を排出するための水分としておすすめなのが、余計な成分の含まれていない純粋な“水”です。水を積極的に飲み、尿の量を増やすことで塩分の排泄も促進できます。もし水だと飽
きてしまうという方は、糖類やナトリウム(塩分)などが含まれていない水と炭酸のみの炭酸水を飲むようにしましょう。しかし炭酸水の飲みすぎは体に不調をきたす可能性がありますので、基本的には水を飲むのをおすすめします。
1-2-1. 一日に必要な水分摂取量は1.2L
厚生労働省は、人間は生きていくために1日1.2Lの水分を飲み水から摂取する必要があると発表しています。人間は1日に2.5L水が必要で、1Lは食事から、0.3Lは体内で作られるため、その残り1.2Lを飲み水で補わなければならないのです。かといって1.2Lはもちろん500㎖でさえ一気に飲むのは難しいですし、推奨はできません。のどが渇く前から意識をしてこまめに水を飲むようにしましょう。
1-3. 利尿作用が気にならなければお茶やコーヒーも◎
単純に水分量を増やす以外にも利尿作用のある成分をとって排出するというのも一つの手です。利尿作用のある成分として一般的に知られているのはカフェインですよね。カフェインがコーヒー、紅茶、緑茶などに多く含まれる成分ということはご存じかと思いますが、カフェインの量の比較はご存じでしょうか?実は、表にある通り玉露茶はコーヒーよりカフェイン量が多いです。しかもコーヒーより飲みやすいので塩分排出の飲み物としては玉露茶がおすすめです。
種類100gあたり | カフェイン量 |
玉露 | 160㎎ |
コーヒー | 60㎎ |
紅茶 | 30㎎ |
ウーロン茶 | 20㎎ |
煎茶 | 20㎎ |
ほうじ茶 | 20㎎ |
2. 飲み物以外で塩分を排出する方法
塩分を排出しようと考えた時に、水分をとろうとするのが一般的ですが、それ以外の塩分を排出する方法をご紹介します。
2-1. カリウムの多い食品を食べる
塩分を排出する食べ物とは、カリウムが含まれている食品です。カリウムは人間の身体に必要不可欠なミネラルの一つです。カリウムには腎臓での塩分(ナトリウム)の再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するはたらきがあります。つまり、カリウムを積極的に摂ることで、塩分の排出を増やせます。そんなカリウムが多く含まれる食材、摂取するときのコツ、注意点をご紹介していきます。
2-1-1. カリウムが多く含まれる食材
カリウムは、下記の食材に多く含まれています。塩分の多い食事をとるときには、カリウムの多い食材を使って一品追加してみるのもいいですね。
野菜類100gあたり |
カリウム量 |
切り干し大根 |
3,500mg |
ブロッコリー |
820mg |
ほうれん草 |
6,910mg |
にら |
600mg |
えだまめ |
590mg |
果実類100gあたり |
カリウム量 |
乾燥バナナ |
1,300mg |
ドライマンゴー |
1,300mg |
干しブドウ |
740mg |
2-1-2. 食べるときは生で食べるのがおすすめ
カリウムは水溶性なので、食材を茹でると溶けて出けだしてしまいます。そのため、カリウムを摂取するために食材を食べるときは生で食べるのがおすすめです。しかし、中には火を通さないと食べられないものもあるかと思います。その時には食材を切って加熱するとカリウムが溶け出してしまうので、切らずに丸ごとゆでたり蒸したりするようにしましょう。
2-1-3. 腎臓の機能の調子が悪い人はカリウムの摂りすぎに気をつけましょう
カリウムの摂取基準として、目標量は設定されているものの、過剰に摂取することは問題ないとされているため、上限は設定されていません。しかしながら腎臓の機能が低下している人は、カリウムをうまく排出できないため、カリウムの摂取量に制限がある場合もありますので、注意が必要です。また、そのようにカリウムの摂取を制限している人の場合は、先ほどの調理方法の反対で食材を切って、茹でてカリウムを溶けださせるようにしましょう。
2-2. 運動をして汗と一緒に塩分を出す
夏など暑い日が続く時期は、汗で塩分が排出してしまうため、飴や飲み物などで積極的に塩分をとるように言われますよね。その逆に塩分を排出したい場合は、積極的に運動をして汗をかくようにしましょう。運動で汗をかけば健康にもいいので一石二鳥ですね。
2-3. 減塩の食事を心がける
これまでは塩分を多く摂り過ぎた後の対策でしたが、そもそも食事から塩分を摂り過ぎないように心掛けたいですね。厚生労働省が推奨している1日の塩分摂取量は、下記となりますが、実際の摂取量は男性10.8g、女性9.1g(令和元年「国民健康・栄養調査」の結果)と、男女ともに3g近くも上回っています。
|
1日あたりの塩分摂取量 |
男性 |
7.5g/日 未満 |
女性 |
6.5g/日 未満 |
減塩のために、ラーメンの汁は最後まで飲まず、加工食品、カップ麺などは控えたり、普段の食事も減塩タイプの食品を選んだりするようにしましょう。それでも塩分を多く摂りすぎていると感じた場合には、水分をとったり、カリウムが多く含まれている食材を積極的に食べたりするようにしてくださいね。
3. まとめ
いかがでしたでしょうか。外食、ファストフードを頻繁に食べる方は、塩分を多く摂りすぎているかもしれません。余分な塩分を飲み物で排出するには、水がおすすめです。ほかには利尿作用のあるお茶やコーヒーを飲んで、尿と一緒に塩分を排出しましょう。飲み物以外にもカリウムの多く含まれている食品を食べることでも塩分の排出を促すことができます。外食や塩分の多い食事の時にはそのような食品を一品追加するようにしましょう。そして運動をして汗をかくのも効果的です。自分に合った方法で、余分な塩分を排出していきましょう。