多くの女性が抱える肩こりの原因と、その対処法をご紹介します

肩こりに悩んでいる女性のイラスト

多くの方が悩まれている肩こりですが、その割合は実は男性よりも女性の方が多いことをご存知でしょうか。

厚生労働省が行っている国民基礎調査(平成31年国民基礎調査)によると、体の中で自覚している症状について、女性は肩こり、男性は腰痛が1位でした。

さらに、男性の2位が肩こりで、肩こりを自覚している女性は男性の2倍にも上ることが分かりました。そこで、こちらの記事では、女性の肩こりの原因と、自分でできる解消法をご紹介します。

日頃肩こりで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1. 肩こりの原因

まず、肩こりがどうやっておこるか、肩こりの原因からご説明します。肩こりには「筋肉疲労」と「血行不良」、「末しょう神経」が関係していると言われています。

肩と首のまわりには、頭や腕を支えているさまざまな筋肉があります。これらの筋肉が疲れると、疲労物質がたまり硬くこわばります。それが血管を圧迫して血行不良をおこしたり、末しょう神経を傷つけたりすることで、こりや痛みを感じるようになります。そして、血行不良になると、筋肉に十分な酸素や栄養が届けられず、筋肉疲労となり、ますます筋肉が硬くこわばってしまいます。

2. 女性が肩こりなりやすい理由

1章で肩こりになる原因はお分かりいただけたかと思います。ではなぜ男性よりも女性の方がおこりやすいのか、具体的にご紹介します。

2-1. 女性は男性よりも筋肉量が少ない

筋肉女性のイラスト

まず、女性のほうが男性よりも筋肉量が少ないためです。筋肉量が少ないと、1章でご紹介した人の頭や腕を支えている筋肉が疲れやすくなります。

それにより、血行不良となり疲労物質がたまることで、肩こりになってしまうのです。また、女性は胸の重みを支える筋力も必要となります。

そのため、筋肉量を増やしたり、筋力をつけたりすることで肩こり対策になります。

2-2. 女性に多い冷え性による血行不良

次に女性に多い冷え性も肩こりの原因の1つとされています。体が冷えると、血行不良となってしまいます。その血行不良が肩こりに繋がっているのです。

女性の冷え性には筋肉量が関係しています。体温の上昇に大きな役割を果たしている筋肉の量が少ないと、冷えやすいと言われています。

グリコが行った調査でも約7割の女性が冷え性を自覚していることが分かっています。

身体を温めることが大切とよく言われますが、それが肩こり改善にもつながっているのですね。

2-3. 育児や家事で体に負担がかかる

肩まわりの筋肉の疲れも、肩がこる原因になります。女性は育児で子供を抱っこしたり、家事での洗い物や、洗濯物などをしたりと肩まわりの筋肉をよく使いますよね。

そうすると気づかないうちに、疲れがたまり、血行不良となり老廃物が溜まる原因となってしまします。そのため、その日の疲れはその日のうちに解消して肩こりを予防しましょう!

3. 男女共通の肩こりになる理由

3章では、女性だけでなく男性にも共通する肩こりになる理由をご紹介します。

3-1. 在宅・オフィスワークなどで何時間も同じ姿勢をしている

リモート会議のイラスト

在宅やオフィスワークなどで何時間も同じ姿勢をしていることにより、肩こりを感じている方も多いのではないでしょうか。

長時間同じ体勢のまま過ごしていると、肩や腰の筋肉に負担がかかり、疲れて疲労物質がたまり肩こりに繋がってしまうのです。

作業をするときは、定期的に立ち上がったり、伸びをしたりして体を動かすようにしましょう。

3-2. パソコン・スマホ・テレビを長時間見ている

意外かもしれませんが、パソコンやスマホ、テレビを長時間見ることによる眼精疲労などの目の疲れも、肩こりに関係しています。目から入った情報は、末しょう神経を通って脳に送られます。

目が疲れると末しょう神経を圧迫してしまいます。末しょう神経の多くは、目の奥や肩、腰に集中しているため、目が疲れると肩回りにも影響してしまうのです。

4. 自分でできる肩こり解消法!

ここからは、自分でできる肩こり解消法をご紹介します。難しいものはないので、気軽に試してみてください。

4-1. 湿布をはる

肩こりの痛みを和らげたい!という場合には湿布をはるのもおすすめです。冷たいイメージのある湿布ですが、実は温かい湿布もあるのをご存知でしたか?

肩こりの原因によっては冷たいものよりも温かいものを使った方が効果的な場合があります。0

4-1-1. 温かい湿布が適している肩こり

温かい湿布を使った方が良い場合は、血行不良によって慢性的な肩こりがおこっている場合です。1章で女性は冷え性の方が多いことを説明しました。

そのような冷え性などで起こる血行不良が原因の肩こりには、温かい湿布を使うのがおすすめです。

4-1-2. 冷たい湿布が適している肩こり

冷たい湿布には炎症効果があります。そのため捻挫や打撲、筋肉をたくさん使った場合など、筋肉が炎症をおこしている時の急性の痛みには、冷たい湿布を使うのがおすすめです。

4-2. 湯船につかる、蒸しタオルを使う

肩を温める方法は、湿布以外にも、お風呂に入るときに湯船につかるようにしたり、蒸しタオルを使ったりするのがおすすめです。

4-2-1. 湯船のつかり方

湯船につかっている女性のイラスト

40℃のお湯に10~15分しっかり肩までつかりましょう。そうすることで、体がしっかり温まり、血行が良くなります。そして、下記の手順で肩をほぐしましょう。

①肩に力を入れてぐっと引き上げる。

②一気に肩を抜く。

①、②の動作を10回程度繰り返しましょう。

バスロマン https://www.bathclin.co.jp/health-column/211126_46/

4-2-2. 蒸しタオルの作り方

蒸しタオルを使ったことが無い、作ったことが無いという方もいらっしゃるかもしれません。

蒸しタオルは本当に簡単に作れるので、下記の手順に沿ってぜひ試してみてくださいね。

①タオルを水やお湯で濡らして軽く絞る

②ジップロックに入れて口は完全にふさがずに少し開けておく

(ジップロックがない場合は、ラップにくるんだりそのままお皿にのせたりしてもOKです!)

③レンジで500~600Wで30〜60秒温めて完成

電子レンジから出したばかりの蒸しタオルはとても熱いので、適度に冷ましてから使ってくださいね。

4-3. ストレッチ

ストレッチをしている女性

肩こりのストレッチと調べると、いろいろな方法が出てきますが、一番のおすすめは「肩甲骨」のストレッチです。肩こりの原因となる筋肉は肩甲骨と繋がっています。

その筋肉は深いところにあるため、肩甲骨のストレッチでほぐして、肩甲骨の動きをよくすることが大切です。ぜひ試してみてください。

①手の先を肩に乗せる

②肘と肩を前に大きく回す

③後ろに大きく回す

4-4. 目を休める

普段パソコンやスマホ、テレビを見ることの多い方は、意識して目を休めるようにしましょう。

具体的には、頻繁にまばたきをすることと、意識して遠くを見ることです。まばたきをすることで、目の周りの筋肉がほぐれ、遠くを見ることで、目の筋肉がリラックスした状態になります。

4-5. 血行不良や筋肉疲労に効果のある食べ物

血行不良や筋肉疲労に効果のある食べ物を食べて内側からも肩こり対策を行いましょう。

血行不良対策には、クエン酸が含まれる梅干しやレモン、EPAが含まれるイワシ、サバ、サンマなどの青魚がおすすめです。

一方で筋肉疲労には、ビタミンB1を含む豚肉やウナギがおすすめです。なお、クエン酸は疲労回復にも効果的です。

ウナギは日ごろ食べないと思いますが、そのほかの食べ物は普段からよく使っている食材なのではないでしょうか。積極的に摂取していきましょう。

5. なかなか治らない肩こりは病院や接骨院へ

なかなか解消しない慢性的な肩こりを放ってしまうと、頭痛やめまいなど、ほかの不調も引き起こしてしまう可能性があります。

気になる場合は、病院や接骨院での治療も検討してみてください。

肩こりを治すために行く病院というと、整形外科をイメージされる方が多いのではないでしょうか。整形外科と接骨院、それぞれどう違うのか説明していきます。

4-1. 整形外科

整形外科には医師がいるので、診断して治療してもらうことができます。場合によってはレントゲンによる画像診断や薬、湿布を処方してもらえます。

肩こりなのか、もしかすると違う病気やけがの可能性もあるので、まずは整骨院よりも先に医療機関である整形外科へ行って、正確な診断をしてもらうことをおすすめします。

4-2. 接骨院

整骨院では、柔道整復師という国家資格を持った人が施術を行います。

整形外科では診断、薬や湿布の処方をしてもらえますが、接骨院は整体マッサージや鍼治療、お灸など、施術をメインに行ってもらえます。

1回施術してもらうだけでも楽になる場合はありますが、何度も通院する場合がほとんどです。そのため通いやすさや、施術の内容など、ご自身に合った接骨院を探してみてくださいね。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。女性の肩こりの原因は「筋肉疲労」や「血行不良」、「末しょう神経」が関係していることが分かりました。具体的には、女性の筋肉量の少なさ、冷え性による血行不良、デスクワークやスマホの目の疲れによる末しょう神経の緊張、家事や育児による筋肉疲労です。それらを解消する方法として、肩を温めること、ストレッチ、目を休める、効果的な食べ物を食べることをご紹介しました。ご自分の肩こりのお悩みと照らし合わせながら、対策を行ってみてくださいね。そして、慢性的な肩こりに悩まれている場合は、整形外科で一度診断してみてください。みなさんの肩こりがやわらぎ、少しでも今より快適な生活が送れることを願っています。