【アカシア樹皮由来プロアントシアニジンが高血圧に与える影響のメカニズムに関する論文】
高血圧ラットにおいてアカシア樹皮プロアントシアニジンを摂取することで収縮期血圧、拡張期血圧ともに低下させる機能があることが分かりました。
この論文は機能性表示食品『アカポリ血圧・血糖Wダウン』(H380)の作用機序に関する論文になっています。
【試験内容の詳細】
目的
これまでに私たちは、モデル動物を用いた実験により、アカシアポリフェノールに強い抗肥満作用、抗糖尿病作用、抗アトピー性皮膚炎作用があることを明らかにしてきた。一方、近年一部のポリフェノールにも抗高血圧作用があることが報告されている。
本研究ではアカシアポリフェノールの抗高血圧作用について明らかにするため、高血圧の自然発症ラット(SHR)と対照のWistar Kyotoラット(WKY)を使用し、アカシアポリフェノールの抗高血圧効果と作用メカニズムについて検討した。
方法
実験には雄の高血圧の自然発症ラット(SHR)と対照のWistar Kyotoラット(WKY)(共に12週齢)を使用した。WKYおよびSHRにアカシアポリフェノール(AP)含有飼料またはAP非含有飼料(対照群)を4週間自由摂取させ、血圧を測定した。収縮期血圧、拡張期血圧および心拍数は、1週間ごとに測定した。摂取4週間後、血液と腎臓のサンプリングを行い、アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性測定とそれらに関連する遺伝子の発現の比較を行った。
結果
アカシアポリフェノール摂取後、SHR(高血圧ラット)群では収縮期血圧、拡張期血圧ともに対照群(AP非摂取群)に比べ有意に低下した。一方、WKY(健常ラット)の血圧はアカシアポリフェノール群と対照群との間に差はなかった。SHRラットにおける降圧作用のメカニズムを詳しく調べるため、血中および腎臓での様々な酵素活性について解析した。その結果、アカシアポリフェノールを摂取したSHRラットの血中SOD活性は対象群(AP非摂取群)より高いことが明らかとなった。また、このSHR(高血圧ラット)における血中SOD活性はWKY(健常ラット)並みに回復していることが明らかとなった。
これらの結果から、我々はアカシアポリフェノールが高血圧に対して降圧作用を示すことを突き止めた。一方で正常血圧に対してはほとんど影響を及ぼさない。このアカシアポリフェノールの降圧作用には、血中SOD活性の上昇による抗酸化作用が関与すると我々は考察している。