【5分で理解】「炭水化物」と「砂糖」の違いがわかる栄養成分ガイド

ダイエットを続けていると、こんな疑問が出てきませんか?「炭水化物と砂糖ってどう違うの?」

炭水化物と言われる、ごはんや麺に糖が入っているので、これらに砂糖が入っていると思うかもしれません。ですが、実際的には違いがあります。では、どう違うのか、5分でわかりやすくご紹介していきます。

1.「炭水化物」と「砂糖」の違い

上の図は砂糖と糖の違いを示した、分類の全体図です。といってもこれだけでは分かりづらいので、順を追って見ていきましょう。まずは炭水化物の仕組みから知ると、違いを理解しやすいでしょう。

1-1.「炭水化物」=糖質+食物繊維

水化物を大きく分けると、体内で消化されてエネルギーとなる「糖質」と、体内で消化されない「食物繊維」に分けられます。まずはこれだけ知ってもらえればOKです。炭水化物と言えばごはんが思い浮かぶと思いますが、お米=炭水化物ではありません。炭水化物以外にもタンパク質や脂質が含まれているからです。お米の大部分である炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられるといった仕組みなんですね。

1-2.「糖質」の中に「糖類」がある

炭水化物の中の「糖質」の中には「糖類」があります。この糖類はさらに「二糖類」と「単糖類」に分けることができます。だんだん難しくなってきましたね。もう全体像から一度整理すると今はここの話です。糖質の中に糖類がある、糖類の中には単糖類と二糖類がある、というこの2点をチェックしましょう。

1-3.「砂糖」は糖類の一種

では次に砂糖です。砂糖は先ほどの「二糖類」の中に分類されています。二糖類には砂糖以外に麦芽糖などの種類がありますが、ここではひとまず砂糖は二糖類であることをお伝えします。

1-4.「炭水化物」の中に「砂糖」が含まれているわけではない

ここまでを見ると、「炭水化物の中に砂糖が含まれている」「炭水化物が砂糖になる」といったように思うかもしれませんが、実際はそうではありません。それぞれ次のような流れで分解されていきます。

・炭水化物

→でんぷん(多糖類)→麦芽糖 (二糖類)→ブドウ糖(単糖類)

炭水化物に含まれる糖質は「でんぷん」です。でんぷんは麦芽糖になり、ブドウ糖となって体内に吸収されます。

・砂糖

→砂糖(二糖類)→ブドウ糖(単糖類)+果糖(単糖類)

砂糖は二糖類です。図で示したように、砂糖が分解されるとブドウ糖と果糖が作られます。両方とも最後は単糖類になります。「炭水化物の中に砂糖が含まれている」という話は誤りなんですね。

2.太る原因は血糖値にあり!

では違いが分かったところで、炭水化物も砂糖なぜ太るのか、その仕組みは血糖値が大きく影響しています。

2-1.血糖値が高くなると太りやすい

人が太る仕組みは、食事からとったエネルギーが多すぎて余ってしまい、皮下や内臓に蓄積することにあります。そして、このエネルギーの多くがブドウ糖から作られるので、エネルギーが余るということはブドウ糖が余ることなんですね。

2-2.血糖値が関係するのは「ブドウ糖の量」

血糖値は血中のブドウ糖の量によって変わります。炭水化物や砂糖をたくさん摂って、ブドウ糖がエネルギーとして消費しきれないと、血糖値が上がるのです。このため、ブドウ糖の量が関係する「糖質量」や「炭水化物量」を減らすことが、ダイエットに良いとされているのです。

2-3.炭水化物より砂糖は太りやすい

「炭水化物」と「砂糖」、どちらが太りやすいのか、という点も気になるところ。結果は砂糖です。2-1では太りやすさと血糖値の関係を挙げましたが、砂糖の方が炭水化物より血糖値を上げやすいからです。その理由は「吸収スピード」。吸収のスピードが早いほど血糖値は上がりやすくなるんですね。炭水化物のほうが砂糖よりも吸収スピードが早いので、砂糖の方が太りやすいとなるわけです。

3.ブドウ糖は健康な体作りに必要な栄養素

ここまでブドウ糖を中心に話を進めましたが、ダイエット的な観点からみると悪者扱いですね。ですが、ブドウ糖は体にとって必要なエネルギーなので、まったく炭水化物や砂糖を摂らない、というのは健康的に良くありません。

3-1. 脳や体を動かすエネルギー源

ブドウ糖は体内において、脂肪、タンパク質もエネルギー源として利用しながら、ブドウ糖が最も重要なエネルギー源として使われています。また、脳にとっても最も重要なエネルギー源はブドウ糖です。しかし、脳だけはブドウ糖しかエネルギーになりません。さらに、脳は全重量のわずか2%を占めるにすぎないにもかかわらず、全エネルギーの18%を消費します。つまり、ブドウ糖が不足すると、特に脳へのエネルギーが不足するため、非常に重要な栄養素の一つなのです。

3-2.1日150gの糖質量を摂取目安に

では、体に必要な栄養素であるブドウ糖はどれくらいとればよいのでしょうか。体にとって必要なブドウ糖の量は約120gと言われています。ですが、食べ物の栄養成分表示にブドウ糖の量が載っているわけではないので、糖質量が分かりやすいでしょう。糖質量であれば、一般的な成人の摂取量300gの約半分、平均摂取量1150gを摂取目安にしたいですね。

4.健康的に糖を摂る食事のポイント

糖を摂りすぎても、摂らな過ぎても良くないことがお分かりいただけたと思いますが、適量というのはなかなか難しいもの。そこで、糖の適量摂取に役立つオススメポイントをご紹介します。

4-1.糖質の量を「栄養成分表示」でチェック

1日の適量を知るためには食品毎の糖質量をおおよそでも知っておく必要があります。そこで、食品の栄養成分表示を見る習慣をつけましょう。少しずつ、糖質量を覚えることで、その量が多い食品なのかどうかを知るようになれます。

4-2.野菜を食事の前に摂る

一般的には糖質を摂りすぎているケースが多いので、どのように減らすかがポイント。そこで活用したいのが野菜を食事の前に摂ることです。よく言われていることですが、野菜に含まれている食物繊維には一緒に食べた食事の糖質を吸収させない働きがあります。そのため、まず野菜、次に主菜や主食を摂る習慣が大切です。

4-3.食物繊維の多いそば、パスタがオススメ

炭水化物として主食に挙がるのがごはんや、パン、麺類などがありますね。これらを減らすことができれば糖質量を大きく減らすことができますが、なかなか難しいもの。そこで、食物繊維の多い主食を食べる機会を増やすと良いでしょう。オススメはそばややパスタ。これらは食物繊維が多く、糖の吸収を穏やかにするので、血糖値を上げにくくしてくれる働きがあります。

4-4.砂糖の代わりにオリゴ糖を選ぶ

砂糖は糖質量が非常に多く、砂糖100g中の糖質量は実に99.2%もあります。普段から使う方は要注意ですね。これらの代用としてオススメするのが、オリゴ糖です。オリゴ糖は砂糖と同じ甘味料でありながら、消化吸収されにくい糖であるので血糖値が上がりにくくなります。砂糖を頻繁に使う方であれば、ぜひオリゴ糖を試してみてください。

5.子供が炭水化物を減らすのは良くない

最近では肥満の子供も増え、親からするとごはんなどを食べさせ過ぎることが心配になるかもしれません。だからと言って炭水化物を抜かせたり、減らしたりすることはかえって良くありません。炭水化物から得られる糖質が不足すると学習や成長に影響するからです。

まず、最も影響を受けやすいのが脳です。先述の通り、脳にとって唯一のエネルギー源となるのが「ブドウ糖」だからです。脳がエネルギー不足になると、ぼーっとしたり、記憶力に影響し、学習面の影響も小さくありません。また、成長においても、大人と比べ運動量の多い子供の時期はエネルギーが不足しがちです。多少多めにとっても消費量が多いため、問題になりにくいでしょう。

6.まとめ

炭水化物と砂糖の違いをご紹介していきました。炭水化物の中に砂糖が入っているわけではないことや、どのような分類になっているかがお分かりいただけましたでしょうか。この違いを知れば上手にダイエットを進めるのに役立つはずです。ぜひ、役立ててみてくださいね。