【機能性表示食品『アカポリ肌ムズケア』の届出 作用機序に関する論文(マウス試験)】
アカシア樹皮抽出物(アカシア樹皮由来プロアントシアニジン)をマウスに与えることで、マウスの皮膚の乾燥を防ぐことにより、アトピー性皮膚炎の痒みを抑制することがわかりました。また、アトピー性皮膚炎発症時に見られる皮膚のceramidase の発現増加を抑制することが、皮膚の乾燥を抑制したメカニズムとして考えられました。 この論文は、機能性表示食品『アカポリ肌ムズケア』の届出に際して、作用機序を説明する論文になっています。
【試験内容の詳細】
アカシアの樹皮からの高ポリフェノール画分のアレルギー性皮膚炎に関わるかゆみに対する阻害効果 (Inhibitory effect of polyphenol-rich fraction from the bark of Acacia mearnsii on itching associated with allergic dermatitis), N Ikarashi, W Sato, T Toda, M Ishii, W Ochiai, K Sugiyama, Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine 2012, 2012
目的
我々はこれまでに、アカシア樹皮抽出物(アカシアポリフェノール)が強力な抗肥満作用や抗糖尿病作用を示すことを明らかにしました。本研究では、アカシアポリフェノールのアトピー性皮膚炎(AD)の痒みに対する抑制作用を検討しました。
方法
HR-1 マウスに普通飼料(Control 群)、特殊飼料(AD 群)あるいはAP 3%含有特殊飼料(アカシアポリフェノール群)を6 週間自由摂取させました。投与6 週目に、掻痒行動回数、皮膚水分蒸散量、皮膚のセラミドの発現およびセラミダーゼのmRNA 発現量を測定しました。
結果
AD 群ではControl 群と比べ、搔痒行動回数の増加、皮膚水分蒸散量の上昇が認められ、アトピー性皮膚炎様症状を呈していました。これに対して、アカシアポリフェノール群では、これらのアトピー性皮膚炎様症状の改善が認められました。皮膚の水分保持に重要な役割を担うCeramide の発現量を免疫組織化学染色により解析しました。AD 群のCeramide の発現量はControl 群に比べて低下していましたが、アカシアポリフェノール群ではこの低下が抑制されました。皮膚のCeramide 含量を減少させるceramidase のmRNA 発現量は、AD 群ではControl 群と比較して上昇しており、この上昇をアカシアポリフェノール 群は有意に低下しました。
考察
本研究の結果から、アカシアポリフェノールは皮膚の乾燥を防ぐことにより、アトピー性皮膚炎の痒みを抑制することがわかりました。また、アトピー性皮膚炎発症時に見られる皮膚のceramidase の発現増加を抑制することが、皮膚の乾燥を抑制したメカニズムとして考えられました。