朝ご飯と一緒に、デザートに、と食べられているヨーグルト。その歴史は古く人類が牧畜を始めた紀元前5000年ごろから食べられていたそうです。また、おなかの調子を整える乳酸菌が含まれていることが広く知られ、健康にも良い食べ物として親しまれています。
では糖質を気にしている方にとってはどうなのでしょうか。砂糖が入っていなければ糖質は低そうですが、具体的にどのくらいなのか、糖質制限には向いているのか、ヨーグルトと糖質についてご紹介していきます。
1.ヨーグルトの糖質量
健康のためにヨーグルトを食べている人は珍しくないでしょう。しかしヨーグルトにどんな成分が含まれているかを詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。まずはヨーグルト100gにどんな成分が含まれているのか簡単に紹介します。
カロリー |
たんぱく質 |
脂質 |
炭水化物 |
カルシウム |
62kcal |
3.6g |
3.0g |
4.9g |
120mg |
主な成分はこのようになっています。このほかにも誰もが知っている乳酸菌とビタミン類のA・B2が含まれています。健康に良いといわれている成分はもちろん乳酸菌が代表になりますが、じつはたんぱく質、脂質、カルシウムなどが吸収されやすい良質な形で含まれており。必須アミノ酸もバランスがよく含まれているので、ヨーグルトは健康に良いというのはこのような点があるためです。
そんな健康によいヨーグルトなので毎日の食事に取り入れたいと考えている人も多いことでしょう。しかし、ヨーグルトといっても市販には様々なヨーグルトの種類がありますので、その種類毎の糖質量を見ていきましょう。
1-1.無糖のヨーグルトなら低糖質
下記は100g当たりの糖質量を示した表です。合わせてカロリーも表示してみました。
種類 | 糖質量 | カロリー |
全脂無糖(プレーン) | 4.9g | 62kcal |
無脂肪無糖(プレーン) | 5.7g | 42kcal |
脱脂加糖(普通のヨーグルト) | 11.9g | 67kcal |
ドリンクタイプ・加糖 | 12.2g | 65kcal |
参考:食品成分データベース/文部科学省
プレーンの状態では100g当たり4.9gと非常に低糖質なので、糖質制限中も問題ない量であることが分かります。ですが、砂糖が加わった普通のヨーグルトやドリンクタイプのヨーグルトでは糖質量が倍以上になっているので、適度に飲むのが良いでしょう。
1-2.市販のヨーグルト製品
では次に具体的にどのような製品があり、どのくらいの糖質量があるのか見ていきましょう。
全脂無糖(プレーン)
参考:生乳100%ヨーグルト/小岩井
小岩井乳業から出されている全脂無糖のプレーンタイプヨーグルトです。100g当たりの糖質量は4.6gで、400gでも総糖質量は18.4g。酸味の少ない、非常になめらかな食感を実現しています。
無脂肪無糖(プレーン)
参考:ビヒダス/森永乳業
森永乳業のヨーグルト製品ビヒダスシリーズのヨーグルト。糖質量は100g当たり6.5gと低糖質に加え、脂肪0とした無脂肪無糖タイプです。酸味を抑えたまろやかな味わいが特徴となっています。
脱脂加糖(普通のヨーグルト)
参考:ブルガリアヨーグルト LB81低糖/明治
コンビニやスーパーなど多くの店舗で取り扱われているブルガリアヨーグルトの低糖タイプ。甘味を保ちながら100g当たりの糖質量を9.2gと抑えています。
ドリンクタイプ・加糖
参考:プロビオヨーグルトR-1/明治
明治オリジナルの乳酸菌が入ったドリンクタイプのヨーグルト。ドリンクタイプにすることで、手軽に毎日ヨーグルトをとることができます。100g当たりの糖質量は11.9gです。
1-3.体を鍛える人のためのヨーグルト オイコス
ヨーグルトのタンパク質の吸収率の良さに目を付けて開発されたヨーグルトがオイコスです。
参考:オイコス
1個当たり(内容量112g)に12gのたんぱく質が含まれており、糖質は3.8gと低糖質なヨーグルトとなっております。
1-4.低糖質のヨーグルトランキング
低糖質なヨーグルトは様々なメーカーが出していますので、低糖質ヨーグルトを順に紹介していきます。
1-4-1. マルサンアイ 豆乳グルト (100gあたり 糖質1.6g)
豆乳で作られたヨーグルトであるため、乳糖が含まれておらず超低糖質なヨーグルトを実現しています。ただ、牛乳で作られていないためかなりあっさり風味な味となっているので好き嫌いが分かれるヨーグルトとなっています。
1-4-2. KAGOME 植物性乳酸菌ラブレLight (1本80mlあたり 糖質2.2g)
こちらは飲むタイプのヨーグルトです。甘味料を使い糖質を抑えています。
1-4-3.森永 濃密ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン (1個100gあたり 糖質4.2g)
糖質が1個当たり4.2gとかなり抑えられているヨーグルトです。普通のヨーグルトよりもたんぱく質の量が多く、低糖質であるため、糖質制限中にたんぱく質を摂る必要があるひとにぴったりな製品です。
2.低糖質だけじゃない!ヨーグルトの糖は太りにくい!
ヨーグルトの糖質量は比較的少ないことが分かりましたが、さらに糖質制限にピッタリの理由があります。それはヨーグルトに含まれる糖は太りにくい糖であるということです。ヨーグルトのプレーンタイプに含まれる糖質の多くは「乳糖(ラクトース)」と呼ばれる種類の糖ですが、この糖はご飯やチョコなどに含まれる糖と比べて太りにくい糖なのです。
なぜ太りにくいというと、日本人はこの糖を分解する酵素が少ないことにあります。分解されない糖は吸収されずに体外に排出されて、体に溜まりません。一方、欧米人などはこの酵素を多く持っているので、乳糖の分解・吸収量が多くなり、日本人と比べるとやや太りやすくなるのです。
3.糖質制限に役立つヨーグルトの食べ方
では2章の内容を踏まえて、どのようにヨーグルトを食べたら良いのか、糖質制限中に実践したいオススメのヨーグルトの食べ方をご紹介します。
3-1.無糖のヨーグルトを選ぶべき
ヨーグルトは無糖(プレーン)タイプが最も良いでしょう。どのヨーグルトでも「プレーン」と書かれていれば問題ありませんが、念のため100g当たりの糖質量が5.0gであることを確認しましょう。
3-2.1ヵ月毎に食べるヨーグルトを変える
ヨーグルトを食べる事で菌をお腹に取り入れる事ができます。ただし、1ヵ月以上食べ続けると菌がさぼり始めるので、1ヵ月毎に違ったヨーグルトを食べる事で、菌を定期的に入れ替える事ができます。
3-3.食前にヨーグルトを食べる
糖質制限をされている方はヨーグルトは食事の前にとるようにしましょう。食前に食べることで、ヨーグルトの働きである糖の吸収を穏やかにする機能が働くからです。ですが、食後に食べた方が良いと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
実は腸内環境を整える上では、食後の方にメリットがあります。空腹時は胃の中に胃酸がたまっているため、食前に食べるとヨーグルトの菌が腸に届く前に死んでしまうのです。ただし、糖質制限を行いたいなら食前がオススメです。
3-4.食物繊維を一緒にとる
腸内細菌は食物繊維をエサとしています。そのため、野菜など食物繊維が豊富なものをヨーグルトと一緒に食べると効果的です。合わせて食べる食材のオススメは食物繊維が豊富な「おから」、食物繊維がありトッピングとしても美味しい「バナナ」などがあります。
3-5.食べるタイミングは夜がオススメ
夕食の前にヨーグルトを食べることで、血糖値の上昇を抑える上、腸が活発になるタイミングでヨーグルトが腸に届きます。腸は午後10時~午前2時が最もよく働くと言われてるので眠っている間に善玉菌が活発になって、腸内環境を整えて太りにくい体質や、便秘の改善に役立つとされています。
3-6.1日200gが目安
各ヨーグルトメーカーの試験結果では、1日200gを2週間摂り続けると一定の効果が出るとされています。それ以上食べても効果が出にくいとされているので、200gを毎日継続して食べるようにしましょう。
4.オススメのヨーグルト製品
最後にオススメするヨーグルトをご紹介します。大きく3つのオススメするヨーグルトがあります。
4-1.毎日続けやすい「プレーンヨーグルト」
明治ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン 400g
エネルギー62kcal/炭水化物5.3g(糖質5.3g)/たんぱく質3.4g/食物相当量0.13g/脂質3.0g
シンプルなプレーンヨーグルトは値段も手ごろで容量も多く、最もオススメです。その他の食材とも合わせやすく、続けてヨーグルトを食べるのであれば王道と言えるでしょう。
4-2.高タンパクな「ギリシャヨーグルト」
明治THE GREEK YOGURT(明治ザ グリーク ヨーグルト)プレーン
エネルギー59kcal/炭水化物4.8g(糖質4.8g)/たんぱく質10.0g/食物相当量0.13g/脂質0g
近年人気が高まっているのがギリシャヨーグルト。ヨーグルトを布を使い水分を切って作られるため、半固形ともいえるしっかりした食感と、凝縮された高たんぱくが特徴です。ギリシャヨーグルトも甘さのあるタイプなど様々な種類が販売されていますが、プレーンタイプを選ぶようにしましょう。
4-3.ホルモンバランスを整える「豆乳ヨーグルト」
ソイビオ豆乳ヨーグルト プレーン
エネルギー49kcal/炭水化物5.1g(糖質0.8g)/たんぱく質3.9g/食物相当量0.05g/脂質2.4g
豆乳ヨーグルトと通常のヨーグルトとの大きな違いは乳糖が含まれていないこと。「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする」といいますが、このゴロゴロの原因が「乳糖」です。豆乳ヨーグルトには乳糖は含まれず、豆乳は植物性ですので乳製品アレルギーの人でも安心して食べられます。
また、豆乳の原料である大豆には血糖値を下げる効果もあり、乳酸菌もしっかりと含まれているため、一般のヨーグルトが苦手な方は豆乳ヨーグルトがオススメです。
5.まとめ
今回はヨーグルトの糖質と健康効果、食べ方をご紹介していきました。もう一度整理するとヨーグルトは低糖質、ただし砂糖が入ったものは避けてプレーンタイプを選ぶ、ヨーグルトの種類は1か月毎に変えるというところでした。ぜひ、糖質制限中の方はヨーグルトを取り入れてみてくださいね。